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サザンオールスターズ ほぼほぼ年越しライブ 2020「Keep Smilin'~皆さん、お疲れ様でした!! 嵐を呼ぶマンピー!!~」

サザンオールスターズの年越しライブ見ました!
サザンにとっては久しぶりの年越しライブを、このコロナ禍の中で無観客配信ライブという形で届けてくれました。

私は中学生の頃からのサザンファン。
名盤「Southern All Stars」を初回限定で購入してから、アルバムも欠かさずチェックしていますし、壮絶なチケット争奪戦の中、何とか2回現地でも見ました。

昨年、困難を極めたコロナ禍の中で、エンターテインメント業界は危機に陥りました。
数々のコンサート、イベントが中止。ライブハウスは次々と経営危機に。
そんな最中の2020年6月、サザンが業界に、困難に直面している人々に向けて、一つのメッセージとして無観客配信ライブを実施してくれました。

当日は6/25。デビュー記念日でしたが、平日でした。
私はあろうことか、忙しい中見るのは困難と思い、チケットを買わずに断念することにしました。
しかし!配信ライブには「見逃し配信」がある事を後で知り、大いに後悔…。
後日放送されたNHKのドキュメンタリーは見ましたが、円盤になることを心から待ちたいと思います。

その後、サザンが年越しライブを開催してくれることがアナウンスされ、6月の悔しい思いを胸にこのライブを楽しみにしてきました。
大晦日は体調があまり良くなかったため、年越し前に寝てしまいましたが、年が明けてから見逃し配信で堪能しました。
画面の中とは言え、いつもの楽しくてお祭り騒ぎなサザンのライブ。その様子をまとめてみたいと思います。

オリンピックイヤー希望のアンセム「東京VICTORY」

見逃し配信の画面から再生ボタンを押すと、早速真っ暗な会場が映し出され、ライブの注意事項を伝える影ナレが。
配信ライブとは言え、臨場感が高まります。
いよいよサザンの登場!…と思いきや、画面は何故かお茶の間に。
こたつに入ってのんびりするメンバー。桑田さん、松田さん、原坊、ムクさん。何故か毛ガニさんがいない。
すると、「ケーガーニーツ」のリュックを背負った毛ガニさんが登場!
リュックを開けると煙が立ち込め、「マンピー」の言葉と共に画面はライブ会場、横浜アリーナへ!

レニーハートさんの呼び込み高らかに、サザンのメンバーがステージに登場!
舞台下手から駆け込んでくるメンバー、サポートメンバーの面々。いつも通りの光景です。
そしてオープニングナンバー「ふたりだけのパーティ」「My Forplay Music」と懐かしい曲が続きます。
40年以上に及ぶキャリアの中で、数えきれないほどあるサザンのナンバー。
ライブでは年代を飛び越え、様々な時代の曲を演奏してくれます。

そして3曲目。ビジョンには国立競技場が映り、あの我々の心をを鼓舞する歌声から始まる「東京VICTORY」。

昨年開催される筈だった東京オリンピック。その開催が決まった頃に発表されたこの曲。
オリンピックへの期待が込められた曲ですが、今は亡き愛する人への想いや、被災地への想いもメッセージとして込められています。
メンバーを始め、会場にいるスタッフ、そして画面の向こうのライブを楽しむファンも、この時は皆、右の拳を振り上げ、一斉にあのメロディを歌う。
「We got the victory!」この困難な1年を憂いながらも、コロナ禍に打ち勝つため、皆で拳を挙げて歌う。その強いメッセージに涙が浮かびました。

そして桑田さんのMC。
メンバー、スタッフを代表して、桑田さんが医療従事者やエッセンシャルワーカーへ向けて感謝を述べてくれました。
そして、横浜アリーナへ帰ってきた喜び。来年こそ素晴らしい年を迎えられますように、というメッセージ。いつもは冗談半分のMCですが、今日のメッセージは心に響きます。

年を重ねるごとに響く「Ya Ya(あの時代を忘れない)」

MCの後は懐かしい曲のオンパレード。
「いとしのフィート」初期の曲はロック色が強い。桑田さんのルーツを感じることができる曲ですが、まさか「恋するマンスリーデイ」を演るとは!

「あっという間の夢のTONIGHT」。アルバム「人気者で行こう」は大好きなので嬉しい!サウンドも軽快で、おしゃれにブラッシュアップされている!

