優しさに甘えてしまう

花見スポットに彼女さんと行った。
そこそこ人が多くて、
人が多いとカップルも多くて、
距離感の近いカップルを見かける度に、ちょっとだけ羨ましくなったり恥ずかしくなったりした。
別に自分達も手を繋いでいちゃいちゃした雰囲気で歩きたいとかではないし、
逆に良い距離感だな、とは思ってるんだけれど、
やっぱり無いものねだりで、たまにはそういうカップルになりたいとも思う。
手を繋ごうとしたけど、
彼女さんに「何してんの?」ってすごまれた。

冬場は彼女さんの方から「寒いから」って手を繋いで来てくれたけど、最近は繋いでくれない。
「寒いから」は照れ隠しだと思ってたけど、
暖かくなって来て、ここまで手を繋ぐのを拒否されると、
「寒いから」は本当だったのかもしれない。


最近、彼女さんからの愛情表現を欲し過ぎている。
彼女さんからの愛情表現が全く無いわけではないし、むしろ日に日にスキンシップは増えている。

前は冷たくされるのも良かったけど、
最近はただただ優しくされたいと思ってしまう。
普段優しい彼女さんの優しさにどんどん甘えるようになって来ていて良くないな、と自覚している。


桜を良い角度から撮影したくて
うろちょろとしていたら、後ろから彼女さんに叩かれた。
「ちっこいんだから一人でうろちょろするな!」
って怒られた。
彼女さんの方が身長が高いので、僕は彼女さんを見つけやすいけど、僕は人ごみに埋もれてしまうくらいの低身長。
「マジで一瞬見失ったわ…」
彼女さんがすごくムスッとしながら、手を握って来た。
離れないようにってことなんだろうけど。
もしかしてさっきの「手を握りたい」って言ったのを聞いて、
はぐれたふりして手握ってくれたのかな、って。


考えすぎかもしれないけれど、
彼女さんはそれくらい気がまわる人だし、
ストレートには言ってくれない恥ずかしがり屋だし、
何より人ごみを抜けても家に帰るまでずっと手を握ってくれたし
誰よりも優しい人だから
そういう考えを巡らせてしまう。

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