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FM2と業務用100.

こんばんは、しぐれ↑そう↓です。(イントネーションは大事)

二回目の投稿です。

少々長くなりますが最後まで読んで頂けると嬉しいです。

僕は普段、デジタルとフィルムの2つのツールを織り交ぜあいながら写真を撮っています。

どちらが優秀だとか綺麗に写るとかではなく、互いに優れている点、愛してやまない点があります。

今回は僕がフィルムを始めた時(目覚めた時とでも言い換えれる)のお話と、初めて購入したフィルムカメラ、Nikon NewFM2 について記していきたいと思います。


ずっと敷居が高いと思っていたフィルムの世界.


僕が初めてフィルムカメラを手にしたのは今から1年と半年ほど前です。
それより前からデジタルカメラ(その頃はX100Fがメイン機でした)で写真は撮っていたのですが、フィルムを始めたのは本当に最近の話です。

まあ、更に言えばフィルムカメラに興味を持ち始めたのはそれより数年も前の話になるのですが...。

ではその間何をしていたのかというと、

ずっと自問自答の繰り返しでした(笑)

というのも、フィルムカメラデビューすることはデジタル一眼レフデビューするよりも敷居が高いと思っていたからです。

以下が当時僕が思っていたこと ↓

・撮った写真の結果がすぐ確認できない。

(ちゃんと写っているのか不安になる)

・フィルムは撮れる枚数が少ない。

・そのわりに投資額が大きい。

(現像代+データ化だけでも1000円オーバー)

・上記を合わせて撮り直し難い。

デジタルだと何枚撮ってもデータとして記録されるため、記憶媒体の容量が許す限り何百枚でも撮れちゃいますし、それに掛かるコストも最初の初期投資だけで済みます。

そして何より、撮った写真をその場でタイムラグなく確認できるので、ちょっと失敗しちゃったかなと思えば被写体によって撮り直しがいくらでも出来るし、それに掛かるコストもほとんどありません。(これが本当に大きな違い)


このように、デジカメと比較するとネガティブな要素ばかりが先行し、”やる”よりも”やらない”理由の方が足かせとなり、なかなか踏み出せなかったわけです。

それでも日に日に積もるフィルムへの興味と憧れを抑えることが出来ず、遂に始めることにしたのです。


初めてのフィルムカメラ、NewFM2


さて、いざフィルムを始めようと決意はしたものの、フィルムなんて小、中学校の修学旅行のとき写ルンですを持って撮影したくらいしか経験のない
素人ですから、当時はネットで色々と情報収集してました。
しかし、フィルムorフィルムカメラの世界は本当に奥が深く、調べれば調べるほど頭がこんがらがりました。

「中判なんてあるの??・・レンジファインダーって何・・」

最初はホントそんなレベルでした。

そんなこんなで少しだけ理解したつもりのうえで初めの一台として選んだのが、ネットで初心者向けで評判が高く、写真学校の教材としても長らく使われてきたという実績のある、Nikon NewFM2でした。

購入の際は、以前よりお世話になっているカメラのキタムラさんで程度の良い機体を選んでいただき取り寄せてもらいました。
キタムラさんは購入しなくてもキャンセル代や送料がかからず、実機を手に取って確認できるという素晴らしいシステムがあります。(残念ながら、2020年4月1日より購入に至らなかった中古カメラに関しては1台単位で送料が発生しちゃいます。)


君に決めた!

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満を持してお迎えしたNewFM2 +Ai Nikkor 50mm F1.2S(中古)。

(Ai Nikkor 50mm F1.2Sについてもいつか記事にしたい)

カメラの細かい仕様に関しては様々な方面で発信されてますのでここでは省きますが、僕にとってこのカメラとの出逢いが後のフィルムカメラ沼へと足を踏み入れていく大きなキッカケとなり、その波紋はデジタルにも及ぼし、Nikon Dfというカメラに行き着く序章でもあったりと、とにかくNewFM2を購入したことが大きなターニングポイントとなったのは間違いありません。