「君だけに夢をもう一度」学生時代によく聞いた曲で懐かしい!最近あまり聞かないな、と思って調べたら、アルバム「世に万葉の花が咲くなり」を最近聞いていなかったことに気づく。小林武史氏が参加しているアルバムですが、どちらかといえば「Southern All Stars」の方が好きなんですよね。

「夜風のオン・ザ・ビーチ」おしゃれな曲ですが、アルバム「ステレオ太陽族」を聞いていない!長年ファンをやっていても、意表を突く選曲をしてくる。今やサザンの曲はサブスクリプションでも配信されているので、きちんとチェックせねば。

そして、こちらも大好きなアルバム「KIller Street」に収録されている「LONELY WOMAN」。切ない歌詞が沁みる。

すると、次に聞こえてきたのはあの静かなギターリフ。
このライブ中盤に珠玉のバラード「Ya Ya(あの時代を忘れない)」。

昔から何度も聴いてきた曲。観に行ったライブではラストを飾ったこともありました。
しかし今聞くと、今まで過ごしてきた時間が心の中に浮かび、自然と目に涙が浮かんできました。

過ぎ去った日々はいい思い出だけど、美しい記憶として残っている。
帰らぬ思い出、Time Goes By。
もう一度だけ会えたら、いつの日にかまた。

観客席にセットされたスポットライトが青い光を真上に照らし、光の柱を何本も作り出す。
幻想的な空間の中、紡ぎだされる切ないバラード。
名曲は変わらず残りますが、受け取る自身の時間は少しずつ過ぎてゆく。
年と共に、心の中への響き方が変わってくることを知りました。

曲が終わったところでMC。ライブ中盤のMCはいつも通りメンバー紹介。
かつては桑田さんに紹介されたメンバーが一言コメントする流れでしたが、今回はギターの斎藤誠さんのリフからジャムが始まり、フレーズに合わせてメンバーがソロ回し。
途中、毛ガニさんがコンガをプレイ中に蝿が鬱陶しく、最終的にハエ叩きを振り回しながら退場する一面も。

メンバー紹介が終わると、「次の曲なんだっけ?」とメンバーに聞いて回るも、全員「オレ」としか答えない。どんなネタなんだろう?と思ったところ、「オレ…思い出した。それやろう」と、意外すぎる曲が始まったのです。

まさかの選曲!「愛は花のように(Ole!)」

オレ。確かにOle!です。これには意表を突かれた!
アルバム「Southern All Stars」の2曲目に収録されている、「愛は花のように(Ole!)」。
全編スペイン語。確か当時、生命保険会社のCM曲だった記憶がありますが、そのメロディラインと、耳馴染みないスペイン語のフレーズが子供心にカッコ良かった。

この頃、桑田さんは自身の初監督映画「稲村ジェーン」を準備していました。
この曲も当然映画に登場し、その後に発売されたサントラにも収録されています。
ただ、映画の興行成績は振るわず、驚くことにソフト化されたのはVHSのビデオのみ。
(レーザーディスクもあるかもしれません。いずれにせよ、今の若い人には「??」なメディアですね)
未だサブスクリプションはおろか、DVDにもなっていないようです。何度か観た記憶はありますが、今観ると当時とは違った気持ちになれると思うので、もう一度観てみたいのですが…。

当然、この曲もライブで聴いた記憶がありません。アルバムが発売された当初の年越しライブで聴いたぐらいでしょうか。(当時は、サザンの年越しライブが地上波で放送されていた)約30年近い時を超え、まさかこのタイミングで聞くことができるとは、なんと嬉しい驚き!

次の曲は「走れ!!トーキョー・タウン」。これは聞いたことないな…と調べたら、なんと「匂艶 THE NIGHT CLUB」のカップリング。かつての日産の車「パルサー」のCM曲だそうです。これは記憶にない…。しかし楽曲は手に入るようなのでチェックせねば。
そして「世界の屋根を撃つ雨のリズム」こちらはシングル「BLUE HEAVEN」のカップリング。BLUE HEAVENは大好きな曲のひとつですが、シングルまでチェックしていなかった…。
この2曲は意表をつく、というよりはかなりマニアックな選曲。完全に狙っているとしか考えられません。でもカッコいい…。

続いてエレピのアルペジオに乗って聞こえてきたのは、「栄光の男」。
2013年、約5年の沈黙を経て発表されたシングル「ピースとハイライト」に収録。
この時の復活ライブは、同じ職場で働いていた方に助けてもらい、灼熱の日産スタジアムへ観に行きました。
アリーナのかなり前の席で堪能できた、最高の思い出です。

長嶋茂雄の引退に思いを馳せつつ、現代を生きる我々への応援歌。
「居酒屋の小部屋で 酔ったふりしてさ 足が触れたのは わざとだよ」という歌詞が、お茶目な面と悲哀を感じさせてくれて好きです。

そして、アルバム「葡萄」に収録された「はっぴいえんど」。
お互いを信頼し、長年連れ添ってきたパートナーへ向けたラブソング。このアルバムの中でも好きななナンバーです。

好きなミディアムテンポの曲が2曲続き、続いて聞こえてきたのは「LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜」。
もうすっかりライブではお馴染みの人気曲。
歌詞に出てくるデートコースは、ちゃんと桑田さんが下調べして歌詞に盛り込んだもの。
私も以前、横浜の山下公園付近から乗った海上バスの中で「マリンルージュ」という言葉を見つけただけで嬉しかったものです。
印象的だったのは、歌う桑田さんがステージを端から端まで歩き回り、無観客のスタンドに向かってずっと手を振っているのです。まるでいつものライブのように。

パッションとエロティシズム溢れるクライマックス!

