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オプタテシケ山の花

7月15日の1時半くらいに家を出発して4時前くらいに富良野の原始の泉に到着した。
意外と2時間半くらいでそこまで遠くもなくて、ワクワクしながら運転するのにちょうどいい距離だった。
原始の泉はちょっと改造されてて蛇口とか設置されて少し風情が悪くなってたけど水は変わらずめちゃくちゃ冷たくておいしかった。
洗車と水汲みをしておいた。

昼に寝ておかないといけないから木陰になる所を探して窓を開けて19時くらいまでなんとか寝てたけど、19時くらいに目が覚めたらちょっと寒いくらいになってた。
21時までは寝たかったから一旦去年車中泊してた望岳台近くに地点に移動して寝直した。

でも寝ようとして目を瞑ってたら車に軽く何か当たる音がして、何だろうと思って外を見たら去年毎日来てくれてたキタキツネが車のすぐそばで座ってこっちを見てた。何をどうやって音を立てたんだろ?

きっちゃんに会うのも楽しみにしててすごい嬉しかったから、寝るつもりだったけどしばらくはきっちゃんを眺めてて結局30分くらいしか寝なかった。合計で6時間半近くは寝てるから問題はないかな。

起きてもまだきっちゃんがいてくれて登山口に行くのを見送ってもらえた。

21時56分に望岳台から登り始めた。
久しぶりなんだけどさすがに去年登り過ぎてて懐かしい感は全然なく、すぐいつもの山感に戻った。
自分の山って感じでいいんだけど新鮮度はやっぱりどうしても回数重ねるほどに薄れていってしまう。そこは少し寂しい気もした。


1時前に十勝岳の山頂に到着してそのまま美瑛岳へ。月がないから真っ暗だったけどシルエットだけでもなんかずっといい気分。
樽前山とかは夜中登っても街明かりがどうしても明るいけど、さすがにこっちは真っ暗。

ずっと楽しみにしてた美瑛岳のチングルマ地帯に2時半くらいに到着したけど、ライトで照らして花を確認したらほぼ全て散り終えてた。
今年雪解けが早いって情報と平地で見かけた花もだいぶ季節が進んだ花が咲いてたからある程度予感はしてはいた。
チングルマ地帯の数百メートル手前のイワブクロ群生地帯でだいぶ開花が進んでたからその時点で認めたくないけど確信してはいた。

どうしようか少し悩んだけどここより開花の遅いはずのオプタテシケ山に行くことにした。元々美瑛岳を撮った後に向かう予定だったけど順番が逆になっただけだから準備はできてた。

道中で美瑛富士の近くのチングルマ地帯で花が結構しっかり残ってたから安心したけど、5時15分くらいにオプタテシケ山のチングルマ地帯に到着したら残念ながらほぼ散ってた。


4日か5日くらい前が見頃だったのかな…。
どっちにしろ景色はぼやけて見えづらいし雲海も当然ないから写真的には今日はどうしようもない日だったけど咲いてる姿見たかった。


残雪が多かったんだろうなって所はまだまだ綺麗なんだけど近づけない。


オプタテシケ山が美瑛岳レベルなのかを知りたかったけど今回もなんとも言えないかな…。
いやでもこれで完全満開になって奥が雲海になるのを想像したら凄まじいはず。


せっかく14㎞かけてきたから1枚くらい納得のいく写真撮ってから帰りたかったけどこんなにモヤってたら無理だな。


普通にイワカガミさん咲いてたけど北海道ではなかなか見かけない気がする。


上はすっきり晴れてるからここからの眺めはすごいよかった。


もう高山植物はほぼ見尽くしてると思ってたけどここにきて初めて見る花に出会えた。オプタテシケ山のここでしか見れなかった。
滞在時間は30分くらいだったけど既にじんわり暑くなってきだしたから写真撮りながら帰ることにした。
チングルマが咲いてたら2時間以上はいたかったけど。


気持ちのいい稜線歩き。でもほんとモヤってるな…。
風も涼しくて気分は最高だから今日は登山自体を楽しむ。


ベベツ岳付近のチングルマ地帯も見てみたかったけどここはもう綿毛化してるくらいだいぶ前に咲いてたっぽい。
美瑛岳含めて全体的には7月の頭あたりがピークだったのかも。
小さいリンドウも咲き始めてる。


エゾヒメクワガタもたくさん咲いてた。なんか青い花が多い。


行きは気づかなかったけどコマクサも咲いてた。
まだ咲き始めではあったけど普通に咲きまくっててビックリした。
もう少し簡単に来れれば毎週来て観察したいくらいほんと花の種類が多い。


