ファンクラブとファンコミュニティの違いをわかりやすく解説します
先日ウラカタLTの振り返り記事を書きました。
そのウラカタLTのテーマは「ファンベース」だったのですが、登壇者の方のプレゼンの中で何度も「ファンコミュニティ」という単語が使われてました。
僕の会社はfaniconというファンコミュニティサービスを2017年12月にローンチし、毎日ファンコミュニティに向き合う日々なのですが、振り返ってみるとfaniconが構想段階だった3年前などは「ファンコミュニティ」という言葉はけして一般的な言葉ではありませんでした。
昨今では「ファンコミュニティ」という言葉がある程度一般化してきているなと感じるのですが、一方で定義はまだまだ曖昧で、「ファンクラブとファンクラブはどう違うの?」といった質問もよくいただきます。
本日は「ファンクラブ」と「ファンコミュニティ」を分けるものは何で、それぞれがもつ役割はどんなものか、という疑問に対しての愚見を述べたく筆を執りました。
ファンクラブとファンコミュニティを分けるもの
最初に結論を申し上げるとこれは「ファンのタレントへの態度」である、と僕は考えています。(読みやすくするように、アーティストさんやインフルエンサーさんもまとめて本記事ではタレントさんと記載します)
具体的にいうと、ファンクラブに属しているファンは「受動的」であり、ファンコミュニティに属しているファンは「能動的」である、という違いです。
逆を返すと「ファンコミュニティサービスを使えばファンコミュニティができる」わけではなくて、ファンを能動的な存在に変えてはじめてファンコミュニティが立ち上がったと言えます。
そして、国内に現存するファンコミュニティサービスはこの「能動化」をサポートする役割をシステムとして持っているだけなので、使いはじめるだけではファンコミュニティはできません。
※度のサービスがどういうサービスを展開しているか、などについては別の記事でもう少し深掘りしますね。
さて、ファンの態度が「受動→能動」と変わることによって、どういう変化が起こるでしょうか?
簡単にいうと、それまでコンテンツの消費者であったファンが「口コミなどの強力な宣伝を行ってくれるプロモーター」や「一緒にコンテンツを作ってくれるクリエイター」に変わります。
その結果として「ファンクラブ」と「ファンコミュニティ」はタレント活動に対しての役割が異なってきます。
すご~く簡略化するとそれぞれがもつ役割は以下です。
ファンクラブ = マネタイズ
ファンコミュニティ = マネタイズ、プロモーション、コンテンツクリエイション 等
今までの文章を表にまとめる以下になります。
なぜファンを能動化させる必要があるのか?
さて、ファンクラブとファンコミュニティの違いは定義できると、だいたい次の質問を受けます。
「なんでファンを能動化させないといけないの?」
次はこの問いに対しての僕なりのアンサーを記述していきます。
大事な観点の1つは「プロモーション効率」です。
マーケティングや広告に携わっている方であれば、情報過多な現代において商品やサービスがターゲットにちゃんとリーチし、購入/利用意向を喚起することがいかに難しいか実感があると思います。そしてこれはタレントさんの活動についても同じことが言えます。
もちろんTVやYouTubeなどターゲットユーザーが大量にいるメディアで広告を打つことは一定の効果があることは間違いないのですが、ファン獲得効率はあまりいいとは言えないでしょう。
そんな状況で有効な手法は「知人からの口コミ」です。
このあたりはさとなお氏の著書「ファンベース」でも詳しく論じられておりますので、より詳しく知りたい方はぜひそちらをご参照下さい。
ちなみに口コミのプロモーションにおける強力さを端的に表しているバスケのプロリーグであるBリーグでの事例を一つ紹介します。
Bリーグで来場者を伸ばすために来場者の中で特にライトファンを対象に「どういうきっかけで来場しているか?」というアンケートをとったところ、全員が「誘わえたから」と答えた。
全員というのも驚きですが、ファンが能動的に友人を誘うか(SNSなどで紹介するか)はプロモーション設計的な観点で圧倒的に重要であるということを端的に表していますし、そのままファンがプロモーター化しているファンコミュニティの有効性を物語っていると言えます。
この他にも「発信量」という観点もあります。
現代ではタレントさんは競合タレントだけでなくネットフリックスやマンガアプリなどの星の数ほどあるエンタメとマインドシェアの取り合いをしなければならない状況に晒されています。
その状況おいて「発信数」は非常に大事なファクターですが、1人で発信できる量は限られています。そこで、能動的に自身について発信してくれ、コミュニティを盛り上げてくれるコンテンツ制作者が大事になってくるのです。
ファンアート書いてくれるファンなどはイメージしやすいのではないでしょうか。
ファンアートは本人の稼働は全く無いですが、それをみてコミュニティは盛り上がりますし、その絵について話したりしている時間はしっかりマインドシェアを獲得しているといえます。
上記以外にもファンが能動化しファンコミュニティが生まれることで得られるメリットはたくさんありますが、一旦ココらへんにしておきます!
絶対ファンコミュニティやるべきじゃん?に対するアンサー
ここまで読んでいただくと、「え?ファンコミュニティやらない理由ないやん!」という話になりそうなのですが、実は「ファンコミュニティ」を作ることはハイリスク・ハイリターンなアクションであったりもします。
なので、手放しに誰にでもおすすめできるものでもないのではないか、と個人的には思ってます。
ただ、ここまでですでに記事がクソ長くなってしまったので(原稿用紙6枚分くらい)、なぜファンコミュニティはハイリスク・ハイリターンなのか?という問いについては次回のnoteで述べていきたいと思います。
それでは、また次回の投稿でお会いしましょう。
かしこ。
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