ミディアムテンポな曲が続いてテンションが落ち着いてきたところで、聴いたことのないシャッフルのおしゃれなナンバーが流れ出した。
テロップは「ボディスペシャルⅡ」。まさか!?こんなお洒落なアレンジを用意していたとは!
しかもメロディがうまくシャッフルのリズムに合い、原曲とはまったく違った趣を見せる。
いつもの掛け声もうまくリズムに合って気持ちいい。
このままずっとこのアレンジなのかな?と思いきや急にワンコーラスで曲が止まり、斎藤誠さんがあのお馴染みのリフを弾き始める。
2番はいつものハイテンションでストレートなロック。イントロからいつもの掛け声「Wow Wow!」

この曲が始まったという事は、いよいよライブがクライマックスを迎えたことを意味します。
今回はどんなボルテージの高い曲が飛び出すのか!?

「ボディスペシャルⅡ」は何といってもコール&レスポンス。
踊ろうよボディスペシャル! Oh! Yeah!!
前半の秀逸なアレンジも相まって、テンションが徐々にヒートアップしていきます。

するとステージは暗転。不気味さをも感じるサウンドにリズム付き、テンポが高まってゆく。
そして始まる、あのイントロ。懐かしい「エロティカセブン」!
なんと、イントロとともにボンテージ姿のダンサーが宙を浮いている!ワイヤーアクションに度肝を抜かれた!
クライマックスの盛り上がる曲には、エッチな衣装のダンサーのお姉さんがつきもの。
これがなければサザンのライブじゃない!
でも、まさかワイヤーで宙に浮くとは!

エロティカセブンは1993年の大ヒットナンバー。
でも何故か、あまりライブで披露されることがなく、今回のライブでもかなり久しぶり。
私の思い過ごしかもしれませんが、それ以外にも90年代に次々とヒットを飛ばした曲は最近のライブではあまり演ってくれない気がします。それもあって、自分の中ではかなり意外でした。

エロ繋がりで次は何か?とワクワクしていると、あの強いタッチのピアノのイントロと、お姉さんのヒップダンス!
「BOHBO No,5」!
アルバム「Killer Street」に収録されているロックダンスナンバー。この曲も久々のライブ披露!
サザンライブのクライマックスは盛り上がる曲を立て続けに演ってくれるのが嬉しいところですが、今回はエロ系の曲で攻める!

そして最後には、「エロの集大成」とも言えるあの曲を迎えるのです。
ライブのタイトルにもなっているのですから、聴かずには帰れません。
規則正しいベースの4分のビートに合わせて、あの重いギターリフが刻まれる。
徐々に盛り上がったところで、ドカーン!!!

「マンピーのG☆スポット」
熱いお祭り騒ぎの始まりです!!

曲が始まると同時に、観客席にまでダンサーが詰め掛け、祭り衣装で踊れや歌えの大騒ぎ。
神輿や龍まで登場して、本当にお祭りになってしまった!
ステージ後方のビジョンにはつぎつぎに勇壮な「ねぶた」が映し出され、画面狭しとおめでたい光景が繰り広げられます。

そしてその中心には桑田さん。身につけているのは、額に大きな「嵐」と書かれた豪華絢爛なハゲヅラ!
毎回趣向を凝らしたハゲヅラをかぶる桑田さん。キッカケは、今は亡き某府知事の不祥事からだったと記憶しています。その影響かはわかりませんが亀が乗っていることが多かったものの、私が観に行ったライブでは頭頂の割れ目からティッシュが取り出せるようになっていて爆笑した思い出が。

曲がクライマックスを迎える頃、バックのビジョンに「30」の文字。
「年が明けるぞ〜!」恒例となっている桑田さんの掛け声とともに、カウントダウンが始まります。本当に計算し尽くされたクライマックス!
残り10秒を切った!9、8、7、6、5、4、3、2、1…

お祭り騒ぎ真っ只中で迎える新年。毎回の光景とはいえ、いかにもサザンらしい。あまりのありがたさに、今年もいいことがありそうです。
1曲で年を跨ぎ、クライマックスもエンディングへ。

