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「おげんさんといっしょ」「サブスク堂」感想とまとめ(サブスク堂多め)

「おげんさんといっしょ」毎回楽しみにしています。
音楽好きなら恐らくみんな好きな番組でしょう。
年1回の放送というのがもったいないぐらい。

おげんさん(星野源)、おとうさん(高畑充希)、隆子(藤井隆)、次男の大ちゃん(三浦大知)とパペットのねずみ(cv.宮野真守)が、ユルく音楽で楽しむ番組です。
長男は細野晴臣さん。1回目に出演されました。

ユルいとは言え、語る内容は毎回ディープで、演奏は全て生演奏。
学生服姿のバンドマンたちが、いつも素敵な演奏を聞かせてくれます。

そんなおげんさん、今年は夏に放送。
例の新曲の影響かと思うのですが、なんと今回はスピンオフも含めたスペシャルな内容!

「おげんさんといっしょ」の放送を前に、おげんさん育ての親である豊豊(ほうほう)さん(松重豊)の店「サブスク堂」を舞台に、二人だけのディープなトークが繰り広げられた、「おげんさんのサブスク堂」が放送。
終始部屋で二人、まったりトークのみで成立した全2回のこの番組は見応えがありました。

今回はこの二つの番組を語っていきたいと思います。
まずは、2020/8/6と8/13に放送された、「おげんさんのサブスク堂」から。

おげんさんのサブスク堂

二人の音楽ルーツ

今日はゆっくり二人で音楽について語ろうと、やってきたのはおげんさんが幼少の頃過ごしたという、豊豊さん宅の一室。なんとも昭和の香りが漂う。

部屋にマリンバが。
ティン・パン・アレーに憧れてマリンバを購入、部屋に置いていたというエピソードを思い出す。が、実際他に何も置けなくなったとエピソードを語るおげんさん。

豊豊さんのルーツとなった曲は、橋幸夫さんの「恋をするなら」。
3歳の時、親にねだってレコードを買ってもらったそう。
橋幸夫さんと言えば「THE夜もヒッパレ!」によく出演されていたのを思い出す。
この曲のドーナツ盤もちゃんと用意されていて、レコードをかけるおげんさん。
45回転。なんとも懐かしい響き。年季が入ったプレイヤーはしっかり回る。

おげんさんの音楽的ルーツとして紹介したのは、Clifford Brown & Max Roachの「Cherokee」。
親が音楽好きで、幼少のころからずっとJAZZを聴いて育ったそう。

あまりスウィングせず、流れるようなグルーヴとメロディが、いかにも「星野源!」という感じで驚いた。
ちょっとPE‘Zの「AKATSUKI」にも似てる。あの曲も大好きなんだけれども。

ゆったりしたメロディの中に、ピアノでテンションとか複雑なコードが入っている曲が好きと語るとおげんさん。
「そんな子って、周りに友達ってできるの?」と豊豊さん。
予想通り、10代は寂しい想いもしたという。確かに音楽の聴き方がマニアックすぎる…。
でも、今となっては自分の表現に生きているのでよかった、と。
確かにその通り。

豊豊さんが初めて自分のお金で買った曲は、Paul McCartney & Wingsの「Silly Love Song」。
東京から引っ越してきた友達から「ビートルズはもう古い」と教えてもらい、かなり衝撃を受けたそう。
1976年の曲なので、そりゃビートルズに比べるとサウンドも変わってきているし、ポールの新たなこだわりが詰まった曲なんじゃないか、とも思う。

そこからパンクへ興味が移った豊豊さん。バンド名から悶々とした記憶も含めて語ってくれたのが、王道のSexPistols「Holidays In The Sun」。

なんとも彼ららしい曲。
私はパンクは通ってこなかったので「Anarchy In The UK」しか知らなかったが、この曲は割とポップな感じで新たな驚き。

おげんさんが次に紹介したのがユーミン。
荒井由実の「中央フリーウェイ」。
「14番目の月」というアルバムの1曲。今までシングル曲だと思っていた。
それぐらい超有名なヒット曲。中央高速を東京から乗った風景を歌っている。
メンバーはもちろん「ティン・パン」を中心とする方々…かと思いきや、調べてみるとドラムが林立夫さんじゃなかった。

