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2018年春旅(長野・大分)(2018年5月26日記)

5月旅をしてきた。
2年後くらいの本番旅の予行練習というか、そのために何が必要かを知るためでもある。
けど単純に久しぶりの信州を見れる楽しみと、信州に住んでる間は見上げるだけだったアルプスに登れるのをすごく楽しみにしていった。


5月17日
夜勤明けて夜から出発する準備。
ヤマダ電機とニトリで多少必要なものを買って13時くらいに寝て21時まで寝てた。
起きて準備を済ませて22時15分家を出発。
溝部空港のICから高速入り。

充分寝たはずだけど九州すら抜ける間もなく坂本のSAあたりで眠くなってしまって、1時間半くらい寝た。
高速だと信州まであっという間のイメージだったけど思ってた以上に遠く感じた。

昔と違って景色の新鮮さみたいのはもうほぼ感じなくなってるからかな。
県を越えても何も感じないしな…。
昔は県境を超えるたびになんか遠くに来た感に浸ってた気がする。


5月18日
何回も休憩をしながら15時半くらいに長野の飯田で高速を降りて久しぶりの長野に着いた。でも疲れてるせいか、曇って山が隠れてるせいかあんまり感慨もなかった。
とりあえず駒ケ根まで行ってちょっと落ち着けるところで車中泊。夕方から雨が降りだして朝までずっと雨だった。


5月19日
4時に起きて宮田村でガソリン入れて伊那市着くあたりで雨も上がってきて虹も少し見れた。それから辰野とか箕輪とかを軽く周って、箕輪ダムも行ってみた。
全然変わってなかった。

時間があるから蓼科も行ってみたけど大河原峠はまだ冬季閉鎖中だった。
霧ヶ峰にも行ったけど霧の中で微妙。
懐かしくはあったけど写真は撮りようがない。
ビデオだけ撮った。

まだ朝方で時間はあったけど明日の登山のために甲斐駒ヶ岳の登山口に向かう。
途中の道の駅「信州蔦木宿」で温泉に入ってソフトクリームも食べた。
15年位前にもここの温泉に入った。
あの時は雪の日だったから雪の降る中露天風呂に浸かってたのが印象深かった。

登山口は横手っていうところの神社の登山口と、竹宇っていうところの神社の登山口の2か所があった。
どっちから登ってもほぼ同じだけど横手の方は駐車場の雰囲気が暗かったし斜めになってるから車中泊的にも竹宇しかない。
22時に目覚ましセットして寝た。


5月20日
0時に目が覚めた。昨日の22時に目覚ましセットしたはずなのに起きれなかった。
何でだろうと思って携帯見たら電源切ってた…。
そういえば電池節約のために切ってたんだった…。
危なかった。自然に目が覚めてよかった。

予定より遅れたから山頂での朝日は諦めた。
0時37分に登山口を出発。

登りが9時間30分かかるみたいだから焦らず、でもダラダラしてるといつまでもたどり着かないから、まぁ結局いつものペースで登る。


3時30分。
登り始めて約3時間してようやく視界が開けるくらいまで上がってきた。
やっとアルプスを登ってるって実感出来る景色になってきた。
ここまでは夜中ってこともあるけど、ずっと景色も見れない木々の中の登山。

ただ、迷うようなこともないし、それなりに急な坂道ではあるけど黙々と登ってればいいだけの登りだった。
そこから更に2時間半くらい。


景色はどんどんきれいになる。はるか遠くに北アルプスが輝いてた。


山頂までもうちょっと。6時20分くらい。

予備知識がないからどれが山頂なのかここまで来てもよくわからないまま。


なんか力が出なくて少し登るだけで息が上がるようになってきた。
やっぱ空気が薄くなってきてるのかな?って思ったけどよく考えたら昨日の昼ご飯から何も食べてなかった。

お腹空いてる感じはなかったけどおにぎりを2個食べてみたら10分くらいしたら力が湧いてきた。ああやっぱり空腹だと力でないんだな…。
でも空気が薄いのもある気もする。


