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dp Quattroと遊ぶ|アスペクト比編

SIGMA社員が独断と偏見でSIGMA製品への思いを語るコーナーです。

今日の当番|M

今日はdp QuattroというSIGMAのカメラを紹介したいと思います。個人的には、もう5年くらい使っていて馴染みもありすぎるカメラですので、dp Quattroの魅力を一挙紹介!というよりは、このnoteでの連載をきっかけに要素をひとつずつ紹介していけたらと考えています。

dp Quattroとは

dp Quattroシリーズは2014年に発売された、APS-CサイズのFoveon Quattroセンサーが搭載されたコンパクトデジタルカメラです。Foveonセンサーとは世界で唯一「垂直色分離方式」を採用したイメージセンサーです。センサーの話をしていくと非常に長くなってしまいますので、テクノロジーの詳しいご紹介はこちらなどをご覧ください。

センサーの独自性もさることながら、このカメラのデザインについては触れずにおけないでしょう。当時就職活動をしていた私は、カメラの知識に乏しいながらも、この見たこともないカメラの形にシビれてしまいました。そして思ったのです「こんなヤバいカメラを作れる会社はそれ以外もヤバいに違いない!働いたら面白そう!」と……その直感が当たっていたかどうかは引き続き今後の投稿で醸し出していけたらと思います。

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dp Quattroを持って旅行をしているとやはり目立つのか、たまに話しかけてもらえます。以前、箱根のバス停でお会いした海外の旅行者からも「クールなカメラだね!」と褒めて頂いたこともありました。その次にズームはどれくらいできるの?という質問を頂き「No zoom……!」とお答えしたところ「Oh……」というリアクションを頂きました。そう、dp Quattroは単焦点のデジタルカメラなのです。

dp Quattroシリーズには、14mm F4のdp0 Quattro(21mm相当)、19mm F2.8のdp1 Quattro(28mm相当)、30mm F2.8のdp2 Quattro(45mm相当)、50mm F2.8のdp3 Quattro(75mm相当)という焦点距離の違う4機種があります。ズームやレンズ交換はできないカメラですが、機種毎に専用設計された単焦点レンズとFoveonセンサーの組み合わせがAPS-Cサイズとは思えない高画質を叩き出します。箱根を旅した当時はこういったところを上手くプレゼンできず残念でしたが、またあのような機会に恵まれた際には次こそ気合でお伝えしたいと思っています。

豊富なアスペクト比

初回の今回はdp Quattroを使って、SIGMAのカメラではいろいろなアスペクト比を選択できるということをご紹介したいと思います。たかがアスペクト比、されどアスペクト比。一度この選択肢の多さに慣れてしまうと、選べないカメラでは少し物足りなさを感じてしまう、ということが多分きっと起こるはずです。

今回はdp2 Quattroを使って撮影しました。ちなみにこの比率紹介の写真は全てSFDモードで撮影しました。Foveonセンサーならではの機能、SFDモードについてもまた後日どこかでご紹介できたらと思います。

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1:1

正方形のアスペクト比です。6×6版二眼レフカメラのフィルム比率でもあるのでレトロな雰囲気がありますが、インスタグラムの基本レイアウト比率にも採用されているので新しい印象もあわせ持った比率です。


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7:6

中判の6×7版カメラに近い比率です。dp Quattroシリーズではファームウェアver1.05で追加されたアスペクト比でした。個人的にはゆったりとした懐の深い比率という印象があります。


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4:3

ミラーレスカメラやコンパクトカメラで多く採用されている比率です。アナログテレビ放送画面サイズが元になっているそうです。少し古めの比率かと思いきや、歴代iPhoneなどのスマートフォンカメラのデフォルト比率にも選ばれているので、実は近年で一番よく目にする比率のひとつかもしれません。


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3:2

スタンダードな35mm判の比率です。dp Quattroシリーズでもデフォルトはこのアスペクト比に設定されています。撮れる面積としてはこの3:2がもっとも大きいという事になります。見慣れているせいか、ついつい選んでしまう安定感のあるアスペクト比です。


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16:9

ワイド比率と呼ばれ、フルハイビジョンなど現在のテレビ放送用にも使われている比率です。スマートフォンのカメラでは先ほどの4:3に加え、16:9もデフォルトで選べる機種が増えてきていることや、動画コンテンツの利用も盛んになっていることからメジャーな比率のひとつと言えます。


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21:9

映画で使用されるシネマスコープに近い比率です。16:9から更にワイドなのでダイナミックな印象があります。SIGMA fpの登場により、TwitterなどのSNSで「#シネスコ」として沢山の方に楽しんで頂いている比率ですが、dp Quattroシリーズにも(もちろんsd Quattroシリーズにも)搭載されている比率です。


現状「A版」のアスペクト比についてはSIGMA fpのみの実装です。是非いつかdp Quattroシリーズやsd Quattroシリーズにも実装してほしいですね。


比率を変えて撮るということ

もちろんアスペクト比は後処理でトリミングすれば、画像データとしてはいくらでも変更することができます。それでも、カメラ内で比率を変えて撮影することで、撮影の瞬間の対象との向き合い方も変わるというところは、写真を撮ることの楽しみのひとつではないかと思います。

例えば同じ花でも16:9と1:1では「こう撮りたい」という気持ちも変化するので面白いです。

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近所を散歩するときでも「今日は7:6縛りでいってみよう」というのも新しい発見がありそうで楽しそうです。

専用現像ソフトSIGMA Photo Pro

ここまで撮影の瞬間の一期一会を楽しむというような話をしましたが、やはり後から「もっとワイドで撮るんだった!」という後悔も時にはあるもの。そういった場合でもRAWデータで撮影しておけば、専用現像ソフトSIGMA Photo Proで後からアスペクト比を変更することができます。

1:1で撮った写真を後から3:2などに広げてみると、油断して入ってしまった自分の足など意識外の被写体と出会うこともあります。


今回はアスペクト比のご紹介をしましたが、SIGMAのカメラはカラーモードが豊富なのも特徴です。これもRAWデータであれば、SIGMA Photo Proで後からモードを変更することができます。

先日、dp Quattroとsd Quattroのファームウェアアップデートがあり、fpで登場した新カラーモード「ティールアンドオレンジ」もdpとsdで使えるようになりました。

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dp Quattroの紹介の続きにはカラーモードについても取り上げていきたいと思います。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。

今回使用した機材

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dp2 Quattro