当時カセットにフェイバリットソングを入れて作って…というくだりが懐かしい。
それを車でかけて女の子と…というエピソードに食いつくおげんさんだったが、逆に根掘り葉掘り聞かれそうになるというしっぺ返し。確かに、豊豊さんの「いろんな人から背中を押されている感じ」と言うのもわかる気がする。

※90年代のライブより。こちらのドラマーは林立夫さん。
 松任谷由実オフィシャルYoutubeチャンネルより。

土曜ソリトンsideB

今度は、それぞれルーツとなった映像の紹介。
豊豊さんが紹介したのが、映画「狂い咲きサンダーロード」。
音楽がPANTA & HALの「ルイーズ」。元頭脳警察のボーカルPANTAのバンド。

昔よくテレビで見たPANTA。
稲村ジェーンの映画にも出ていたが、元々はミュージシャン。

映画の中で音楽をやりたい!と思ってこの世界に入ったという豊豊さん。
映画製作もやってみたが、資金が続かずに頓挫し、俳優の道へ。

そしておげんさんが出してきたのは、矢野顕子さんと細野晴臣さんのセッション。
1995年に教育テレビで放送された、土曜ソリトンsideBの矢野顕子スペシャルより「終りの季節」。
細野さんにハマった時期があったそうで、高校の頃にこの番組を見ていたのだとか。

この映像はまさしく、星野源の歌のルーツにもなった映像だと語る。
歌は好きだけど、声も低くて歌い上げるような歌ができなかったと思っていたところで細野さんの歌を聞き、カッコよさを感じるとともに「ただ歌えばいいんだ」と気づかされたとか。
そして、実際に細野さんから「歌えばいいじゃない?」と言われて歌手の道へ。凄いエピソードだ。

この番組、私も大好きで1年間ほぼ欠かさず観ていました。
好きな回の録画がまだ残っているかも。

高野寛さん、緒川たまきさん司会の、トークあり、セッションありの番組。
流行りのメインカルチャー(A面)ではなく、その裏のサブカルチャー(B面)を中心に、ゲストを交えて語るという内容。
そのゲストのチョイスだったり、扱われるテーマだったり、「吟遊ニッポン」といったコーナーが私の琴線にどストライク。様々な影響を受けた番組でした。

矢野さんの回は、坂本龍一さん、細野晴臣さん、高橋幸宏さんの順で「YMO」のメンバーがそれぞれゲストとして登場したのを受け、満を持して登場。事前にリクエストも募った記憶が。

矢野さん回の内容はスタジオライブとトーク。
「ひとつだけ」から始まり、矢野さんの代表曲をたっぷり聴かせてくれる。
そして、貴重なトークも。
「1度だけ指の動きを矯正しようと、鍵盤にカミソリの刃を置いて練習した」というエピソードや、YMOのエピソードも。「昔のシンセサイザーたるや、桐箪笥みたいで。お嫁入りみたいな」というトークが印象に残ってます。

矢野さんはTwitterをフォローしていますが、NYと日本を行き来しながらの活動でいろんなお話を聞かせてくれます。なんというか、可愛らしい。
今も精力的に音楽活動をされていますが、細野さんとのセッションはなかなか見られない。
今から30年近く前の映像ですが、今となってはかなり貴重かも。

他にも、教授と高野さんの「夢の中で逢えるでしょう」とか、幸宏さん、鈴木慶一さんと高野さんの「LEFT BANK」など、印象に残っているセッションは多数。
細野さんと高野さんは沖縄でセッションを見せてくれました。細野さんの三線が印象的だったなぁ。

おげんさんも、この番組に対する想いを語ってくれました。
このスタイルの番組の中でも土曜ソリトンsideBを超えるものはない、と思っているが故に、いざ自分が音楽番組を作る立場になった時、違った形にしないといけない、と思ったら「おげんさん」になってしまったとのこと。
自分の中の想いが強い分、同じようなものをやると、ただのモノマネになってしまう。
でも、星野源が今の若い人も含めた様々な気になるクリエイターを招いて、深くトークする番組も見て見たいなぁ…とも思ってしまいます。

