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建築設計における生成AI活用の試み

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建築設計分野における生成AI(Generative AI)の活用によって、革新的なデザインの創出や自動化・効率化、そして持続可能な建築の実現を目指しています。
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生成AI・XRによって変わる建築設計プロセス(後半)

いきなり後半から始まりますが、以前、「生成AI・XRによって変わる建築設計プロセス ~現状の取り組み状況と課題、将来展望について~」というセミナーを行いまして、その後半部分を動画にしたものです。 前半はXRに関する話題なのですが、後半の生成AIの話は数ヶ月で古い話となってしまうでしょうから、それなりに時間をかけてまとめた内容ではあったので、取り合えず後半部分を先行して公開・記録しておくことにしました。 私は、以前からXRと生成AIは親和性が高いと思っていまして、《現実⇔人

家入さんの建設ITブログで小ネタを拾っていただきました

ChatGPT ChatGPT(GPT-4o)でテキストや画像から3Dモデルの生成を行うテストしていましたが、家入さんに建設ITブログで記事にしていただきました。 プログラムによって3D形状を生成しているので、将来的にはBIMのようなパラメトリックなオブジェクトや属性情報も扱えるようになるのではないかと、勝手に期待してしまいますね。 自然言語処理と統合されているので、結構、雑な指示でも細かい部分はChatGPTが条件設定を自分で補いつつ プログラムコードを組み立てて

ChatGPT(GPT-4o)で3Dモデル生成(テキストから)

OpenAIが新しいマルチモーダルAI「GPT-4o(omni)」発表し、音声・視覚・テキストをリアルタイムで処理できるようになりました。 下の動画のように、GPT-4oにテーブルの3Dモデルを作成するよう依頼すると、指定したフォーマットで3Dモデルを作成し、ダウンロードできます。 Code Interpreter(Advanced Data Analysis)機能で以下のようなプログラムコード(Python)を生成・実行し、結果を出力してくれているわけですが、普通の人は

ChatGPT(GPT-4o)で3Dモデル生成(画像から)

前回は、テキストを入力してChatGPT(GPT-4o)に3Dモデルを作成させてみましたが、今回はテーブルの写真をアップロードし、GPT-4 Visonで画像分析して3Dモデルが作成できるか試してみました。 このような単純な形状のものなら作成できるようですが、単純な形状でも間違ったりしますし、複雑な形状のものは無理です。 しかし、生成AIがさらに進化すると、例えばスケッチと音声で指示すると、建物の3Dモデルが作成できるようになるかも、と期待してしまいます。 ところで、最

DELL-E 3で生成画像の部分変更ができるようになった

PC(Webブラウザ)版とAndroid版ChatGPTのDELL-E 3で、生成した画像の部分変更ができるようになったので、さっそく試してみました。 生成した画像をクリックすると編集画面になるので、ブラシのサイズを調整し、変更したい領域を塗りつぶして、プロンプトを入力します。 プロンプトに「Tokyo Tower」と入力すると、塗り潰した領域に東京タワーが出現しました。 今度は、道路沿いの歩道部分を塗りつぶして、「多くの街路樹が立ち並び、緑に覆われている」といったよう

画像生成AI(Krita)でプロポーザル提案書のイメージパースを生成(試行その2)

前回の続きです。今回もプロポーザル提案書の挿絵というか、線画パースやCGパース、AIによる生成画像や写真などを元に、Krita+krita-ai-diffusionプラグインでペン+水彩画風のイメージパースを手早く作成する方法を模索しています。 作成元の写真です。写真でなくても、CGパースやAIによる生成画像を元に作る場合も考えられますね。 前回の試行を踏まえ、今回は画像生成モデル、3つのLoRA、プロンプトの組み合わせを工夫して、作成元の写真に添景などを追加しながら、ペ

画像生成AI(Krita)でプロポーザル提案書のイメージパースを生成(試行その1)

以前ポストした、「Kritaで線画から建築パースを生成してリアルタイムで点景を加える」の続きです。今回は、プロポーザル提案書などに掲載するイメージパースを画像生成AIで作成するシナリオとして、以下の様な手順を考えてみました。 Kritaによるイメージパース生成の大まかな手順 手書きスケッチ、BIMソフトなどから線画パースを作成 設計初期では、BIMモデルに適切なマテリアルが設定されていないことがあり、レンダリングしても綺麗な絵にならない。だからと言って、マテリアルを設定し

