見出し画像

豊田市足助「重伝建地区選定10周年事業」第4回 実行委員会議 メモ

 2021年7月16日、「重伝建地区選定10周年事業」の第4回目の実行委員会議が足助支所にて開催されました。

▼実行委員会のこれまでの活動実績や、これからの活動スケジュールについては、コチラ

 4回目となる今回の会議では、まずファシリテーターの堀部篤樹支援員による前回会議のふりかえりを行いました。

 そのうえで、豊田市旭地区を拠点にライター業を営む木浦幸加(きうらゆか)さんを支援員にお招きし、足助の町並みの良さを伝えるためのメディア発信の企画を、実行委員会の皆さんとともにつくりあげていく取り組みについて、ワークショップを行いました。

 次に、前回会議以降に得られた実行委員メンバーの投票結果をもとに、本事業の「ロゴマーク」と「キャッチコピー」を決定。
 最後に連絡事項として、次回以降の会議の予定をお知らせしつつ、実行委員会の皆さんの集合写真を撮影しました。

 また、皆さんにあらかじめ配布した書面にコメントを書いてもらい、意見集約をはかることにしました。

★01 【配布用】重伝建地区選定10周年事業実行委員会 第4回会議資料&コメント票&事前質問票(R3.7.9 文化財課足助分室作-2-1

★01 【配布用】重伝建地区選定10周年事業実行委員会 第4回会議資料&コメント票&事前質問票(R3.7.9 文化財課足助分室作-2-2

★01 【配布用】重伝建地区選定10周年事業実行委員会 第4回会議資料&コメント票&事前質問票(R3.7.9 文化財課足助分室作-2-3

画像19

【Review & Feedback / 前回会議のふりかえりと「コメントマップ」の共有】

 ファシリテーターの堀部支援員による、前回会議のふりかえり。

 前回会議の企画「三河里旅 in 足助の町並み」ローカルツアーについて、実行委員や支援員の皆さんから提出いただいた「コメント票」をもとに、
 そこで出た意見をパッと見で分かりやすくなるようにまとめた「コメントマップ」と、それらを地図上にプロットして表現した「アイデア・ストーリーマップ」を見ながら、お話しをしました。

★第3回コメントマップ(R3.7.9 足助分室編集)

★第3回コメントマップ(R3.7.9 足助分室編集)-2

★第3回コメントマップ(R3.7.9 足助分室編集)-3

画像7

 ローカルツアーについて考えるにあたり、実行委員会内での会話を通して、長らく足助に住んでいた地域住民自身も、「まだまだ足助のことを知らない」「もっと足助のことを知りたい」と思うきっかけとなっていることが分かります。

 また、「アイデア・ストーリーマップ」をつくってみて発見したのは、地域住民目線で思いつく足助の町並みの見どころは、よく足助の観光案内で使用される既存のガイドマップ上の見どころと少し異なるということです。

▼(参考)『足助町並み散策ナビ』 ※既存のガイドマップ

足助町並み散策ナビ(マップ)

 今回会議のコメントにも、「住んでいる地区以外は知らないことが多い。このマップを元に、足助の町を歩いてみたら楽しそう。」といった意見もありました。これまでとはひと味違った旅行体験を提案できそうだなと、あらためて再認識できたように思います。

 今後、こうした資料を参考にしつつ、三河里旅主催者の鈴木支援員らとともに、今年度中に足助でのツアー化を実現できるよう、引き続き企画検討を進めていく予定です。

【Tell the true goodness of ASUKE / 「本当の足助の町並みの良さを伝えていこう」】

 今回、新たに支援員として会議に参加してくれたライターのきうらゆかさん。

 豊田市の山村地域における持続可能な地域づくりを支援するおいでん・さんそんセンターに勤務し、そのオウンドメディアである「とよたでつながるローカルメディア縁側」の編集長として、人・地域・自然がつながる生き方や暮らし方についての情報発信をされています。

画像10

 足助在住のライターさんである高木支援員のご紹介のもと繋がったきうらさんに、今回の事業についてお話しさせてもらったところ、興味をもっていただき、
 足助の町並みをフィールドとした取材や情報発信について、取材対象を考える過程の段階から、実行委員会メンバーとともにつくっていくプロジェクトを立ち上げることになりました。

 これまでにきうらさんが手がけたお仕事のなかに、おいでん・さんそんセンター監修の『里co(さとこ) ~とよたで見つけたミライの山里暮らし~』という書籍の編集があります。
 ここでは、豊田市の山里に住む女性8人の移住の経緯やその後の生活について、女性市民ライターがインタビューするという形式で紙面が構成されています。

※現在は、2015年の刊行から約6年が経過し、情報が古くなってしまっている部分があるため、販売が停止されています。

 この10周年事業の成果を一冊の報告書としてまとめようと思った際に、せっかくつくるなら単なる記念誌的なもの(大体、硬派な見た目や内容のものが多い)ではなく、1人でも多くの人に「足助の町並みに住んでみたい」「足助の町並みに住み続けていきたい」と思ってもらうきっかけとなるような内容のアウトプットにした方が良いと考えました。

