見出し画像

【書評】「銀行はこれからどうなるのか」

突然どした?(なぜ銀行?)

これからの営業戦略を見据えて(そんな大層なもんではないけども)、銀行、金融業界に関するInputを個人的に集中的にしよう月間の第一弾です(あと、二回続く予定)

銀行のこと心配してる暇あったら自分の生い先考えなさいよとツッコミ入りそうですが、一旦無視して先に進みます。

銀行のことをちゃんと知ろうというところから始まったわけなのですが、この本を選んだのは、帯にも書いてある通り、地銀とメガバンクの行く先が気になり、その解がいかにもありそうな表題につられてポチったという経緯です。

クラシックな業態がこれからの時代どうなっていくのか、そこに対して自分が仕事上でどのように有機的に関わっていけるのか、非常に興味深いところです。

これからの銀行のとるべき戦略を4つに分類している

本書の筆者は以下の4タイプに分類しています

①モバイル型

②プライベートバンク型

③投資銀行型

④クラウド型

詳しくはこちらを見てね(出た!人任せ!)
(この本を書いた方によるネットの記事。これ見てこの本買ってるので興味がある人はこちらを参照していただくのが良いでしょう)

上記分類については、事前に目を通していたこともあり、殊更に新しい発見があったわけではありませんでした。

個人的にこの本を読んで今更ながら勉強になったなと思うことは銀行のお金の流れについて至極シンプルかつ分かりやすく解説してくれたこと。

銀行は個人からの預金を集めて企業に貸してる

こんなこと、金融業界に勤めてる人とか、長年ビジネスマンをしている諸先輩方枯らしてみれば、

「は?」「今更何言ってくれてるん?」「アホちゃうか」

というくらい当たり前のことなのかもしれませんが、いまいち銀行内部でのお金の流れが詳細にわかっていなかった自分にとってはこの当たり前の事実を感覚的に理解できたのは大きかったのです。

一見すると複雑そうに見える銀行のお金の出し手と行き先だが、実際は極めてシンプル

銀行の資金の流れと決算書の関係は簡潔だ

と言い切ってましたからね。気持ちいいぜ。泉田先生のいうことを200%信じることにいたしまする。

そして、地銀ほど、この比率(個人から預金を集めて企業に貸し出す)が大きいとのこと。

資本利益比率という銀行の本業での利益が

・メガバンクで50%前後

・地方銀行で70〜80%

ということらしいんですね。

ただし、この本を読む前からわかっていた通り

地方銀行がやっぱり苦しい らしい

39だそうですよ。

じゃなかった。三重苦だそうです。(何度さんじゅうくと打っても39になっちゃうんだな私のPCは。全然サンキューじゃないぜ)

具体的には

・貸出を伸ばせない
・利鞘が縮小する
・利回りがない

であり、これらへの解決策としてぱっと思いつきそうなものとしてこの筆者が挙げたものの一つが結構衝撃。

貸出を頑張って伸ばす

出た!まさかの精神論!笑

そうだよなあ。まあ頑張るしかないよなあ、半沢直樹のごとく頑張ってください、と思いながら真面目に読んでくと一応、現在銀行の進んでいる方向性として三つあげてました

1、不動産業への貸出拡大 
2、手数料ビジネスへのシフト 
3、海外への展開

これらに関しても詳しく書いてましたので、興味ある人は本書を買って読んでみてください(投げやり)

さて、そのほかにも本書では

メガバンクそれぞれの戦略の違いとか、ゆうちょ銀行と他の銀行との違いとか、信用金庫についてとか、日本にいると気付かないけど、MUFGは世界的に見たときには屈指のフィナンシャルグループなんだぜ、とかとか。

あとは、カード会社の成り立ちと各社の特徴やら、今時のキャッシュレス覇権争いについて書いていたりと、金融業界のことやFinTechみたいなことの「今」を、俯瞰的に理解したい人にはオススメですね。

ほんと、昔から数字が苦手で、金融業界という業界を勝手に敬遠してよくわかっていなかった自分なんかはとっても勉強になりました。

そして、先ほど書いたような地方銀行やらが生き残るため、や今後「銀行」という業態を他業種含めどう言った企業が牛耳っていくのか、という視点については、基本的には

サービスプラットフォームを制するものが制するのだ

ということでした。

生活者にとってより多くの接点を持って良い顧客体験を提供できたものこそが、結果として決済サービスも付随して、そのお財布までも握っていくのだと。

よく言われる中国のAliPay、WeChat Payなどはその好例ということになるのでしょう。

出た出た。結局GAFAにはかなわないってことでしょ、って思ったそこのアナタ。
そこで諦めたら試合終了ですよ。モチっと聞いてくださいな。

さっきも書いた通り、銀行のお金の流れはいたってシンプルで、

個人から預金を集めて企業に貸し出す」

ということ。

だからこそ、FinTechの流れの中で、生活者がより便利なサービスやお金の預けどころを見つけたらみんなのお金はきっとそっちに流れてしまいますよね。

現在のキャッシュレス覇権争いは、すでに日本でもその土壌が十分にできつつあることを示す一例かと思います。

そんな中で、これからの銀行が生き残る(=生活者に選ばれる)道として

地方銀行から見れば、FinTechは「それを活用して、いかに自分たちの抱えている個人預金を守りきれるか」という守りのツールとして活用しなければならないはずだ。
実はメガバンクでも、地方銀行と同様に個人預金を守りきれるかが重要だ。個人預金を確保できなければ、モバイル型やクラウド型での個人向け貸出や法人向け貸出に、現在は安い調達費用の資金を割り当てることができなくなるからだ。

と書いており、

銀行が目先でやらなければならないことは、プリペイド方式や異業種がテクノロジーを活用してくる新たな決済手段に対して、魅力的な決済手段の提供と、それに絡めた預金拡大である。それが銀行として存続するために必要となる。

と締めています。(いや、実際はその後も多少続くんだけどさ。なんか締めっぽいからそんな感じで引用してみた)

うーん。面白くて一気に読んでしまったのだが、さあこれからどうなることやら(本読んだだけでなんか仕事した気になってる俺!なんか仕事の成果につなげろやい!)

ということで自分のことや行く末に関しては結局触れずじまいでございました。

デワデワー!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?