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2023年秋旅⑥(北海道)

10月6日
今日は花神楽に漫画読みに行こうと思ってたけど、微妙に遠いしそんなに読みたい漫画もないからやっぱり地元の万華の湯の休憩室でゆったり過ごした。
一日中雨の予報だったけど意外と止んでる時間の方が長かった。

今夜遅くから標高の高い所では雪の予報で、夕方に望岳台付近の定位置に戻るとだいぶ寒くなってきたように感じた。

十勝岳避難小屋付近の標高では明日の8時くらいまでは雪マークだから、三段山の紅葉の所でちょうど雪降ってる所見れるかもしれない。
早起きする必要はないけど雪が雨に変わる前までには登っとかないと。


10月7日
早朝に起きて外出てみたけど思ってたほど寒くなくて、ほんとに雪降ってるのかなって感じで半信半疑だったけど一応6時半くらいに吹上温泉から登り始めてみた。


紅葉は前回来た時よりもだいぶ進んでるのは分かったけど濃霧で雪が降るような感じに思えないというか、そもそも霧だと雪が降っても目立たない気がしてきた。


でも霧の中の紅葉もすごい絵になるから良い条件だしたくさん撮っておく。


前回色づき始めてたナナカマド達がきれいに赤く染まって準備万端になってた。

ここで雪が降ってほしかったけど降りそうになかった。
霧雨みたいな弱い雨も降ってきた。
傘を持ってきてたから風はないし撮影は楽しくできた。


黄色もめちゃくちゃ鮮やか。

赤と黄でカラフルな所を狙いたいけど地形的に微妙に霧では撮りづらい。


雪とは撮れなかったけど明日晴れ予報だからここの紅葉を青空で撮れそう。

もっと上まで登れば雪かもと思ったけど、霧の中で雪降ってもしょうがなさそうに思えたから今日はここまでにした。


登山道にはもったいないくらいナナカマドの葉っぱが落ちてた。


キノコがあちこち生えてたからこのカラフルな落ち葉の中にも生えてないか探してみたら小さくて地味だけど一応いた。

白系のキノコの方が目立つんだけどいないのはしょうがないか。食べれるのかな?


今回霧の濃度がちょうどいい感じで霧と紅葉撮るにはすごくいいと思う。

手前はクリアで奥は霧でうっすら色が見えてるくらいのを探しながら下山。


雪にはなってないけど下山中だいぶ冷えてきてナナカマドについてる水滴も凍ってるように見えた。


見下ろす位置から撮りたかった黄葉。


ナナカマドの色づきは完璧ではないけど幻想的。


撮りたいイメージは何となくあるんだけどなかなか思ったようには撮れなかった。
でもたまには雨の中の紅葉も撮ってみたかったから楽しかった。

中腹の紅葉の色づきはピークになってたこと確認できたから、明日青空で撮れると思うとすごい楽しみになってきた。


10月8日
6時半からまた三段山に登り始めた。

昨日雨だったしかなりの濃霧だったから雲海もあり得るかもと思って少し期待してたけど、町側に極小の雲海が出てただけだった。


今日は晴れが確定してるから青空と紅葉をたくさん撮れそう。

登り始めてすぐきれいな紅葉だらけだったけど、まだ日影だったから帰りに撮ることにしてとりあえず昨日目を付けてたナナカマドの所へ。


着いてみると思ってた通りめちゃくちゃ鮮やかで青空と最高に合う。
しかも奥にはきれいに冠雪した旭岳が見えててすごい絵になってる。

日影になってる山肌の紅葉にも光が当たりだせば更に良くなるかもと思ってしばらく待とうかと思ったけど、チラッと山頂登ってからまた戻る頃にちょうどいい時間かもと思って山頂目指すことにした。

昨日引き返したところから200mくらい進んだあたりで雪が出てきて、さらに進んだらまさかの雨氷になってた。


ハイマツがびっしり雨氷で覆われてすごいことになってる…。
雨氷は条件が厳しいから滅多に見れないけどここまですごいのは初めて見た。

道をふさいでるから避けながら歩くしかないけど氷の影響で重量がめっちゃ重くなってた。


ここから先全てが雨氷でコーティングされててキラキラ輝いてた。

未知の世界でワクワクする。こんなこともあるのか…。


じっくり観察して撮りたいところだけど、先も気になるしとりあえず撮りまくりながら進む。


ここがすごかった。
散りばめられた全部の緑の葉っぱが氷できれいにコーティングされてめちゃくちゃ神々しくて爽やか。

見たことない光景でどう形容していいか分かんないけどとにかくきれいに見えてる通りに撮った。雨氷って半端じゃないくらい綺麗。


雨氷の写真撮りながら登ってきたらもう山頂に着いてしまった。
この間の夏に登ったことあると思ってたけど、案外ここ初めてだった。

富良野岳登った時にいくつかある山頂の一つだと思ってた。
十勝岳がめちゃくちゃ真っ白に染まって神秘的。


山頂から富良野岳方向。

富良野岳の雪は少なめかな?


