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【WBC 2023】準々決勝 日本vsイタリアを振り返る

WBC(World Bassball Classic)2023。
1次ラウンド4試合を終え、日本はプールB首位通過。
準々決勝はプールAを2位で勝ち上がったイタリアが相手です。

ここから、負けたら終わりの一発勝負。
相手はまたもヨーロッパの国ですが、半分はイタリア系アメリカ人で構成されているチーム。
現役メジャーリーガーも多数名を連ねます。

監督は、1995年に野茂英雄さんが契約したドジャースの正捕手だった、マイク・ピアザ。
日本のみならず全米を注目させた、野茂のトルネードをバッターボックスで受けていた「女房役」。
久々に聞いた名前ですが、自身も第1回のWBCに選手として出場しています。

また、チームにはエンジェルスで大谷とチームメイトのフレッチャーも。
兄弟で代表に選ばれたようで、エンジェルスに所属し、大谷と仲良しなのはお兄さんの方だそうで。

つまり、いよいよ現役メジャーリーガーを擁するチームと一騎打ちがスタートするわけです。
大谷やダルビッシュ、吉田正尚や今回残念ながら辞退となった鈴木誠也は、その実力を買われてメジャーへ移籍していきましたが、それ以外の国内組は今メジャーの選手と対戦してどれぐらいの実力なのか?
今はシーズン前。ヌートバーをはじめとするメジャーリーガーにとっては自チームのポジション争いに、そして国内で活躍する代表選手にとってもメジャーの各球団へのアピールの場になるでしょう。

でも、それ以前に負けたら終わりなのですから、至上命題は試合に勝つこと。
その上でマイアミ行きの切符を奪取することです。
先発はこの大一番で大谷翔平を抜擢。どのような試合になるか?

大谷が吠えた!最速164キロの剛速球でイタリア打線を圧倒!

大谷が満を持してマウンドへ。
静まり返った東京ドームに、大谷の雄たけびと共に剛速球がキャッチャー甲斐のミットへ!
序盤から164キロをマークし、ドーム中がどよめく。

勝っても負けても、大谷翔平のピッチングを日本で見られるのは、今大会ではこの試合が最後。
メジャーリーグで超人的な記録を次々打ち立て、スポーツニュースでその名を聞かない日はないんじゃないか?と思えるぐらい大活躍している大谷。
東京ドームでそのピッチングを見られるのは本当に嬉しいことだし、いつもテレビで見ているままの迫力のピッチングに驚く。

この日も、速球や変化球は申し分なし。
バッターを次々とゴロに打ち取ってゆく。

1回裏。
イタリアの先発、カステラーニも負けてはいない。
1次ラウンドでは初回から猛攻を見せた侍ジャパンも、カステラーニの好投に沈黙。
3回までお互い0行進が続く。

東京ドームで魅せた!ジャイアンツの主砲、岡本和真!

3回裏。
イタリアのピッチャー交代。カステラーニに代わってラソーラへ。
近藤健介がフォアボールを選んで1塁。
迎えるバッターは大谷。第1打席はショートライナーに終わったが、この回は長打が出るか?
皆が期待しながらバッターボックスに注目する。

ところが大谷、ラソーラが放ったボールを、なんとセーフティバント!
あの大谷がバント!?? 
自身の判断なのかベンチからのサインだったのかはわからないが、主砲のひとりである大谷のバントに見る者すべてが驚いた!

でも、いちばん驚いたのはイタリア代表。
すっかりペースを乱され、一塁への送球があらぬ方向へ!
おかげで近藤が3塁へ。
なんという意表を突いた大胆なプレー!

続く吉田はショートゴロに終わるが、その間に1点が入り侍ジャパン先制。
村上はフォアボールを選んで、ランナーは再び1-3塁。

ここで6番岡本。
ジャイアンツの本拠地、東京ドームで何度も活躍を見せてきたが、WBCでは目立った活躍はない。
しかし、ジャイアンツの主砲のバットがここで火を噴いた!

ラソーラの外角にフワッと浮いた球をしっかり捉えた!
打球はそのままレフトスタンドへ。
イタリアを引き離す、値千金の3ランホームラン!!

まるで巨人戦を見ているよう。
満員の東京ドームで岡本が勝利を手繰り寄せる劇的な一打!

しかし5回表。大谷が崩れる。
デッドボールを2回も出してしまい、満塁のピンチで3番のドミニク・フレッチャーにタイムリーを献上。2点を失う。
球数制限は1次ラウンドから増えているものの、ここで栗山監督は大谷をあきらめる。
のこり一人を託されたのは伊藤大海。
ランナー1-3塁のピンチをしっかり抑える活躍を見せた。

村上覚醒!岡本とアベック打で引き離す!

5回裏。
この回先頭の大谷がフォアボールを選び、4番吉田がデッドボールを受けてランナー1-2塁。

ここで5番の村上。相手もピッチャーを代えて挑む。
ヒットこそ出たものの、打点に結び付いていない村上。
大谷と並び、昨年はスポーツニュースでその名を聞かない日はないのではないかと思える活躍だった村上。日本中が心配しながら見守る打席。

すると、ようやくその声にバットで応える!
相手のストレートをとらえ、センターへのフェンス直撃。
値千金のタイムリーで2点追加!

東京ドーム中に響き渡る大歓声!
打った本人も、侍ジャパンのベンチも全員でガッツポーズ!
ずっと顔色が険しかった村上の表情がようやく緩んだ瞬間でもあった。

攻撃はこれで終わらない。
続く岡本。前打席に続いて今度はライトのフェンス直撃となるタイムリーツーベース!
今日の殊勲は岡本!2打席連続安打で、打点5の大活躍!!
これからの闘いはもちろん、今シーズンも楽しみだ!