※NHKアーカイブス内の土曜ソリトンsideB紹介ページ。
放送内容などを見ることができます。
私が実際川口にあるNHKアーカイブスへ行って見たことがあるのは、「B面特集」ぐらいだったかと記憶してるのですが、一部の番組は見ることができると思います。

THE BLUE HEARTS

ここから第2夜。
おげんさんが出してきたのはTommy Flanagan Trioの「VERDANDI」。
ドラムがエルヴィン・ジョーンズ。
ブラシで高速スウィングからのドラムソロ。
このプレイに憧れて、おげんさんはドラムを始めたのだとか。
ギターのイメージがあるけど、ドラムもプレイしていたとは。そのきっかけがエルヴィン・ジョーンズというのがシブい。

ここで、豊豊さんの上京エピソードが。
パンクに目覚めた豊豊さんだったが、上京した時はモッズ族が流行。
そんな中、下北沢のラーメン屋で一緒にバイトしていたのが、甲本ヒロトさん。
後に真島昌利さんらと「THE BLUE HEARTS」を結成し、日本中を席巻することになるが、その頃はまだデビュー前だった。

しかし豊豊さん、バイト先でヒロトさんに「次のバンドは、こんなバンドじゃ」と告げられた時に「青い心?カッコ悪いなぁ!」と言い放ってしまったそう。「私ね、見る目がないのよ」と言いつつも、すごいエピソード。

甲本ヒロトさんは岡山県出身。思い出したが、先日の参院選でれいわ新選組から初当選した、浅草キッドの水道橋博士とは同級生。

ここで初期のライブ映像が。今見てもエネルギッシュだし、しっかり縦ノリ。
THE BLUE HEARTSは聞き込んではいないのですが、当時ものすごい人気で「TRAIN TRAIN」や、今でもCMで流れる「情熱の薔薇」はあの時代の一部として印象に残っています。

小劇場へ飛びこむ

トークはお互いの20代の話へ。
豊豊さんが印象に残っているのがSinead O'Connorの「Nothing Compares 2U」。
アイルランド出身の女性シンガーのヒット曲。
静かに聴かせるバラード。芝居から一度離れ、バイトに明け暮れた時に聴いた曲。
もう一度、自らの表現を見直そうと思った時に聴いた、思い出の曲なのだそう。

おげんさんも小劇場の芝居にのめり込んだ時期があり、豊豊さんの名前もよく見ていたそう。
その後、松尾スズキさんや宮藤官九郎さんの「大人計画」の門を叩くことになる。
この話は初めて聞いた。

元々、音楽と演劇を同じタイミングで始めていたおげんさん。
それぞれを別のジャンルと位置付けて活動していた。
そのうちに雑誌等で小劇場の存在を知り、観に行ってみたのが松尾スズキらの舞台。そこでカルチャーショックを受けた。

同時期に音楽でも細野さんと出会い、同じくショックを受けていたが、ある時、松尾スズキさんの先輩、宮沢章夫さんの「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」の公演でYMOの楽曲が使われている事を知る。
突き詰めてきた演劇と音楽がここで融合!計り知れないほどのショック!
しかし、ここでも語れる人がいなかった…。

宮沢章夫さんの事は、以前NHK Eテレで放送されていた「ニッポン戦後サブカルチャー史」で知りました。
これまた内容の濃い番組で、戦後の、それこそ「B面」たる文化を学ぶことができました。
六本木にあったレコード店「WAVE」の話とか、宮沢さんの語るサブカルの話が面白く、毎週夢中になって見たし、Blu-rayでも残してあるはず。
そこで紹介されていたジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」も読みました。

そんなおげんさん、20代の頃にはすでにSAKE ROCKで音楽活動を始めていた。
紹介してくれたのがMARTIN DENNYの「SAKE ROCK」。この曲がバンド名のモチーフになった事を初めて知った。
MARTIN DENNYと言えば「Fire Cracker」。
この曲を、当時世に出始めたシンセを使ってやりたい、と細野さんが仲間を集め、YMOを結成した話は有名だが、結局その流れをくんでいるのか…と納得。

愛し合ってるかい?