雨氷のおかげで地味なはずの枯れ草も氷の草にランクアップしてた。


クリスタルガラスでできた白サンゴみたい。

やばいくらいきれい。自然の作り出す芸術はほんと想像を軽く超えてくる。


赤い葉っぱのも少し残ってた。やっぱ色があると一層爽やか。

山頂付近は木々が少ないからまたごちゃごちゃした下の方に戻る。


ごちゃごちゃした所に戻ってきた。

何とか整理して撮りたい。


でもちょっと葉っぱを覆ってた氷が溶けだしてきたかな…。


結局うまくまとめきれないまま撮りやすそうな風景探してだいぶ下ってきてしまった。


最後にチングルマの氷漬けを撮ってとりあえず雨氷撮影は終了。

まぁまだ秋だし充分満足できる写真も撮れたし、元々の目的の紅葉撮影に戻る。


紅葉のある標高まで下りてきた。
冠雪した十勝岳と噴煙がきれい。

もう少し高い標高帯でも紅葉があればよかったけど森林限界のせいか、ある程度以上になるとナナカマド自体がなくなる。


朝撮ったナナカマドと旭岳の所。

後ろの山にも光が当たって紅葉が見えるようにはなったけど、雨氷撮影に時間使い過ぎてもう光線状態が斜光じゃなくなってた。

もっと貴重なの撮れたからまぁいいけど。


別のナナカマド。少し背が低い分、下の山の紅葉がよく見える。

思ってたよりはだいぶ人も少なくて静かに眺めれてよかった。


ここの赤もまだ全然綺麗に残ってた。

案外ナナカマドの紅葉は寿命が長いってことが分かった。

道路沿いのだいぶ前に色づいたナナカマドはいまだに真っ赤できれいだったし。


駐車場まであと少しの所から。

充分見頃に見えたけど黄色はもう少し増えそうかな。


朝来た時は結構空いてた駐車場も満杯になって路肩駐車の車も出るくらい賑わってきてた。
三段山ではあんまり人いなかったから皆十勝岳の方に登っていってるのかな?

登らずに温泉とかキャンプしに来てる人も結構いるから駐車場の混み具合ほど山には人いない。

ここの温泉に入ればすぐなんだけど人多そうだし、どっちにしろスーパーに夕食買いに行かないといけないから結局いつも通り万華の湯に行ってきた。


夕方また定位置に戻ってきたら冠雪した美瑛岳と美瑛富士がすっきり見えてて西日に照らされた紅葉もめちゃくちゃきれいだった。
ほぼ毎日こんな光景を見て過ごせてほんと贅沢だ…。

全く予想もしてなかった雨氷も撮れて大満足の一日だった。

天気予報確認したら明日も晴れで明後日曇り、その後また晴れが続くみたいで北海道最後となる美瑛岳を明日にするか11日にするか悩む。
ただ夜が寒くて明日ほんとに登れるのか自信なくなってきた。


10月9日
2時の目覚ましで起きたけど寒さで寝袋からなかなか出られなくて、しかも山の方を見たら山頂のシルエットが見えなくて雲がかかってた。

せっかく登っても雲の中で何も見えずに寒さに震えるのを想像したら最後に嫌な思い出で終わるのはバカみたいだと思って、かなり悩んだけど登山中止にしてもう今日フェリーで秋田に渡ることにした。
でもネットでフェリーの予約を取ろうとしたけど2時から4時はメンテナンス中ってことで、少し待って4時になってから予約しようとしたらなぜか今日は欠航になってた。

南行きの定休日は日曜のはずだから乗れるはずだったのに。天候の関係かな?
10日は運行だけど11日も欠航ってなってた。
となるとやっぱりフェリーは明日乗るしかないか。

