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ファーストアルバム満2歳8ヶ月

1月31日。ファーストアルバムを病院に連れて行く。未だに意味のある発語がないため、念のため聴力検査をすることに。重たい防音ドアを開けて入った検査室は5畳程度の広さしかなく、そこにテーブルや検査用の機械類、資料の本棚などがあるため、なかなかに密閉感があった。ヘッドホンを着けて音が聞こえたら手元のボタンを押すというのが本来のやり方だが、2歳児にはもちろん無理なので、部屋全体に音を鳴らし、パトランプを回して反応を確認することにする。ピヨヨヨヨ~と奇妙な音が鳴り、「!?」と怪訝な表情を見せるファーストアルバム。続いて別の音程のピヨヨヨヨ~が鳴り響くと、いよいよファーストアルバムは何が起こっているのかわけがわからず、困惑のあまりに大泣きして机の下に逃げ込んでしまった。こちらがどれだけあやしても機嫌は直らず。鼓膜の振動を見る検査もこの泣きっぷりでは行えるはずもなく、あえなく中断に。

そして診察室に戻る。仕方がないのでドクターが絵本を取り出し、ファーストアルバムに見せながら小さな囁き声で「うさぎはど~れだ?」「ひこうきはど~れだ?」と質問。するとファーストアルバム、指差し全問正解であった。きちんと聞こえているだけでなく、今までに絵本や図鑑で見せていたものを把握し、記憶しているのがはっきりわかった。思わず拍手。そうなるとやはり、インプットは出来ていてもアウトプットが出来ない、言語発達遅滞ということになる。ひとまず言語療法を本格的に始めることに。しかし予約状況は一杯で…と思ったら、2月に一枠だけキャンセルが出たとのこと。自分の仕事が休みかどうかも確かめることなく、迷わずに滑り込みで予約を入れた。何という奇跡。これからどういった内容で、どういったペースで特訓していくかを詰めていくことになる。

2月3日。節分の日。ファーストアルバムは保育園で新聞紙を丸めたものを豆とし、保育士の先生にぶんぶん投げまくっていたとのこと。そしてみんなで鬼のお面を制作し、クラスメイトがお面をかぶっているのを見て楽しんでいたと。しかし自分でかぶるのは嫌で、家でかぶせようとしても泣きながら抵抗された。ファーストアルバムは以前から帽子にしろお面にしろ、頭に何かしらをかぶるのにとにかく抵抗感がある。そして本格的に鬼の扮装をした先生が部屋に乱入すると、号泣して逃げ回る子供もいる中、ファーストアルバムは目一杯笑って楽しんでいたらしい。1年前はこちらがお面をかぶって鬼だぞ~!とやったらすぐに泣き出してしまったのだが、1年でこうも変わるものか。季節のイベントを行うたびに今までとは違った姿を見せてくれるファーストアルバムなのだった。

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