最後におげんさんが紹介したのが、矢野顕子さんと忌野清志郎さんの「ひとつだけ」。
あの名曲をこの二人が。これは初めて見た。

矢野さんのボーカルが印象的な曲だけど、清志郎さんのボーカルも趣があって面白い。
歌詞が染みる。「僕の事を忘れないでほしいよ...ねぇお願い」。
今は亡き清志郎さんが歌うからなおさら。

二人にとっても、清志郎さんの存在は大きい。
今ご存命なら、どんな歌を歌ってくれるんだろう?

そして豊豊さんが紹介したのが映画「EUREKA ユリイカ」。
JIM O'ROURKEの「Eureka」にインスパイアされ、青山真治監督が撮った作品。
モノクロの画像に印象的な音楽。

豊豊さんは若いころからずっと音楽と芝居、映像がうまく融合された作品が好きで、ずっと追い続けてきたという事がよくわかる。
対するおげんさんも、様々な音楽や芝居を吸収し、今や幅広く表現する。
ミュージシャンとしても、俳優としても。
それでも、どこかサブカルの匂いが漂う感じが好きで、ずっとファンです。
そんな二人のルーツに触れることができる、濃密な番組でした。

最近の注目アーティストは?

二人の最近気になっているアーティストを、自分の備忘録の意味も込めて書きます。

豊豊さんがまず紹介したのが、Vulfmonの「How Much Do You Love Me?」。
ハスキーボイスでハイトーンの男性ボーカルが特徴的なR&B。
キーボーディストと二人のMVも登場。
キーボードもレトロなエレピで、左足でハイハット、右足でストンプボックスを踏む器用さ。
確かに、グルーヴィでハートフルな曲とボーカル。


返す刀でおげんさんが紹介したのが、UMIの「wish that i could」
透き通るボーカルのアンビエントな一曲。
二人とも本当にセンスもいいし、アンテナも高い。
ずっと新たなアーティストを追い続けているんだなぁといつも感心します。


豊豊さん注目のDOMi & JD BECKの「WHATUP」。
キーボードとドラムのコンビ。キーボードのテクニックが目に付くが、サウンドもグルーヴも極めてシンプル。他の曲もとても気になる。
しかしおげんさん、NYでライブを観たという。悔しがる豊豊さん。
「喜劇」で共演したKaidi Tathamも好きなのに、いつの間にかおげんさんとコラボしていて驚いたとか。

そしてSam Gendel & Antonia Cytrynowiczの「WONDERING, WAITING」。
11歳の女の子とコラボして様々な曲を作るという面白い趣向。
女の子の声も澄んでいて素晴らしいが、様々な楽器を操るSam Gendelもとても気になる。


おげんさんといっしょ

2022/8/18に放送された、今年の「おげんさんといっしょ」
その中でも印象に残っているシーンを語ってみます。

オープニングからお洒落なセッション

スタジオには大掛かりな夏祭りのセット。
後ろには盆踊りのやぐら。
そして、バカンスにしてはだいぶ安っぽいビーチベッドでくつろぐおとうさん。

やぐらの上にはいつものミュージシャンが集合。
ドラムがカースケさんではなく、初登場のmabanuaさん。
クールでファンキーな「うちで踊ろう」をプレイした方。好きで何度も聞いた!

そしておとうさんのボーカルで披露されたのが、竹内まりあさんの「PLASTIC LOVE」。
キーボードのサウンドやギターのフレーズがクールで、夏っぽくておしゃれ!!
そしておとうさんの歌声が演奏にマッチして最高!充希さんの歌ホントに好き!!

間奏から登場した雅マモル。おとうさんとのユニゾンが綺麗!
声も最高で歌もカッコイイ。でも、いつもの見慣れた宮野真守のパフォーマンス。
安心感もあるものの、衣装とのギャップがこれまた…。

どうやら、豊豊さんは当日参加できなかった模様。
それでサブスク堂をスピンオフ番組としてやってくれるというのが嬉しかった。

豊豊さんの代わりに出演してくれたのが、おげんさんの兄、飯尾さん。
どのイントロが一番好きか?と言う談義に花が咲く。
「Nothing From Nothing」は、ポンタさんのアルバムでゴスペラーズと演った曲カヴァーが好きです。

コメディと音楽の融合も貴重な映像ばかり。
ドリフターズはビートルズ来日公演の前座も有名だが、当時のメンバーは荒井注さんだったので、志村けんさんがキーボードを演奏する姿は本当に貴重。

次男の大ちゃんをフィーチャーした、沖縄音楽特集。
「安里屋ユンタ」は坂本龍一教授のアルバムで知ったのだけれど、それ以前に細野さんがカヴァーしていたのを初めて知った。

そして朝ドラの主題歌「燦燦」おげんさんバージョン。
あのバラードの曲がまさかのレゲエアレンジ!毎朝聞く曲調と全然違うグルーヴィーな一曲に。これは新鮮!