 その理由は、これまで3回の実行委員会議を行うなかで、足助の地域住民の気持ちとしては地域人口が少なくなっていること、特にこどもの数が減っていることを懸念する声が多く見受けられたため。何らかのかたちで、そこにアプローチする手法をとる必要があると感じたからです。

 そこで、今回の事業では、ひとまず『足助の町並みバージョンの里co(仮)』的なイメージの本(=成果報告書)をつくることを考えました。

 実行委員の皆さんには、あらかじめグループLINEを通じて「事前質問票」をデータでお送りし、この本をつくるうえでの取材対象について、事前に少し考えていただくことにしました。

★01 【配布用】重伝建地区選定10周年事業実行委員会 第4回会議資料&コメント票&事前質問票(R3.7.9 文化財課足助分室作-2-4

 足助の町並みで暮らしてみたい人を増やそうと思った場合に、まずは外から見て「いま、足助の町並みに住んでいる人自体が、魅力的に思えること」が必要となります。

 そこで、現在足助で暮らしている方々を、大きく以下の3パターンの子育て世帯に分類し、それぞれの取材対象を具体的に考えていくワークショップを行いました。

▶︎「生まれてからずっと、足助の町並みで暮らしている子育て世帯」【①地元組】
▶︎「一度、足助を離れたけど、再び足助に戻った子育て世帯」【②Uターン組】
▶︎「足助町外から、足助の町並みへ移住した子育て世帯」【③Iターン組】

 ここで取材対象を子育て世帯に絞っているのは、こどもの数を増やしていきたいという地域住民の願いを叶えるため。想定読者層(=足助の町並みに興味をもってもらい、できれば移住してもらいたい方たち)を、子育て世帯に焦点を絞る必要があるためです。

 現在、足助の町並みで暮らす子育て世帯を取り上げて、足助の町並みのなかで子育てをしていくことの楽しさを、全国の子育て世帯に伝えていく情報源となればと思います。

 第1回目の実行委員会議を元に作成した「アイデアマップ(足助の町並みの良さをまとめたもの)」をあらためて振り返りつつ、会議参加者を2グループに分けて、それぞれの取材対象(【①地元組】、【②Uターン組】、【③Iターン組】)について話し合いました。

画像12

画像11

▼(再掲)「第1回ワークショップ アイデアマップ」

【再】第1回ワークショップアイデアマップ

 日頃から、足助の町並みで日常生活をおくっている実行委員の皆さんにとっては、なかなか外からの視点を考えようと思っても、イメージが湧きにくいのかもしれません。それでも、身近な知り合いから候補者を出しあい、最終的には約30名ほどの名前が挙がりました。

画像12

画像15

 グループ発表では、実行委員会として推薦したい取材対象について、地元の集まりならではのローカルネタな笑いも折り混ざりつつ、紹介してもらいました。

 足助在住メンバーで話し合っていることもあるからか、自然と【①地元組】の推薦者が多くなり、その反面、【③Iターン組】はあまり名前が挙がってこない様子でした。
 また、【②Uターン組】には、重伝建の補助金制度を使ってお家の修理(古くからある建物をなおすこと)や修景(新築の外観や、塀などの工作物を、条例上のルールに則ってつくること)をしていただいた方の名前も挙がっていました。

 今後、このワークショップの内容をふまえて、きうら支援員らとともに、実際の取材対象を決めていく段取りに入っていきたいと思います。

 今年度は、できる限りの取材を進めていきながら、成果報告書全体の構成やレイアウトについての検討も、同時に進めていく予定です。
 ※「事前質問票」及び「コメント票」にて集約した「ローカルメディア縁側 in 足助の町並み」に関する意見は、次回以降の会議にて共有予定です。

🌳🌳🌳🌳🌳🌳🌳🌳

 また、今回の会議では、実行委員の皆さんに1人ずつ自己紹介してもらう時間もつくりました。

 緊急事態宣言の影響もあり、これまでの短い会議時間では、実行委員同士でコミュニケーションをとる時間があまり確保できていなかったため、あらためてこうした時間を設ける必要を感じていたからです。

画像14

画像17

 皆さん、これまで足助に住んできて感じていることや、今回の実行委員会の取り組みを通じて得たいことなど、それぞれの思いを話してくれました。

 なかには、きうら支援員のお話をふまえて、「足助の町並みのことはあまり知らないけど、文章を書くことは好きなので、お手伝いできることはあると思う」と自ら話してくれた方もいました。

 回を重ねるごとに、皆さんもこうした場に少しずつ慣れてきて、色々なお話を聞けるようになってきた気がします。
 これからも、実行委員の皆さん一人ひとりの個性を最大限活かせる機会をつくっていければと思います。