年が明けると、必ず全員で歌う「一月一日」。
「年の初めの試しとて」と歌う頃には、すっかり華やかな新年ムードに変わっていました。

今年も皆で元気に!「勝手にシンドバッド」

メンバーがステージから去ると、オープニングの寸劇が再び。
すっかり疲れて寝てしまったメンバー。毛ガニさんに至っては布団の中で寝てる!
桑田さんがみんなを起こすと、毛ガニさんが思い出したかのように「ほらほら、アンコールが始まるよ」と、角に置かれた古いブラウン管テレビの画面を促す。画面上にはステージが…。

すると照明がつき、メンバーがステージへ帰ってきた。
早速始まるアンコール1曲目は「希望の轍」。これも定番。聴かなければ帰れません。
実はシングルカットされていないこの曲。「稲村ジェーン」のサントラに収録されていますが、「海のYeah!」にも入っていてファンならみんな大好きな曲。
メロディラインが美しく、聞くと元気になれる曲ですね。

続いてホーンのイントロが流れ、「夕方 HOLD ON ME」。
アルバム「人気者で行こう」からのナンバー。
この曲は本当に好き。そもそもこのアルバムが好きなのですが。
ゆっくり流れるビートに乗せて、歌詞の韻の踏み方とか、「夕方」、「相方」という言葉遊びもおしゃれ。

「人気者で行こう」は名盤中の名盤ですよね。
「ミス・ブランニュー・デイ」に始まり、「あっという間の夢のTONIGHT」、「シャボン」、「海」、「メリケン情緒は涙のカラー」などなど。1984年発売ですが、今聞いても決して色褪せない。サウンドは80年代でも、曲そのものが色褪せないのだと思います。本人が好きなのか、やはりファンの人気が未だに高いのか、桑田さんは今でもこのアルバムの曲をよくライブでチョイスします。

そして、ライブの最後を飾るべく流れてきたサンバのリズム。
観客がいなくても、いつものコール&レスポンス。ライブを視聴している人なら必ずレスポンスを返したはず。
そしてその流れで全員で歌い出すイントロ。「♪ラララ~ララララララ~♪」
再び客席とステージにダンサーが押し寄せ、お祭り騒ぎのラストナンバー「勝手にシンドバッド」!
言わずと知れたサザンのデビュー曲。世代を超えて愛され、2018年の紅白歌合戦の夢のようなパフォーマンスも記憶に新しいところ。

とにかく元気になれる、底抜けに楽しい曲!歌詞の意味など関係なく、グルーヴのうねりに身を任せ、サビで「今何時?」と叫ぶ。それだけで楽しい。
ライブのラストにはバラードが多いサザンのライブですが、今年も続くであろうコロナ禍の中で開催された無観客配信ライブ。やっぱり最後は楽しく、今年も元気に過ごしてほしいというメッセージが曲に込められていたと思います。

お祭り騒ぎでド派手なラストナンバー。2時間強のライブが幕を閉じました。
その中心で歌い続けた桑田さんが叫ぶ!「音楽は負けないからな!!」
ライブが終わると、全国6か所から大きな花火が何発も打ち上がる映像へ。
昨年の夏ほとんど見ることができなかった花火を、たくさんの想いと願いを乗せてみんなで見守るエンディングでした。

総括

無観客配信ライブでありながら、いつものサザンのライブのスケール感は損なわず、本当に楽しめたライブでした。

桑田さんをはじめメンバーが元気そうで何より。
昨年、ドラムの松田弘さんの怪我の報道がありましたが、当日は元気な姿を見せてくれました。

セットリストはかなり珍しい曲を揃えてきた印象です。
定番の「ミス・ブランニュー・デイ」や「YOU」、「みんなのうた」など今回は演らず。前回演ったからだと思いますが、その分なかなかライブで聴けない曲が多く、これはこれでファンにはたまらなかった。

そして、MCでは医療従事者やエッセンシャルワーカーへのねぎらいの言葉もあり、改めて特別な1年の特別なライブであることを認識しました。
それでも、オーディエンスのいないスタンドやアリーナへ向けて手を振る桑田さんの姿が印象的でした。もちろん、バンドメンバーもダンサーの皆さんも、視聴してくれるファンを楽しませようとする気持ちがパフォーマンスに現れていました。

日産スタジアムでのライブですらチケット入手困難なサザンのライブですから、観客を入れてのライブはまだ先の話かもしれません。でも、いつかはコロナ禍も去り、広い会場で全員が声を上げてライブを楽しめる日が来ることを願っています。

そして、今年のサザンの活動はどうなるのでしょう?
マイペースに活動してほしいものですが、そろそろ新曲が聞きたいところですね。

※画像は公式Twitterより。

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