そうこうしてるうちに暖房入れてたから車内も温まってきてなんかだんだんやる気が出てきた。
山を見たらいつの間にか雲も消えて山頂のシルエットもすっきり見えてた。

考えてみれば寒いとはいっても秋の気温で雪景色の十勝連峰が見れるなんてチャンス二度とない。
着込んで外出てみると風もなくて覚悟してたより全然寒くない。

山が真っ白だから視覚的にめちゃくちゃ寒いと思い込んでたのかも。
もう明るくなってしまったけど望岳台に移動して5時半くらいから登り始めた。

望岳台の駐車場はかなり車停まってたけどやっぱり登る人自体はまばらだった。


十勝岳避難小屋あたりまでの道沿いにあるエゾノマルバシモツケが全部紅葉してて、霜も降りててめちゃくちゃきれいだった。

白で縁取らた色とりどりの紅葉の中にシラタマノキの実もあって秋の詰め合わせ。

ほんと良い時期になってきてるんだな…。


雪があるところまで登ってきた。

ほんとにこの景色を見れるとはなんか不思議。


十勝岳も真っ白。

めっちゃ神々しい。

ちょっと早いけどここでアイゼン装着。


美瑛岳を背景に何か撮りたくて見回したら岩に張り付いた氷がたくさんあって光を透過してきれいだった。


十勝岳山頂から富良野岳方面。富良野岳の雪は昨日よりまただいぶ解けたのかな。


十勝岳山頂の標識も思ってた通り凍てついてた。


昨日の雨氷と暴風の影響か大きな岩も全部氷で覆われてた。

普通に雪が積もっただけだとあんまり撮りようないけど、案外今日も思いもよらない光景に出合えるかもって期待が高まってきた。

真っ白だけど雪自体はまだ深くはないから美瑛岳まで問題なく行けそう。


何度も通ったいつもの巨大な稜線が真っ白。


遠目には真っ白な雪原だけど近くで見ると全てがささくれた感じの氷で出来てる。

これがほんとに写真でどこまで伝わるか分かんないけど神の作った芸術だった。
見えてる景色全てがこんな感じの氷で作られてた。


標識もちょっと笑ってしまうくらい氷でびっしり。

相当荒れたんだろうけど今日はほぼ無風でじんわりあったかいし最高に歩きやすい。


この丘がまた最高にきれい。雪がなくても月面みたいな世界なのに雪景色になると更に異世界の光景。


いつも砂礫で歩きづらい所に来たら見たことない氷模様でとんでもないことになってた。

パッと見た感じではサンショウウオの卵みたいなので埋め尽くされてるように見えた。
何がどうなってこうなったんだろ?とにかく圧倒的かつ綺麗。

なんか言葉で表現すらできない芸術品ばっかり。これが神の芸術か…。

奥の氷瀑みたいな氷柱も良い感じ。あそこも行けたら凄いんだろうな。


美瑛岳が近づいてきた。

何度も歩いてきたこの道の雪景色を見れるなんてほんと夢みたい。


ただ歩いて通り過ぎるにはもったいない風景がずっと続く。

もう二度と見れないからたくさん撮っておく。


今日はもうずっと冬の音楽聴いて歩いてきた。

もうなんか年末のような気分になってた。


やけに輝いてる氷があると思ってたらなぜかこんな所にめちゃくちゃきれいなツララができてた。

真冬の渓谷とかでしか見れないと思ってたのにどういう奇跡が起きたんだろ?しかも雪原と青空にめちゃくちゃ合う。
何この綺麗さ…。


山々とも組み合わせてみたけどちょっと氷の質感が見えづらいかな。

でもすさまじい綺麗さ。

ほんと想像を超えてきた。ありがた過ぎる。


美瑛岳の花畑地帯に到着。

チングルマはさすがに全て雪の下で撮りようなかったけど、夏の花が咲く時期から紅葉まで見て、最終日に雪景色で締めれるなんて夢にも思わなかった。

ほんと最高に幸せな山旅だった…。


オプタテシケ山も今日はすっきりして雪化粧見せてくれた。

数えてみたら今年の夏旅と秋旅で美瑛岳は11回登ってた。
20年の秋旅と21年の夏旅を合わせると13回。

もしかしたら韓国岳の次に一番登ってる山になったかも。

鹿児島からすると遥か北の地の北海道にそんな山があるっていうのが嬉しい。
1時間以上音楽を聴きながらただぼんやり眺め続けてた。

10時半くらいで景色を心に焼き付けて戻り始めた。


あまりにもポカポカあったかいから氷が溶け始めないか心配だったけどまだ大丈夫そうだった。

ここも何かの卵みたいな感じでびっしり。うろこって表現した方がいいのかな?