因みに僕のもとにやってきたFM2(以降New省略)は前期型で、シャッター幕がチタン製のハニカム機構というちょっとレアな一台で、後期型はより安定性の高いジュラルミン幕となります。このシャッター機構が1/4000秒という高速シャッターを可能としている秘密です。

まず何といってもフルマニュアルカメラ。AFや自動露出なんて機能は当然ありません。自分で絞り環とシャッターダイヤルで露出を決めて撮影しなければなりません。カメラが補助してくれるのはファインダー内で露出が適正かどうか○、×でLED表示してくれる露出計のみ。とにかくデジタルに慣れ切っていた身としては一枚撮り終えるまでの工程がとても長く感じました。更に限られた枚数しか撮れないため、失敗したら撮り直せばいいとうわけにはいかないため、被写体を見つけては構図決めにも今まで以上に時間を掛け、とにかく写真を撮るというプロセス全てにおいて神経を使ってました。

これだけでは、ただ面倒で疲れるだけと思うかもしれません。しかし、もちろん個人的な話ではありますが、シャッターを切る前の緊張感と撮り終えた後の余韻はこれまで写真を撮っていて味わったことのない、何処か気持ちよさに似たものがあり、中毒性があります。そのうち数枚撮っていくと不思議なことに、今度はこの手間のかかると思っていた工程が何だか「ああ写真撮ってるな」という一種の悦に浸るような感覚になっていったのです。(何だか危ない人みたいになってきてる)

あとこれが特に重要で、FM2のシャッター音がとにかく気持ちいいのです。ニコンのカメラはよくシャッター音にこだわりがあると言われています。静かなシャッター音が好きな方からはうるさく感じるかもしれませんが、僕はいかにも写真撮ってるぞ感溢れるシャッター音が好きで、以来ニコンのカメラファンとなりました。


さて、初フィルムを撮り終えて現像に出して出来上がった写真は、僕の想像以上の出来で感動しました。最初観た時、「あれ?自分写真上手いんじゃないか?」とちょっと勘違いしました(笑)。今思えば、開放の描写が見たいという理由でハイキーで撮ったり、明らかに露出が足りない場面で撮ったりしてたので、ラチチュード(許容範囲)の広いカラーネガフィルムの恩恵が大きかったのでしょう。そう、カラーネガフィルムはとても優しいのです。

また初ロールとなった業務用100がこれまたよく写るんですよね。生産中止になるのはとても悲しいです。

これを機にデジタルでも写真を撮りつつ、徐々にフィルムで写真を撮ることが増えていったのですが、それと比例してフィルムカメラとオールドレンズも増えていったのは不思議です。レンズとカメラは仲間を呼ぶとは聞いたことがありますが、まさか身をもって体験することになろうとは。(現在も緩やかに増殖中)


一枚一枚を大切に.


だいぶ文字数が多くなってきましたが、一番記したかったことは、あのとき本当にフィルムを始めて良かったなということです。

あの時始めていなかったら、僕がここまで写真を好きになることはきっと無かった気がします。

始める前までネガティブな要素と考えていた数少ない撮れる枚数や撮った写真の結果がすぐ確認できないことは、逆にだからこそ一枚一枚丁寧に撮ろうという気持ちにさせてくれるし、その結果を待つまでの日々が、今では楽しくて仕方なくなりました。

しかし、楽しいだけではフィルムは続けていくことは難しいです。どうしてもコストが掛かるという現実がつきまとってきます。初めてのフィルムとなった業務用100も生産中止がアナウンスされ、今後もフィルムを取り巻く環境は厳しくなっていきそうです。

それでも自分の生活範囲内でこれからもフィルムを楽しんでいきたいですし、フィルムで写真を撮ることで、微力ながらフィルム業界の活性化に貢献できればと考えています。

何よりフィルムで写真を撮れることの喜びを忘れることなく、一枚一枚を大切に撮っていこうと思う今日この頃です。


だいぶ長らく書き綴ってしまいましたが、最後に初めてFM2で撮影した写真を添えて締めくくりたいと思います。
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
それでは。 しぐれそう


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