【Decision of the Logo mark & Catch phrase / 「ロゴマーク」と「キャッチコピー」の決定】

 前回会議で、事務局より提案した「ロゴデザイン」計5案について、実行委員の皆さん全員に投票してもらい、その集計結果を発表しました。

ロゴマーク結果発表

画像18

 集計結果は、椙山女学園大学4年生の服部ほの華さんがデザインした【ロゴ A-②】案が、2位と倍近くの票差をつけて、1位となりました。
 この結果をうけて、実行委員会としては、足助重伝建地区選定10周年事業のロゴマークを【ロゴ A-②】に決定することとなりました。

▼「足助重伝建地区選定10周年事業 ロゴマーク」

画像21

       【基本形: 白黒(1種類)】

画像22

画像23

画像24

画像25

画像26

画像27

       【変化形: カラー(6種類)】

 あわせて、第1回会議のワークショップで実行委員の皆さんがつくった、以下の3種類のキャッチコピーについても、コピーのみを足助重伝建地区選定10周年事業のキャッチコピーに決定することとなりました。

▼「足助重伝建地区選定10周年事業 キャッチコピー」

・「あかりのつながる町」
・「_きになる足助」
・「やい!おまん 足助 いいだら〜! ほいだもんで こや〜!」

 今後、決定したロゴマークとキャッチコピーは、豊田市として報道発表を行いながら、周知を広めていく予定です。

 また、このロゴマークやキャッチコピーは、実行委員会のみならず、規定した使用ガイドラインの範囲内であれば、誰でも使用できるようにしていきます。

▼「足助重伝建地区選定10周年事業 ロゴマーク・キャッチコピー ダウンロードサイト」
※足助重伝建地区選定10周年ホームページ内

 実行委員の皆さんには、決定したロゴマークの今後の活用方法について、コメント票を通じて、いろいろな提案をしてもらいました。

 以下に、提案の種類ごとに大きく分類しつつ、記してみたいと思います。

【グッズ系】
▶︎何らかのプロダクトにして、販売などを通じて周知をはかる
 …「手ぬぐい」「ハンカチ」「タオル」「シャツ」「靴下」「マスク」「マスクシール」「マスクホルダー」「ボールペン」「缶バッチ」「シール」「スタンプ」「ハンコ」
 …「焼印」や「刻印」をつくって、各お店の商品に使う
 …お店の「お土産の袋」に使う

【町並み系】

▶︎建物の外部など、町並みに表れる方法で周知をはかる
 …「ポスター」「のれん」「旗」「のぼり」

【イベント系】
▶︎何らかのイベントに合わせて使うことで、周知をはかる
 …10周年記念イベントスタンプラリーか何かをやる時の「スタンプ」をつくる

【情報発信系】

▶︎広報誌などの頒布に合わせて使うことで、周知をはかる

【フィードバック系】

▶︎上記周知活動と合わせて、効果検証も行う
 …グッズなどの「モノ」から周りに興味をもってもらい、グッズを購入した方には、「購入の理由」を聞いて、今後の展開の参考にする

 また、キャッチコピーについては、椙山女学園大学4年生の堀田明来さんより、今後制作予定のポスターデザインの提案に活かしていきたいという提案をしてもらっています。

 これらのロゴマークとキャッチコピーを、足助の町並み全体でどのように活かしていくことができるか、引き続き、試行錯誤を重ねていけたらと思います。
 今後の展開については、適宜進捗状況を実行委員会内で共有しつつ、周知活動を進めていければと思います。

【Next Step / 次回の会議へ向けて】

 この10周年事業をイメージするロゴマークも決まり、実行委員会を運営していくうえで必要な土台も、ようやく固まってきたように感じます。

 会議当日は、足助町内で同じ時間帯に開催された大きな会合と重なってしまったこともあり、欠席者が何名か出てしまいましたが、実行委員会としては初めての集合写真の撮影も行いました。

画像19

※実行委員メンバーの田口会長、浅井(美)委員、川島委員は不在。下段左から2番目は廣瀬支援員、その他は全て実行委員。


 次回、第5回会議では、いよいよ重伝建制度に関する話について、基本的なところからお話をしていきたいと思っています。
 また、意外に足助の町並みのことを知らないという実行委員の皆さんの声を受けて、第6回会議は、会議室内の話し合いではなく、実行委員の皆さんと一緒に、足助の町並みを実際に歩いてみる回を設けてみようと思っています。

 実行委員の方のお仕事の都合上、日程やグループを複数に分けるなどして、対応する必要もあるかもしれません。
 しかし、下半期から本格的に足助の町並みの課題に向き合っていくためにも、本事業の折り返し地点にもなる9月頃のタイミングで、足助の町並みを実際の目で見ておくことは、後々に役立つのではないかとも考えています。

 7月からは、別途、文化財課足助分室が進めている、足助の町並み内にある文化財建造物(重伝建制度上は「伝統的建造物」と呼ぶ)の大規模現況調査も始まりました。
 まだまだやるべきことは沢山ありますが、ひとつずつ着実に、課題のたなおろしを進めていければと思います。

▼髙木支援員作 YouTube動画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?