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Be honest

ねえお⽗様。私あの王⼦様と結婚したい わ。 だって⾒てください、あの凛々しいお 顔と正義感 溢れる佇まいを。 ああ、あの⽅が私に微笑みかけてくれたならどんなに嬉しいか。 いいえ、気にしませんわ。私たちの国 より弱いことなど。 きっと、⼩さくても毎⽇が楽しいでしょう から。 ねえお⽗様、約束してちょうだい。私 の初恋を、叶えてくださることを。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー とある⼩さな王国に、残酷で⾦遣いの荒い王妃が

    • オムライス

      まぶたが、開いた。外に呼び出すようなまばゆい光が部屋に差し込んでいる。 また一日が繰り返されて、まわってきてしまった。一旦現実から逃げたくて、窓の光に背を向ける。布団を巻き込むように寝返りを打つと、散らかった馴染みの部屋が目に入った。その瞬間、明日本気を出そうと眠りについた昨夜の自分が脳裏によぎる。思わす目を閉じて、私は羽毛布団に顔をうずめた。ずっしりしていて、隙間なく包み込んでくれる羽毛布団。この優しさに、私はつい甘えてしまう。 真っ白な天井をぼーっと見つめていると、そうい

      • 【gifted ギフテッド】 平均より並外れた、⽣まれつき突出した才能を持つ⼈。知的好奇⼼や探求⼼が強く、 ⾃分の好きな分野を常に極めて深く学習していく傾向がある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この湖は俺だけが知っている、そう思っていた。 ⼤学の奥にある広場のもっと先、誰もいかないような遊歩道の脇道に、この 湖の⼊⼝はある。⼊学したばかりの頃、⼀⼈で散策している時に⾒つけた思い がけない秘密の場所だ。 背の⾼い

        • ブルーグラス

           知らない土地の、知らない海。浜辺から少し離れた崖には自分だけがいて、気づけば何時間も寄せては解ける波を眺めていた。  ずっとここにいたい。ふとそう思う。感情にまかせて荒らした自分の家とは裏腹に、抱える記憶はまっさらなままだ。家へ帰ればきっと、また空虚な孤独感に包まれてしまう。  もがいてももがいても何も掴めはしない自分の脳内のように、波は容易く崩れ溶けていく。自分でも自分がわからない。でも、目の前で揺れる青い深淵の向こうに、何故だか答えがある気がして。もっと近くで、と無意識

          知らない人と知らない言語の曲

          日本語じゃない曲が好き。 耳から直接理解できないところがいい。だってストレートに歌詞を受け止めなくてもいいから。 日本語の曲ももちろん好きだけれど、知っている人の、知っている言葉じゃ、なんとなく作り物に思える時がある。どうしても、テレビなんかで見るその人自身が思い浮かんで、歌詞とのギャップに敏感になってしまう。そうするとなんだか嘘をつかれてるような気分になる。ほんとにそう思ってるのって。 でも海外の、名前も顔も性格も知らない人の、知らない言語の曲はそれがない。良い意味でま

          知らない人と知らない言語の曲

          私はお洒落な人なんです

           自分に酔うのが好きです。  これは決してナルシストというわけではなく、たとえば夜の街を音楽を聴きながら眺めるとか暖かいコーヒーを飲みながら1人で読書をするだとか、自分を俯瞰して見た時にお洒落なことが好きなんです。ただしこれは、インスタなんかにあげたりはしません。1人で楽しむのです。  誰にもみられていない部分が充実していると、(外側だけじゃなくて)内面が豊かな証拠である気がするからかもしれません。外で満たされないものを、内でひとり占めしてバランスをとっているのです。 そし

          私はお洒落な人なんです

          「音で埋めて」 音楽よ私に音をちょうだい 考えが頭を埋め尽くす前に 嫌なことなんて入る隙間がないくらい 私の世界を音で埋めて

          「音で埋めて」 音楽よ私に音をちょうだい 考えが頭を埋め尽くす前に 嫌なことなんて入る隙間がないくらい 私の世界を音で埋めて

          ちゃんと"等身大"をみて

          やっぱり人気者になりたいって思いがあって、 でも目の前のこの子には私はひとりぼっちだと思ってほしい。 私が幸せだと思わないでほしい。 多分それは、実際の幸せよりも多く見積もられていると損な感じがするから。 私もっと苦労してるし悩んでるよ。 だからそんな部分が埋もれて、認めてもらえないのが勿体無い気がする。 この人には私がなんの苦労もしてないように見えるんだろうな。 実は私もそうなんだ。

          ちゃんと"等身大"をみて