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今までの苦労が実った!ガスリー初優勝

2020年 F1イタリアGP。
アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー初優勝!
素晴らしいグランプリ。こんなに興奮したのは久しぶりだ。

レース中盤、ルクレールの大クラッシュにより、タイヤバリア修復のため赤旗中断。
しかし、その直前にガスリーはタイヤ交換に入っていた。
彼にとって、最大のラッキーはここだった。

そして、ピットウィンドウが明ける前にピットインしてしまったハミルトンに、10秒ストップ&ゴーのペナルティ。
赤旗中断明けで、各車団子状態のままのペナルティは、彼の優勝の可能性が無くなることを意味する。
しかし、今年のハミルトンには正直誰も叶わない。
果たして、誰が勝つのか!?

優勝への試金石は、誰よりも早くピットインしたガスリーと、今日メルセデスの次に速かったマクラーレン勢。その中でもカルロス・サインツはグリッドもよかったし、赤旗前はハミルトンをずっと追っていた。

赤旗明けスタンディングスタートから、「俺はガスリーを追いたいんだ!」と粘るライコネンを料理したサインツ。
早くもガスリーvsサインツの様相。
両者のタイムは遜色ないが、毎周若干サインツの方が速い。じわじわと追い詰められ、ラスト2周になるころには、DRS圏内に迫る勢い。

そして、ファイナルラップ。
コーナーで速いガスリーと、ストレートで近づくサインツ。
最終コーナー”パラボリカ”。どちらが速いか?ガスリーか、サインツか!??

差は1秒ないところまで追いつめたサインツ。
しかし、チェッカーフラッグを先頭で受けたのは白いマシン。ガスリーが逃げ切った!

中位~下位チームのアルファタウリが優勝するのは奇跡的。
2008年、前身であるトロロッソ時代に同じモンツァを雨の中征したベッテル以来の優勝。
あの時はベッテルとチームが天候を読み、金曜日から走り込んで掴んだ優勝だった。今回もチームとガスリーが一体となって頑張ってきた証だと思う。

個人的に、ガスリーの事はずっと応援してきた。
F1の下のカテゴリー、F2でチャンピオンを獲ったにも関わらず、F1にシートがなく、日本のスーパーフォーミュラへ活路を見出した2017年。
TEAM MUGENで1からのスタート。周りはF1経験者もいたり、何年も同じシリーズを闘ってきたベテラン揃い。その中で、日本のサーキット未経験のフランスの若者がどれだけできるか。

しかし、彼の才能は凄かった。
ドライバーとしての才能だけでなく、チームとコミュニケーションを取り、より自分に有利に、勝てるチームへと変えていった。
ガスリーひとりの力ではなく、担当エンジニアや、メカニックに至るまで、徐々にチームがひとつになっていく。
夏のもてぎの優勝から、チャンピオン争いの流れはガスリーへ傾いていった。

最終戦鈴鹿。
台風の接近により、大会は中止。
思わぬ形で、タイトルがその手からすり抜けていった。

しかし、その年からトロロッソでF1デビュー。
次の年、ホンダのPUを搭載した同チームで本格参戦。
バーレーンGPで4位入賞。その才能は疑う余地がなかった。

予定調和のように、次の年にレッドブルへ”昇格”。
しかし、プレシーズンテストでクラッシュ。そこから、今までの好調がウソのように、ガタガタと何かが崩れ始める。
そして、シーズン中盤の交代劇。アルボンと交代する形で、トロロッソへ”降格”。
車が合わなかったのか?ナーバスになりすぎていたのか?と散々な言われよう。

そんな中、幼少時代から切磋琢磨してきたルクレールはフェラーリでどんどん活躍してゆく。
そして、ベルギーでの親友ユベールの死…。

様々なことがあった中で、ようやく巡ってきたチャンス。
それを見事に掴み、最高の活躍をして見せた!

またシーズン途中の”昇格”があるかはわからない。
来年のシートもどちらになるか。
でも、この優勝のインパクトはすごい!
レッドブルのドライバーマネジメントを務める、ヘルムート・マルコが彼をレッドブルに乗せなくても、ここがチャンスと他のチームもオファーをしてくる可能性もある。
メルセデスに彼が乗って、ハミルトン、フェルスタッペンとチャンピオン争いを演じたら、マルコの顔は青ざめるだろうな…。
そんなことを考えつつ、やっぱりガスリーはレッドブルに乗って勝つところを見たい。

本当に久しぶりに、興奮したグランプリだった。

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