エゾツツジもすごい目立っててしっかり撮りたかったけど大雪山側が特に白っぽい景色で無理だった。


手前から石垣山、美瑛富士、美瑛岳。ほんと良い並びで美しい。
でも美瑛岳まで戻ってそこから更に十勝岳、でそこから5㎞ってさすがに長すぎる…。
行きは気分がいいからいつも全然苦にならないけど、納得いく写真撮れなかった日の帰りはほんとに精神的にきつい。

水は2.5ℓ持ってきてたけどもう残り500mℓで水場のない十勝岳から帰るのは不可能だって判断して、ハイマツ漕ぎが嫌だったけど美瑛岳から直接望岳台に下るルートで帰ることにした。


石垣山の花畑ゾーンもほんと色んな花が咲き乱れて楽園だった。
オプタテシケ山まではきついけどここまでなら美瑛岳のついでに来るのもありかな。いやきついか…。


小さな風景撮るのにうってつけの所かも。


チングルマの綿毛がススキみたいでなんか秋っぽくも見える。
エゾヨツバシオガマの背が高いからいい主役になってくれてる。


美瑛富士まで戻ってきた。
ここからはエゾコザクラが頻繁に現れだした。
ミヤマキンバイの黄色といい感じ。


夜中ライトで照らして見た時には完全満開と思ったけど明るくなって見ると見頃なのは一部だけだった。

美瑛岳の山頂付近に雲がかかってくれてだいぶ涼しいけど、どう考えても水が足りないから美瑛岳の明るくなった時間の景色を見ることなく帰る。
こんなことは初めてだ…。美瑛岳のために移住してきたといっても過言ではないくらいなのに。
まぁ散ってる姿を見てがっかりするよりいいのかもしれない。


美瑛富士から美瑛岳分岐までのハイマツ帯は思ってた程酷くなくて写真撮りながら楽しく歩けた。
ゴゼンタチバナはいつもきれいだなって思ってたけど、この子達が現れるときは大概カメラをザックにしまった直後とかでもういいかってなる時が多かったけど今回は気持ちに余裕あった。


奥の巨大な雪渓から流れるこの水で補給させてもらった。
氷水みたいで最高に冷たくておいしかった。
こっちから帰って良かったってすごい思った。


雪渓とか沢の近くには必ず花が咲き乱れてて楽園だった。
ここも美瑛岳来た時に毎回来たいところではあるけどな…。


春に咲くリンドウっぽくも見えるけど夏の花ってことでいいのかな?


イワギキョウ達が綺麗に1列に並んで咲いてた。


美瑛岳の花畑よりだいぶ標高は低いはずだけどここのチングルマは今がピーク。夏の気温ってよりは冬の降雪量が何より大事な気がした。
今年の夏は言ってもそんなに北海道は異常な暑さってことはなかったし。


この辺りが特に凄まじくてこの密集度でエゾコザクラが広範囲に大群生してた。
ここで結構時間とって眺めてたから早めに下山を始めた割に十勝岳を通って帰った場合よりも遅くなったかもしれない。
でもほんとここ凄すぎた。遠過ぎるのと藪漕ぎ登山道の憂鬱さがあるから簡単に来れないのがもどかしい。

ここまでは楽園だったんだけどここから美瑛岳分岐に合流してからの藪漕ぎ道はほんとに最悪レベルだった。うんざりするほど長いし。

14時前くらいにようやく望岳台に帰り着いて万華の湯へ。
久々だったからゆったり浸かりたいところだったけど外の気温が暑すぎて5分も浸からなかった。
元々は夕方まで登山して16日も車中泊するつもりだったけど早めに済んだからもう家に帰ることにした。
途中眠くなってきたからちょっと仮眠するつもりが3時間くらい寝てしまって家に帰り着いたの22時くらいになってしまった。

写真的にはあんまり収穫なしだったけど気分は良かった。
でも花が散ってて撮れなかったこと以上に今年の紅葉も同時にもうだめだってことが分かってそっちの方が落ち込んだ。
紅葉がだめっていうかこんなに早く咲き終えたら紅葉の時までチングルマの綿毛が持たない。

でも色々考えて、気持ちを切り替えてチングルマ以外の紅葉風景を新たに探す年にしようと思った。
花も紅葉もチングルマに依存し過ぎというか期待し過ぎてた。
そもそもチングルマの紅葉はもう完璧に撮れてるし、もうあの光景と同じのを見れるわけがないってことを通うほどに確信してきた。

登る前は今年の開花状況とか見ないでいたけど帰ってから今年の6月29日から7月10日あたりのヤマップの登山記録を見てみたら、思ってた通り天候がいい日はほとんどなくて晴れても暴風だったりで見逃したってわけではなさそうで安心した。
雲海も全然出てないのは安心したけど夏にこんなに雲海が出ないのは異常じゃないかな?もう毎年こうなってしまうのかな…。

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