7時13分山頂到着。6時間36分かかった。
6時間以内で登れるんじゃないかと思ってたけど途中から休憩が多くなった。標高2967m。

登山口からの標高差2200mを自分の足だけで登ってきたっていうのでなんかものすごく達成感。
でも景色はそれ以上の世界だった。


北側の山々。


北西方面。
左側の雪山が中央アルプス、右奥の雪山が北アルプスかな。
雲の上にいるのが当然のような神々しい山々…。


南アルプスの山々。
なんか優しい雰囲気。
左奥の高いのが北岳かな。
北岳はなんとなくわかるけど他の山は知らない。


登ってきた方角。
目立ってるのは八ヶ岳。
ほんと、どの方向も最高の景色。


南方向。
雲海が谷の真下まで流れてもうまさにアルプスだった…。
左奥には富士山も見えてる。
ここはもうずっと見てた。

何十枚も同じような写真撮って、ビデオでもかなり撮った。
こんな風景が見たいと思って登っては来たけど、期待をはるかに上回ってた。


8時過ぎて段々と雲海の形も崩れてきた。
これはこれで神秘的だけど下山を考えるとそろそろ帰るか…。

でもなかなか離れがたくて8時半まですべての方向の風景をじっくり眺めて目に焼き付けた。どんだけきつくてもここはまたいつか絶対に来る。
いつもこうなのか、登り始めてから山頂にいる間までずっと誰もいなかった。

ずっと一人でこの雄大なアルプスと対峙できたのもすごく嬉しかった。


踏ん切りをつけてカメラを完全にしまって下山しようとしたら、ライチョウが現れてしまって10分くらい撮影。
分かりづらいけど画面右側に2羽いる。
望遠レンズを持ってないからアップで撮れない。

2mくらいまで近づいても全然逃げない。
ヨチヨチ歩いて無防備な連中だった。
ライチョウって飛べないんだっけ…。


山頂を振り返る。
少し下りただけなのに全然見れる風景が違う。


何度も振り返ってしまう。ほんとに名残惜しい…。


ここからは雲の中に入っていく。この辺りから登ってくる人とポツポツ会うようになった。
それでも13時45分に登山口駐車場に着くまで10人に満たなかった。
やっぱ登山自体がきついからそうそう登る人もいないんだろうな。

実際、下山中はもうほんと、うんざりするほど長く感じた。
膝もガクガクになった。
昨日と同じ道の駅の温泉でじっくりと浸かって筋肉をほぐした。
疲れてるけどコインランドリーで洗濯して、蓼科の標高1800mを超える所までわざわざ行って車中泊した。


5月21日
4時くらいに起きた。
標高が高いから北アルプスまで見えるけど全域薄曇り。

明日北アルプスに登るかずっと迷ってたけど膝の痛みがひかないのと、昨日山頂から見た北アルプスの白さに正直怖気づいてしまってあきらめた。
思ってた以上に雪が多すぎる気がする。

週間天気でも明日しかチャンスはなさそうでそのあと雨らしいし、膝の感じ的に到底回復しそうにない。
車でちょっと長野を周って帰ろうかなと思ったけど時期的に新緑はきれいだけど他に何があるって訳でもない。
もう今回は南アルプスの景色見れただけで満足もしてたからゆっくり帰り始めることにした。

10時頃、権兵衛峠で一休みしてたら薄雲ってた空がだんだんきれいな青空に変わってきて、新緑もめちゃくちゃ綺麗になってきて本当に帰っていいのか迷ってきた。
いやでも膝が回復しないしな…と思ってちょっと歩いて見たらなぜかほぼ痛みが消えてた。

登れちゃうじゃんって思いながらもまだ雪の問題が残ってるし…。
となんか言い訳を探してしまってる。自分の旅なのに。

新緑と青空を見ながらどうするか考えてると、「行ける所まで行けばいいか」って簡単な答えが見つかった。
そうなるとまたやる気が出てきて帰りかけてたけど逆戻りして白馬村に向かう。

途中から北アルプスが見えだしてきて、ああやっぱり帰らなくてよかったって思った。


白馬岳の猿倉の登山口着いたら駐車場にけっこう車が停まってた。
南アルプスと違って登山客はかなり多いみたい。
雪も遠くから見るよりはけっこう隙間もあって、案外登れるんじゃないかって思いだした。
実際登ってる人もいるし。

ただ登山口の看板に気になることが書いてあって、12本爪のアイゼンとピッケルとロープが必須みたいなことが書いてあった。ピッケルって何だろ…。
下山してくる人の恰好をみても全員本格的な装備で登山慣れした感じの人ばっかり…。

一応6本爪のアイゼンだけは持ってるけどまた不安になってきた。
でも行ける所までって決めてるから不安もありながら近くの駐車場で車中泊した。


5月22日
0時ほぼ丁度に目が覚めた。
目覚ましもセットしてたけど数分早めに起きた。
特に狙ってはなかったけど甲斐駒と同じく0時37分に登山口を出発。
最初は林道歩き。

