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【ムーブの考察】なぜ外ムーブが存在するのか
皆さんこんにちは、こんばんは。初めましての方は初めまして。
APEX LEGENDSというゲームでコーチ&アナリストとして活動をしております、siglussと申します。
今回はAPEXの競技シーンにおける外ムーブの考え方をつらつらと書き連ねていこうかと思います。
まず大前提として外ムーブとは何ぞやというところからなのですが安地や強いポジションに対して最終的かつゆっくりと後ろから他のパーティが来ない事を確認してから少しずつ中に入る、序盤にしっかりと漁り自分たちの物資をある程度潤沢にした状態で安地に向かうような立ち回りのことです。
外ムーブを採用している主なチームといえばFENNNELやFC、UCや少し前までのDTNとかです。
一方で中ムーブいわゆる先入りムーブを採用しているチームだと456、SG、UNITE、いぶし銀、Meteor、最近だとRidなんかもそうですね。こちらは外ムーブとは対照的に最小限の物資で安地の中の強いポジション、もしくは最終安地まで絡んでいけるような建物を最速でとりに行く動き方の事です。競技シーンに参加している多くのチームがこのムーブを採用しており、海外勢も同じような考え方のチームが多く、あのTSMの司令塔のImperialHal氏は"弾より武器より、何よりポジションが大事だ"と言っています。
日韓の競技シーンにおいては一時期コースティック、ローバ、クリプトという構成で最速で中を取り人のアーマーを奪ってげらげら笑うやばい奴らがいたとかいないとか。
・外ムーブと中ムーブの考え方の違い
さて、多くのチームが採用している中ムーブとは対照的な位置にいある外ムーブですが、なぜ採用するチームがあるのでしょうか。そこには根本的な考え方の違いがあるからだと考えます。
そもそも中ムーブの考え方とは"キルポイント < プレースメントポイント"というところからきています。これがどういうことかを説明する前にまずはAPEXの競技シーンにおける1試合のポイント配分を知っておく必要があります。ポイント配分は以下の通りです。
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1位 12pt
2位 9pt
3位 7pt
4位 5pt
5位 4pt
6位.7位 3pt
8位-10位 2pt
11位-15位 1pt
16位-20位 0pt
1kill 1pt
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これがどういうことかというと1位3キルだった場合合計15ポイント
3位5キルだった場合合計12ポイント...という風にキル+プレースメントポイントでそのマッチ(マッチ1~6それぞれの事)の獲得ポイントが決まります。大会では主にこれを6回繰り返し総合獲得ポイントが一番高いチームが優勝となります。
(一部公式大会ではマッチポイントシステムが採用されているためすべての大会ではないですが…)
つまり1位を取ることで実質12キルを取ったことと同義になるわけです。
私自身"バトルロワイヤルは高い水準の平均値を取り続けるゲーム"だと思っています。
多くのプレイヤーはバトルロワイヤルで最終的に勝つためにはどうすればいいかと聞かれると同じように"高い順位や高いポイントを取り続ける=高い総合ポイント平均値を取り続けることだ"と答えると思います。
また、中ムーブのチームは多くのチームと接敵することを嫌った構成やムーブにしてきます。つまりキルポイントを稼ぐことよりも先述した通りプレースメントポイントを稼ぐことに重きを置いているわけです。
なので多くのチームはより高い順位を獲得するために一番最初に強いポジションやより最終的な安地に絡めるような建物や場所を取りに行くわけです。
これが中ムーブの考え方の当たり前の部分になります。
次に外ムーブの考え方について話していきます。
これまでの文章を読むとバトルロワイヤルで圧倒的に結果を残しやすいのは中ムーブのように思えます。実際、世界的に見ても多くの大会で"優勝"
しているのは中ムーブのチームです。(一部地域やマッチポイントシステムの大会を除く)
ではなぜ外ムーブを採用するチームが存在するのか、それはAPEX特有のポイントシステムにあります。
ここで一度PUBG MOBILE JAPAN CHAMPIONSHIP SEASON2 のポイントシステムを見てみましょう。
(引用元:https://pmjc.info/pdf/PMJC2_RuleBook_v3.pdf)
このようにAPEXよりも上位におけるプレースメントポイントが高く振り分けられています。
また、1マッチにおけるすべてのプレースメントポイントの合計値(1~16位までの合計値)がPUBGMは85ptとなっており、APEXは54ptとなっております。
また、1マッチにおける総プレイヤー数はPUBGMは64人、APEXは60人とわずかな差となっています。
総プレイヤー数はキルポイントでとれる最大値とほぼ同値(正確にはPUBGMは64-4の60pt APEXは60-3=57pt)となっています。
