学びあいを導入してできたこと/できないこと

学校で専門的な分野を教える仕事をしています。4月に入り、担当する学級や教科が変わったことをきっかけに、学び合いを導入した授業を始めました。2か月経ってできたこと・できないことを振り返ってみたいと思います。

【できたこと】
・1時間で演習・答え合わせ・まとめを行えるような課題を用意できるようになった。
・自発的な生徒とそうでない生徒をはっきりと見分けられるようになった。それに応じて、○か△かくらいの、とても簡単な評価記録をとれるようになった。
・自発的でない、と思える生徒が1人まで減った。(勉強は嫌いだけど周りとお話をしたい生徒は、だいたい課題に対して取り組めている。)
・生徒一人に対して教えるのでなく、クラス全体へのアドバイスを行えるようになった。
・生徒のネームプレートを活用して、個人がどこまでできたか、できないかを把握するようになった。
・辛抱強く待つことで、自発的でない、かつ孤立しがちな生徒に対して、教えに行く生徒が現れるようになった。
・「みんなで教えあう、みんなで解決する」重要性を伝えるようになった。たとえそれが一部の生徒にしか伝わらずとも、伝わった事実があるというだけで成功だと思えるようになった。
・生徒に任せることで、自分自身の「教える」という過度なプレッシャーが減衰した。無責任ではなく、ほどよい塩梅で。

【できないこと/やっていないこと】
・タブレットやホワイトボード、黒板を生徒に使わせていない。(他者へ教えるのに際して、このような道具を使わせると効果的だと思っている。しかし、そうなると良い使い方を導いてやる説明と時間が必要だ。)
・グループがいつもと同じ集まりになってしまう。(こちらでグループ分けすれば解決できるだろう。)
・「どこが分からない?」「ヒントは○○」「ここは△△参照」といった、先生みたいな感じでアドバイスする生徒がなかなか出現しない。(「伝え方」「教え方」の良い例をこちらから提示した方が良いのだろう。)(こんな生徒を3割くらいつくれば、自分も楽して授業できるだろうなあと思う。)
・答え合わせをした際の、生徒の達成感がどれくらいのものなのかいまいち把握できない。(正解したことをもっとオーバーに認めてやるとよいのかもしれない。)
・答え合わせの時に、「なぜこの答えになったのか?」と質問を投げかけると、沈黙する生徒がけっこういる。(本当に理解している生徒はごくわずか。正解の過程を説明できる者は更に少ない。過程を文章化させることを課題にすれば良いのかもしれない。しかし過程を文章化させたとして、周りの答えをばれない程度に自分の答えとして書き写す輩が出ることは間違いない。その輩に対してはどう対処したらよいのだろう?学びあいを始める前に、一人の答えを書き込ませるようにしたらよいのだろうか。しかしそうすると白紙でただ時間を過ごす輩が出現するだろう。)
・課題に対する評価を貯めて引き延ばして、1回きりしかやっていない。(毎回の授業で評価するのがめんどくさいのです。だけど毎回の授業で評価した方が良いのだろうな…。○付け・点数化・自己評価までさせて回収すれば、評価しやすくなるのかもしれない。)
・演習に対する観点別評価ができていない。(各問題を解くことが「思考・判断・表現」につながるのか?「技能」につながるのか?明確に区分していない。)

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