林道の間はさすがに余裕だろと思ってたら、途中で一か所だけ道路の真ん中に雪解け水でできた川が流れてていきなり悩む。
膝下までの深さがありそう。

どうやっても避けれそうにないけど他に道も見当たらないし、しょうがないから裸足になって渡った。
めちゃくちゃ冷たいけど第1の関門をクリアした感じだった。
そこからは大雪渓までまぁまぁ余裕。

むしろ満天の星空と雪で違う世界にいるみたいでいい気分だった。


せっかくだから1枚撮っておく。
画像を見てやっぱりきれいなところなんだなって思って明るくなったらどんな世界なのかワクワクしてた。この時点では…。
ここからしばらく登ってからが地獄だった。

どんどん傾斜が急になってきてあとちょっとで山頂ってところの急坂はもうほんと、ここ10年どころか生涯で1番危険地帯だった。
行ける所までとは決めてたけどもう山頂見えてるし、というか戻るのも恐怖。

進むも退くも地獄状態。
登るというよりは這いつくばってよじ登る感じだった。
まだ4時くらいで誰もいないから見られないでよかったくらい無様な登り方…。


なんとか登り切って木の生えてる安全なところでようやくゆっくりできた。朝陽も昇ってきて少し不安感が和らいでくる。
でも帰りはまた今の所を、しかも下るのかと思うと…。


雪面が赤く染まる。
これを山頂で見たかったけど思ったよりはるかに時間かかった。
もうちょっとと思ってたけど意外とここからもまだ山頂まで遠かった。
距離は近いんだろうけど傾斜のきつい雪面がずっと続くから全然進まない。


5時47分山頂到着。
5時間10分かかった。山頂の標高2932m。
登山口からの標高差1700m。
とにかく登り切ったことで少しほっとした。

下山のことはいったん考えずに写真を撮る。


南アルプスと違ってなんかやっぱり荒々しいというか急峻な山々。
雪が多いからそう見えてるだけかもしれないけど。
思ってたよりは広く見渡せないんだな…。


山頂には大きな山小屋がある。
山小屋から軽装で散歩でもするかのように2人くらい歩いてきて写真を撮ってと頼まれた。
こっちは命がけで必死こいて登ってきた直後だっていうのに。

無視してもいいけど顔だけドアップで撮ってやった。
すぐ小屋に帰って行ったからそこからはまた1人でゆっくり見ることができた。


近くで見るとこうなってるのか、北アルプス。
遠くから見た時の雪の白さからするともっと雪だらけなのかと思ってた。


立山とかなのかな。近いけど遠い世界に感じる。


夏は花畑になるみたいだけど、このあたりかな。


近いところに何かの山頂が見えるけどもう登る気力はない。


稜線の登山道を見るとずっと歩いていってみたくなる。
夏はいいだろうな…。
この日は稜線上は強風でものすごい寒かった。
ツララががちがちに凍り付いてたからやっぱり相当気温低かったはず。


まだ7時過ぎで山頂着いて1時間ちょっとしか滞在してないけど、もう下山することにした。
風があって寒いけど太陽光自体は初夏の温かみがあるからさっきの雪が融けだすと怖い。


半分以上怖いっていう思い出のままだったけど、下山を始めるとやっぱり少し名残惜しい気持ちと早く下界に戻ってホッとしたい気持ちとある。


登りの2倍くらいの恐怖の中何とか一番危険なところをおりきって、一応せっかくだから写真を撮っておく。
一度滑るどこまで転がるかわからない…。

たまに落石が何百mも転げ落ちていくのを見るとやっぱり途中で停まるのは無理かも。上の写真はまだ傾斜が緩くなってるところ。


本当に恐ろしかったのはこの斜面。
めちゃくちゃ急なんだけど写真じゃ全然わからないな…。
でもここまできたらほっとした。

この辺りで登ってくる登山者がポツポツ現れだした。
ピッケルとやらと12本爪のアイゼンで確実に登っていってた。
なるほど、ああ使うのかってすごく参考になった。
素手で登ってるのは自分くらいかも。

ほんと登ってるところ見られないでよかった。
やっぱり装備って重要だな。
特に雪のある山では。
6本アイゼン買って調子こいてたのが恥ずかしい。


ホッとすると急激に山々が名残惜しくなってきた。


新緑と雪ってすごいきれい。
北海道にいるみたいな錯覚をおこす。
北海道がこうなのかはしらないけどなんか大雪山の雰囲気とは似てる。


林道の登山道まで下りてきた。
新緑がほんといい。


ここでしばらく眺めてた。
山頂からより下からの眺めの方がきれいじゃないかな。
雪解け水が勢いよく色んなところから流れてた。


行きに苦戦というか裸足で渡ったところ。
他の人はどうやって渡ったのか…。


また裸足で渡って足を乾かしがてらおにぎりを食べてまたしばらく眺める。
なんて優しい風景…。
大雪渓の厳しさからすると正反対だな。
あれがあるからこんなに優しい風景になるのかもしれないけど。