とにかくすごいとしか言いようがない。


帰りにもまたツララ撮りたいって思ってたけど、行きに撮ったのはもう折れて落ちてた。やっぱ溶けるの早かった。

隣にあった別のツララはまだ残ってたけど朝のツララの方が絵になってた。


白い羽が無数に突き刺さってるみたいな雪原。


奥まで等しく氷の羽で埋め尽くされてる。

完全に真冬になると雪で埋まってこんな光景は見れないだろうから、これも今しか見れない光景かも。


十勝岳付近まで戻ってきた。

氷の羽の雪原と十勝岳の山頂でシンプルに撮ってみた。

ほんと最後まで楽しい時間だった。
登ってきてよかった…。フェリーが今日欠航だったおかげだな。


十勝岳の山頂を下りた所の景色。
そういえば夏に来た時も右側の斜面は雪が残ってたのを思い出した。

これから下界で雨の日の度に山では雪が降って、もうずっと真っ白な冬の世界で閉ざされていくんだろうな…。
そんなこと考えながら歩いてたらほんと名残惜しくなった。

ここでアイゼン外してまたちょっとしばらく眺めてた。

ここからの雪は朝よりだいぶ少なくなって明日には消えそうだった。


十勝岳避難小屋の下まで降りてきてリンドウがたくさん咲いてた地帯にも立ち寄ってみた。

花はさすがに全部枯れてたけど周りの草花は見違えるくらい秋色に染まってた。


エゾノマルバシモツケの紅葉がピークになって望岳台までの歩きもずっと写真撮りながら楽しめた。


望岳台の石碑があるところまで戻ってきた。

周辺の紅葉が鮮やかで美瑛岳と美瑛富士を背景にきれいだった。

なんかほんと最後までいい風景見させてもらえたな…。


十勝岳も入れて撮りたかったから別の紅葉でちょっと無理やりだけど撮ってみた。

15時前に駐車場に帰り着いた。
連休最終日ってこともあって望岳台もすごい賑わってた。

夕方最後の万華の湯に行ってゆっくり温泉浸かってからまた望岳台付近の定位置へ。
ここで車中泊するのもこれで最後か…。

フェリーの予約も済ませてすごい眠くてすぐ眠りについた。


10月10日
朝目が覚めたらなんか外のすぐ近くでフゴフゴ言ってる声がして、猪でもいるのかと思って外見たらキツネのきっちゃんって名付けてる子が座ってこっちを見てた。

ここで車中泊する日はほぼ毎日来てはいたけどこんなことは初めて。
野生の勘で今日が最後だって察したのかな?

最後の日にちょっと変わったことしてくれると意図は分かんないけどなんか嬉しかった。
これからめちゃくちゃ寒くなっていくからほんと無事冬を乗り越えてほしい…。

原始の泉に立ち寄って水を汲んでから苫小牧東のフェリー乗り場まで運転。
久しぶりに長い運転だった。

道中の山々も雨で霧が棚引いて色づいた山がきれいだった。
でも鮮やかな色の紅葉は意外とほぼなかった。

さすがに北海道とはいっても全域で紅葉鮮やかってわけではないことが分かって少し安心した。

フェリーは19時半出発予定だったけど積み荷作業が遅れたとかで出航が15分くらい遅れた。
昨日欠航と明日も欠航するってことで、その影響か今までで一番人が多かった。
新日本海フェリーがこんなに混んでるの新鮮だった。

昔はこのくらい賑わってたんだろうな。

今回はツーリストAでとったけど部屋はさすがに他の人もいて、寝れないかもと思ってたけど疲れてたのか意外に消灯時間前に寝つけた。


10月11日
寝付いたのが早かったせいで起きるのも早くなって4時に目が覚めた。
ロビーでコーヒーと買っておいたパン食べてゲームしながら時間つぶしてた。

出航が遅れたから到着も遅れるかもと思ってたけど予想通り30分以上遅れて、秋田で下船できたの8時10分くらいだった。
下船後も秋田市は通勤ラッシュの時間帯でしばらくは渋滞でなかなか進まなかった。

大して都会でもないけど北海道では渋滞とは無縁だったから人口密度の違いを感じた。
気温もだいぶあったかくて季節が一段逆戻りした気分になった。

山形県鶴岡市のゆぽかで温泉入って、夕方月山八合目駐車場に向かった。
道中の道沿いの紅葉も意外にだいぶ進んでて案外期待できるかも。

北海道とはまた全然違った感じだけど、8月下旬に目を付けておいた木がどんな感じに紅葉してるか楽しみだ。

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