見出し画像

新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます

飲食店や、これまでの食というものに色々な事を考えながら、食の表現とか、学問としてとか、コロナ禍での食のビジネスはどうしたらいいのか、なんかを考えながら行動していた2020年。

そういえば年末にHPも作りました。
大分、僕の活動の地図が見やすいので是非こちらを見て頂ければ幸いです。

今年はどんな年になるだろう。

そういえば、今年の年末は中華料理を作る友人がこちらに来てくれて、一緒に餃子を販売させてもらった。

ゆくゆくは、仲間としてやっていきたいなぁと考えている。

今回は、その友人の話を少しさせて欲しい。

本当に今の「料理人」という人は、こういう人の事を言うんだろうな、と改めて思ったという話だ。

なぜかと言うと、朝起きてから、寝るまでほぼ台所に立っている(人の家の厨房なのにだ)。
一応友人ではあり、その為に「台所は好きに使っていいよ」とは言っているのだが、それにしてもだ。

31日、1日、2日、3日と4日間居てもらったが、そのほぼ全ての時間を料理しているか、買い物に行っているかだった。
しかも、正月休みを使ってこちらに来ているのだから、「少しでも休んだりすれば良いのに」と考えてしまう。

根本的に体力が尋常じゃない。

基本的には7時に起きて何かを作っている。
本当に息をするように、料理をしている。
ただ、どうやら「作るのが好き」という感じだ。

名前のある料理(例えば麻婆豆腐や青椒肉絲と言った感じに)を、ただひたすらに色んな種類を作るという感じで、レシピのあるものを作っていた。(僕は料理を作るときに、一つ一つのパーツを作って最後にそのパーツを組み上げて一つの品にするのが楽しいのだが、そういう感じともまた違う。)

画像1

画像2



聞けば、仕事で料理をするのとは違い、好きな料理を本当にゲームや趣味感覚でやっている感じだ。
なるほど、その感覚は高校生の時に経験した気はする。
自分も、ある時祖母に「そんなに料理して疲れねぇのが?」と、聞かれたときは何回かあった。こういう気持ちだったのね、おばぁちゃん。

次に、やっぱり食べることや食べているのを見ているのも好きなようだ。

食べる事自体も好きなようで美味しいものを、まくまくと食べている。

また、僕が「美味しかったよ。」と感想を言うと、友人は「良かったー。食べる事って幸せだよね。」とニコッとしながら返してくれた。
なるほど、幸せそうだ。

だが、その時に、ふと、
「なるほど、美味しいと幸せがこの人の中では直結しているのか」と感じたし、違和感みたいなものを感じた。(僕自身、美味しいは快感だと思うが幸せという感じとは少し違う。美味しいと思えば分析がはじまり、多分ここら辺が美味しいんだろうなと思ったり、こういう技法なのかな?と考えたりしてしまう。また、味が想像できたり、美味しくても同じ味だと、間をおかずに2回3回とは食べたくないと思うこともある。食べる事に疲れる事もある。どうやら僕は、根本的に考えることが好きなようだし、食べることにはある一定の苦しさみたいなものを感じている。生物としては圧倒的に僕の方が弱そうだ。)

この違和感みたいなものは、私特有のものだろうし、人によっては、そこに違和感を覚える事こそが変に感じるかもしれない。

ただ、やっぱりと言うか、前々から思っていたのだが、「食べることは幸せ」という感覚は普通は持っているものなんだろうなと感じている。


そして、幸せそうに食べる人を見ている幸せみたいなものが、飲食店で働く人や料理人の働く原動力なんだろうな、と思う。

作り続けるフィジカル的体力と、人の幸せな表情を生み出していきたいと思える人が、飲食店で働く料理人としての素質なのかと思う。

こうなると、料理人としては他の要素が強くても根本的にこの二つが強くないとやってはいけなさそうな気がする。
料理人としてキャリアアップするために必要な要素は、斬新なアイディアでもアート思考でもない。この二つの要素が基本的な骨子になっていないと、そもそも料理人として成り立たないのだ。

この少ないキャリアパスでは、多様性とは程遠いところにあるのかもしれないと考える一方、今ではテクノロジーの発展(フードテックやマッチングのしやすさ)やネット人口が増えたおかげで、いろんなやり方ができるようになった。

まだまだ、料理人としてのキャリアの多様性は少ないかもしれないけど、確実に芽生えてきている。

未来は明るい。


ここから先は

0字
食に携わる人間の新しいカタチを考えている藤田潤也という個人の思考を書いています.料理人や生産者としてではない一つの「可能性」の提案のためのマガジンです.

藤田潤也の思考

¥2,500 / 月

藤田潤也という「食で表現する人」. 「自然とテクノロジーと人の共存」を目指し、食を通したアート作品を生みだしながら,美しい世界のための考察…

サポート頂けますと泣いて喜びます。