11時過ぎ駐車場に到着。
ああもう終わってしまったんだな…。
身近に感じてた山々がまた遠くの世界になっていく気分。

大雪渓の最後辺りを登ってる間もう2度と来ないだろうなって思ってたけどやっぱりまた必ず来たい。
今度はあのあたりの雪のない時期に登ろう。

最初の計画通りに南と北のアルプスを登ることができて今回の旅は完全に目的を達成できた。
最後にくじゅうの平治岳を登っておしまいだ。
安曇野のシャクナゲの湯ってところで温泉入って権兵衛峠まで移動して寝た。


5月23日
朝から曇り空時々雨も降る中帰り始める。
高速で帰ってもいいけど平治岳は金曜日に登るつもりだから、急いでもしょうがないし、少しでも高速代を浮かせたいからしばらく下道で帰る。


途中南木曽町の馬籠峠付近の滝に少し寄った。
男滝と女滝のこっちは男滝。


こっちは女滝。
急ぎの旅じゃなければ滝巡りもいいんだけど今回は時間もないし滝はここしか見なかった。
他は看板がいくつもあったけど素通り…。

下道で滋賀県の栗東までは粘ったけどもう夕方になって雨もけっこう強くてちょっと疲れた。
帰宅ラッシュが始まると厄介だから高速に逃げた。
岡山県の勝央SAまで走ったら雨も止んできてそこで車中泊。


5月24日
4時に起きて運転再開。
雨上がりの朝だから中国山地の山々に霧が沸いて朝日も浴びてきれいだった。
高速だからほとんど見れてないけど…。

広島県の吉和で下りてまた下道で九州を目指す。
でもちょっと後悔した。
吉和すごい山の中で、国道も狭い山道だけど、それも全面通行止めになっててかなり迂回させられた。
しかも迂回路の途中で道路の真ん中に熊が死んでた。

多分はねられたんだろうけど中国山地には普通に熊がいるんだな…。
あんな狭い林道をどんだけ飛ばしてたのやら…。かわいそうに。
昼くらいにようやく九州に入った。

ストレスたまる福岡県もなんとか抜けて夕方に杖立温泉にたどり着いた。
杖立温泉はいつも同じところを利用してる。
平日1000円休日1500円もする高いところだけどいつも清潔で大衆浴場化してないから安心して入れる。
今回も自分以外あと1人しかいなくて露天風呂は貸し切り状態だった。
運転の疲れもかなり癒せたと思う。

この温泉代で今回持って行ってた現金使い果たしてしまった。
あとはnanacoにチャージしてある分とクレジットカードしかない。
明日には帰るから問題ないけどガソリンも微妙な残量でちょっと不安を感じながら瀬の本高原まで走って駐車場で寝た。
一応瀬の本高原にはガソリンスタンドがあってカードも使えるらしかった。


5月25日
2時10分にセットした目覚ましで起きて長者原に移動。
2時45分に長者の登山口から出発。


5時21分山頂到着。
花はちょうど見頃かな。蕾もけっこうあるからまだしばらく楽しめそう。
さすがに朝っぱらからけっこう人が多い。
山頂付近は人が映り込むから撮りづらい。


相変わらずすごい。
去年よりはわずかに勢い弱く見えた。
残念ながら天気は晴れてきそうにないし雲海的なものも全くない。


こんな光景はさすがに九州だなって思う。


晴れた青空と雲海と撮れたら最高だったけどまた来年にお預けかな。
まだ6時だけど下山中にうんざりするほど登ってくる人たちが多くなってくるからもう下山する。

8時10分には長者原の登山口に戻った。
やっぱり7時過ぎたあたりからひっきりなしに登山者が登ってきだした。
あれでもまだ序の口だろうから早めに帰って良かった。

来年は別ルートで登って帰りたいな。
あと北大船のミヤマキリシマを見てみたい。
今回登ろうかなと思ったけど天気が微妙だからやめといた。

その後はいつもの通りのルートで15時30分頃に家に帰り着いた。
今回の旅の移動距離約3100kmだった。
いい旅ができてほんと良かった。

あとは霧島連山が登山規制解除してくれるのを待つ日々だな…。
ミヤマキリシマが終われば秋の紅葉時期までちょっと目標がなくなるからほんと早めに解除してほしい。

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