また、1位を取るとPUBGMでは総プレースメントポイントの1/4に当たるポイントを取得できることになり、APEXでは1位を取ってもおよそ1/5程度となります。
つまり、競技性は似ている二つのタイトルですがPUBGMのほうがより高い順位(プレースメントポイント)を取る意味がポイントシステムから見て、あると言えます。
ここまでほかのタイトルと比較してきましたが、結論、APEXは1マッチにおける総合のポイントの比率としてほかのタイトルよりキルポイントの比重が重いということになります。(ちなみに総合ポイントから見たプレースメントポイントとキルポイントの比重はほぼ1:1です)
さて、ここで忘れてはいけないのが外ムーブの考え方についてです。つらつらとほかのタイトルの話をしたりポイントの比重の話をしたりしましたが結論、外ムーブの考え方は"キルポイント > プレースメントポイント" ということになります。外ムーブで最も大切且つ重要な考え方は"一体何ポイント(プレースメント+キルポイント)を自分たちの目標平均値としていくのか"ということになります。先述した通り、中ムーブはより高い順位を取ることが目標でありますが、そこには何位何キルという目標が非常に立てにくいという欠点があります。なぜなら安地という運要素や他のパーティの動向など自分たちではどうにもできない部分があるからです。
つまり自分たちが目標とするポイントを正しく設定しそれを毎回クリアしていくことが外ムーブには求められていきます。そこで一つの指標となるのが6キル15位です。
この記事を読んでくださっている人のほとんどがなぜ外ムーブとかいう運ゲームーブ、あたおかムーブ(頭がおかしい)が存在するのかと思っているかと思います。しかしその考えは全く持って違います。
先述した通り、APEXにおいてキルポイントとは全体から見てほかのゲームより比重が高いポイントであり、積極的に取っていくべきポイントなのです。また、運によって左右されにくいポイントであり、自分たちの実力のみで確保することのできる唯一のポイントであると言えます。
その中で一つの指標となるのが先述した通り6キル15位です。
総合獲得ポイントでいうと7ポイントになります。これを計6マッチ続けられると42ポイント獲得となります。
あれ、42ポイントじゃ結局優勝することできなくね?と思った方大正解です。そうです42ポイントじゃどんな大会でも優勝することは不可能です。しかしこのムーブの魅力のもう一つは"爆発力"にあります。競技シーンにおいて6キルが取れるチームというのは"安地の位置、ランドマークにしている場所、移動ルート、ファイトする敵のチーム、漁夫との距離"この5つの要素が嚙み合ったときにより多くのポイントを取得できることになり、結果的に平均値が7から8へ、8から9へと吊り上げられていき最終の総合ポイントで高いポイントを取得することができます。
つまり外ムーブとは目標の平均値のを取得するという"安定性"と"爆発力"における"平均値の引き上げ"という二律背反を実行していくムーブの事を言います。
6キル15位でいいという考え方
この考え方にはとある副産物が生まれてきます。"それは低い順位でもいい、これだけポイントが取れているからこのマッチはこれで十分だ"という考えからメンタル的に楽になれるということです。
Esportsはメンタルが最も大事だと言われます。これは紛れもない事実であり、選手達もサポーター陣も大会の時にもっとも気遣わなければいけない点だとも言えます。
実際、皆さんが普段経験するランクでもイケイケの気分の時のほうがポイントが盛れていたりすると思いますし、メンタルが悪い状態だとどんどん悪い方向へもつれ込んでいくという経験があるかと思います。
中ムーブと違って低い順位でもキルが取れていればそれは次のマッチへの布石となり、確実にポイントを取れていることによる安心感をもたらし次のマッチへの切り替えとなる。これがプレイヤーにとってどれだけ大きな影響を及ぼすかは想像に難くないかと思います。
実際もしランクマッチのシステムで6キル15位で5位相当のポイントがもらえるのであればほとんどのユーザーはキルムーブに変えることでしょう(笑)
最後に
さて、ここまで外ムーブと中ムーブの違いや外ムーブの考え方について話してきましたがいかがでしょうか。
今回のnoteは完全思い付きの暇つぶしとして書いているため次回があるかどうかは未定です。
しかしながら、チームによって考えていることがこんなにも違うのかと感じてもらえたら自分としてはとてもうれしく思いますし、あそこのチームは序盤で死ぬけど毎回キル持ってるからそういう意味では安定しているよなって思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思っています。
最後になりますが FC Destroy を応援して頂いているファンの皆様方、また一個人としてsiglussを応援してくださっているファンの皆様方この場をお借りして最大限の感謝を申し上げます。いつも本当にありがとうございます。皆様の声援は選手の、そしてもちろん自分の背中をいつも押してくれています!これからもチームとして、個人として精一杯頑張っていきますのでぜひ今後ともよろしくお願い致します!
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