全員が文句なしの好投!超豪華な投手リレー

6回からピッチャーは今永へ。
前回の投球も申し分なかったが、今回も好調そのもの。
この回に2三振をマークして完全に抑えた。

続く7回には、大方の予想通りダルビッシュがマウンドへ。
今永、ダルビッシュとも本来は先発投手。この継投がファンからすると豪華であり、贅沢な継投。この回は上手く3人をゴロに打たせて仕留める。

7回裏。
この日4番に座った吉田正尚のバットが火を吹く!
この回先頭にもかかわらず特大アーチ。
昨年の日本シリーズを彷彿とさせる豪快弾だった。

この回の注目はもう一人。
右手小指を骨折したにもかかわらず、この日先発で出場した源田。
もちろん右手小指はテーピングでガッチリ固定。
バットのグリップエンドも少しでも力が入るようにテーピングを施しての打席。

右手を負傷しているにもかかわらず、今日のフィールディングはいつも通り軽快。
普段から西武ライオンズの試合をちゃんと見ている訳ではないので、これがいつも通りのことなのかはわからない。
それでも本来のコンディションではないのだから、しっかり打てる保証はない。

しかし、そんな心配を吹き飛ばす痛快なタイムリー!
ちょっと浮いた球をしっかりミートさせ、文句なしのヒット。
これで9点目。

8回表。7回に続いてダルビッシュがマウンドへ。
しかし急に捕まってしまう。
3番のドミニク・フレッチャーに甘い球を捉えられ、レフトスタンドへ運ばれてしまう。
しかしソロ弾だったことが幸いし、最小失点で抑えることができた。

9回に登場したのは大勢。
東京ドームではいつもの光景。メジャーリーガーを擁するイタリア打線にも物怖じせず、いつも通りのピッチングでしっかり3人を抑えてゲームセット。

負けたら終わりというプレッシャーの中、見事な試合運びでイタリアに快勝!
東京ドームでの試合を全勝で終えた。

舞台はマイアミへ。世界一を賭けた2日間が始まる

準決勝からはいよいよアメリカでの試合となる。
過去2大会、東京ドームを勝ち上がってアメリカでの決戦に挑んだが、ことごとく涙を飲んだ。
3度目の正直。準決勝を勝ち上がったら、次の日にはすぐに決勝が待っている。
世界一奪回を賭けた2連戦。どのような戦いを見せてくれるのか?

侍ジャパンのメンバーは、準々決勝が行われたその夜、チャーター機でフロリダへ。
ヌートバーは試合前の掛け声の通り、機内で祝勝会をする気満々だったようで、「なんでみんなこんなに静かなんだ?」と不思議がったそうだが、あの熱い試合直後に直行するのだからそれは仕方ない。
マイアミではコンディションを整え、早速練習を行なっているようだ。

さて、気になるのは準決勝の相手。
3/18に準決勝の会場であるローンデポ・パークにて、準々決勝3試合目のメキシコvsプエルトリコが行われた。

メキシコはプールCを首位で通過。
前回優勝のアメリカに大賞して勝ち上がってきた。
プエルトリコはプールD2位。
2013年のWBC。東京ラウンドを勝ち上がってアメリカにやってきた侍ジャパンの前に立ちはだかった相手。結果は3-1で日本が悔し涙を飲んだ。
しかし、そんなプエルトリコも決勝でドミニカに敗れて準優勝。
2017年大会も決勝でアメリカに敗れて準優勝だった。

試合はプエルトリコが先制して突き放すも、7回にメキシコが大逆転。
そのまま抑えてメキシコの勝利。
かくして、侍ジャパンの次の相手はメキシコに決まった。

メキシコも野球強豪国の1つ。
自国リーグはあるものの、代表にはメジャーで活躍する選手がほとんど名を連ねる。
いよいよスタメン全員がメジャーリーガーのチームと戦うことになった。

試合を見てみると、投手も打者もパワフル。
しかも日本同様、ピッチャーのレベルが高い。
準決勝は最初から最後まで緊張感が続く投手戦になるかもしれない。
上手く点を取って逃げ切れるかが鍵を握る。

先発は大谷のチームメイトであるサンドバルが濃厚。
普段から大谷と共に練習する仲間。情報は豊富にあると思われるが、それだけで打ち崩せるのかはわからない。

対する日本は佐々木朗希の先発が濃厚。
初めてのアメリカのマウンド。どんな投球を見せてくれるのかが楽しみだ。
そして、その後に続くリリーフ陣もどのようなメンバーを揃えてくるかも目が離せない。

試合は3/21。日本時間の朝8時からプレイボール。
朝早いとはいえ祝日なのがありがたい。
朝から野球漬けの日本列島。どのような1日になるのか楽しみだ。

タイトル画像はジャイアンツ公式Twitterより。
我がジャイアンツの主砲、岡本の大活躍が光った試合でした。
東京ドームでの大アーチ。思わずテレビの前で「ビバ!ジャイアンツ」を歌ってしまいました…。
フロリダでも大活躍して金星を上げて欲しいですが、その後に迫った今シーズンにも大いに期待しています!

【お知らせ】
WBC2023の記事をたくさんの方に読んでいただき、ありがとうございます。
過去の記事をまとめるために、新たに「スポーツを語る」マガジンを作りました。
WBC1次ラウンドの記事はもちろん、昨年のサッカーW杯、アントニオ猪木さんの追悼記事や武藤敬司さんの引退についての記事も書きましたので、併せて読んでいただけると嬉しいです。


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