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Day15,「View from outpost」Inktober2020

 学生時代、学校行事で毎年登山をしていた。側から聞けばハイキング程度のものかと思うが、2泊3日で行われる遠足、と呼ばれるその定例行事は、本気の雪山登山だった。名前の可愛げはどこにもない。
私は登山はとても苦手で、やっていた頃は正直嫌いだったが、ラグビーで膝を壊して登れなくなって初めて、あれもあれで良いものだった、と思えるようになった。蚊帳の外から見ないと分からないことは、往々にしてある。

 人間はすごい。身体だけでもそれなりに遠くに行けるし、道具を使えば更に遠くにも進めるようになる。そのうち、宇宙だって、海外旅行の気分で行けるようになるだろう、秘境なんて、どんどん開拓されるだろう。それでも、憧れは消えない。世界は広く、どれだけ人間がすごくなろうと、山頂から見る山々の頂と広がる雲海は、個人にとって素晴らしいものであり続けるからだ。

 自分にとっての秘境って、例えばどんなところだろう、と考えていたが、思い浮かべるのは文字通りの未開地ではなく、まだ行った事のない場所ばかりだった。憧れが尽きず、旅に出たいと思い続けているのは多分、人間にとっての秘境じゃなく、私にとっての秘境がまだまだ無限に存在するからだ。
また旅したいな。

OUTPOST

《軍事》前哨基地、前哨部隊
開拓地◆同frontier settlement
辺境の地、前哨地
出先機関、支店

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