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禍話リライト「生き霊」

生き霊って怖いなーなんてよくいうじゃないですか。

 

 その文脈でいう生き霊って平家物語とかで言う恋愛とかで嫉妬してとか不倫とかそういうのが原因でしょ。


 ある所に怖い話を聞きに行った時生き霊って怖いと言うから、また浮気相手の所に行ったとか会社のライバルのところに行ったとか大体そんな話だろって思ってたら違う話をし始めた。


 とあるマンションで殺傷事件があって、恋愛関係のもつれとかで。

 奥さんが愛人を滅多刺し。愛人は死亡し、奥さんは怪我をし旦那だけ無傷だった。


 それからしばらくして四十九日過ぎたあたりから幽霊がでるという。

 全身血だらけの女がマンションの廊下をうろうろしているという。

 近所のお巡りさんはマンション住人にパトロールして欲しいといわれた。

 そのマンションはちょとリッチだったから近隣住人がやっかみで言い始めた風評被害的なものかなと。

 めんどくせーなと思いつつ、まぁマンションの外回りと廊下ぐらい見て、血だらけの女がいたならば声をかけるぐらいでいいと言われ、それぐらいならいいかと思い直し、それならやろうと。


 初老の警官と若手警官でパトロールをしに向かった。


 外廊下に女がいた。歩いている。

ちょっと薄暗くなった廊下を血だらけの女があるいている。

若い警官はイタズラと思った

「両側からはさみうちにしましょう」と。

マンションの廊下は左右に入り口があるのでバーっと行ったんですって。


 いない。


「居ない…ですね。これは本当に幽霊なのか…」

と若い警官は言った。

女の正面から行った初老警官は女が消える前に…


 まともに女の顔をみてしまった。


 若い警官はスッと消えた女を

「やっぱり幽霊ですね」


 「いや。あれは犯人の方だ」

滅多刺しにした女。

 

初老警官はあの殺傷事件の現場にちょうど居合わせていた。

 

 滅多刺しにした奥さんが勝ち誇ったように高笑いしながら歩いていたんですって。


 その奥さんね。まだ生きてるんですよ…

迷惑極まりない。


朗読致しました!
https://youtu.be/TARe1iIeDCc?si=3uD8AvIOOcsZ3Lq1



 


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