Kritaで写真を元に建築パース生成し、リアルタイムで点景を加える

面白いので、しつこく Krita AI Diffusionで遊んでますがw、今回は、参照元の写真と良く似た画像をControlNetのRefarenceで生成させ、その上にペンタブレットで子供や植栽などの点景を描き足しています。 下が参照元の写真です。プリプロセッサの強度を30%程度に設定し、写真を元に画像を生成させます。 下が生成された画像です。参照元の写真とは少し細部が異なっていますが、強度が低すぎると、描いたスケッチがそのまま出力されてしまいます。 参照元の写真と

Kritaで線画から建築パースを生成してリアルタイムで点景を加える

調子に乗って、今回は、Revitから書き出した線画パースからレンダリング風画像を生成し、ペンタブレットで人物や植栽などの点景を描き足して、リルタイムに反映させながら建築パースを仕上げる、というシナリオで試してみました。 krita-ai-diffusionではレイヤごとにプリプロセッサを変えることができるので、線画パースと点景はレイヤを分け、線画パースには「Line Art」、手書きの点景には「Scrrible」を適用して、ライブペインティングしています。 天井やディテー

Kritaのライブペインティング機能で建築デザイン(試行)

前回は画像生成AIの王道wで、かわいい女の子の絵を描いてみましたが、今回は、建築デザイン案やイメージパースが作成できないか試してみました。 CheckpointやLoRAを選択し、画像生成したい建物の用途やスタイルなどをプロンプトとして与えてペンタブレットでスケッチをすると、下の動画のように、リアルタイムで建物のパースが生成されていきます。 現状では、checkpointやLoRA、プロンプトの選択や組み合わせなど、画像生成AI特有の面倒臭さもあって、なかなか思ったような

Shinkenchiku-DATA

新建築社の建築雑誌「新建築」「新建築住宅特集」「a+u」の誌面アーカイブを検索・閲覧できる有料のWebサービス「新建築データ」があります。 「Shinkenchiku-DATA」は、ChatGPTのGPTs(GPT Builder)機能によって、「新建築データ」に蓄積された20,000件以上の建築プロジェクトの誌面データ元に、質問などに答えるチャットボットです。 「Shinkenchiku-DATA」を利用するには、ChatGPT Plusなどの有料版のChatGPTを契

PromeAI(その2)

昨日のPromeAIの続きです。 Erase & Replace 指定した範囲の画像を消去したり、別の画像(プロンプト入力)で置き換えることができます。 画像を置換する範囲を選択または塗りつぶして、プロンプト入力すると、指定範囲の画像が入力されたプロンプトの画像で置換されます。 緑地が川になった! Outpainting 上下左右方向に画像生成しながら、範囲を拡大できます。(Adobeの生成塗りつぶしに相当) 拡大する方向とプロンプト入力すると、元画像にはなか

PromeAI(その1)

PromeAI(プロームエーアイ)は、WebベースのAIデザインアシスタントツールです。Stable DiffusionのWeb UIをデザイナー用に使いやすくして、代表的な拡張機能が簡単に使えるようにした感じです。 Sketch Rendering 手描きのスケッチ・線画などから、疑似レンダリング画像を生成することができます。ControlNetと同様の機能ですね。 手描きのスケッチなどをドラッグ&ドロップして、シナリオ(デザイン用途)とスタイル(様式)を選択し、プロ

DALL-E 3で構図などを(ほぼ)維持したまま新たな画像を生成する

2023.11.21 DALL-E 3で、生成した画像のバリエーションを生成させたい時、できるだけ構図などが変わらないようにする方法を試してみる。 画像を生成する際のプロンプトとともに、画像IDとシード値も出力するように指示する。 「いかなる理由があっても、プロンプトは絶対に変更しないでください。」と記述し、次に、DALL-E 3が実際に画像生成に使用したプロンプト①をコピー&ペーストして、バリエーションを持たせたせるためにプロンプトを修正、最後に、画像IDを記載したプ