隆子のはっちゃけっぷり

今回、隆子は夜のバイトがあるということで生放送には参加せず。
番組中盤におげんさんをバイト先に呼び出した。
そのバイトとは、NHKの「ラジオ深夜便」のパーソナリティ。

おげんさんがスタジオを覗くと、変なうめき声で緊張する隆子。
そして、オープニングテーマをなんと「歯笛」で吹きだした!!
口を半開きにし、歯と舌だけで笛の音を鳴らす驚きの特技!!!
驚き、というよりジワる!

「ロマンチックコンサート」。隆子チョイスの曲はやはり80年代。
本当に80~90年代が好きなんだなぁと思ってしまう。
しかも「プレミアム」と題して、隆子も交えて生演奏。

隆子が呼んだのは、KAKKOさん。
正体は鈴木杏樹さん。実は1990年にUKデビューしていたとか。
全く存じ上げなかったので調べてみたら、当時流行ったユーロビートのダンスナンバー。
でも今回のNightTempoさんのアレンジは当時のイメージとはちょっと違い、いい意味でユルくて、サウンドも80年代を意識した感じに。
KAKKOさんのデビューの経緯とか気になるところ満載だが、なかなか面白い観点でのコラボ。

キラキラしたスタジオの隣は、おどろおどろしい墓地。
そこにバンドも集合。
ここでいよいよ新曲「異世界混合大舞踏会(feat.おばけ)」。
メロディラインはいつもの星野源節だが、やはり軽快なグルーヴは楽しい。
MVのアニメもかわいくて印象的。初めて生演奏で見たけど、思わず体が動くグルーヴラインはやっぱりいいなぁ。

菅原小春と三浦大知とのインプロビゼーション

恒例となった、ダンスのみで魅せるコーナー。

星野源の「喜劇」が流れ、暗闇に一筋光るピンスポット。
そこに、漆黒のコート姿で現れた三浦大知。
対峙するのは、白いワンピース姿の菅原小春。
光の周りをお互い見つ合いめながら円を描く。視線が鋭い。

最初に動いたのは菅原小春。
全身を使って、機械的に、エネルギッシュに表現する。
返す刀で三浦大知。流れるような大きな動き。
お互いそれぞれの持ち味を最初から出してくる。

サビで二人同じ振り付けで踊る。
首は動かさず、ずっと視線は外さない。
全く同じ動きでも、体の動かし方が全然違う。
三浦大知はダイナミックで男性的。
対して菅原小春は繊細。肩や背中が露出しているせいもあって、より細かい動きが見て取れる。
空を見上げ、光を浴びる姿が美しい。

青い光がステージを囲み、二人語らうように同じステップを踊る。
今までの緊張感とは裏腹に、時より笑顔を見せながら、ダイナミックに舞台全体を使って表現する。
黒の長いコートと、白いスカートがお互い大きく翻る姿が美しい。

曲が終わると同時に白いピンスポットに戻り、お互いお辞儀をして終わる。
三浦大知は胸に手を当て、菅原小春はスカートを少し上げて、お互い敬意を払う。

ダイナミックなダンスのインプロビゼーション。
「対決」とも「対話」とも取れるお互いのパフォーマンスは、緊張感に包まれながらも、息をのむような美しさだった。

本当に言葉にならない。
出演者全員余韻に浸る。それほど凄く濃密な時間だった。
ただ、パフォーマンスが終わった二人の恰好のギャップが…。
菅原小春が何故かリーゼントで登場するとは…似合いすぎ。

最後の曲は、みんなで楽しく「地獄でなぜ悪い」。
ハネたリズムだがシンプルなサウンド。でも原曲に負けないほどの楽しさ。
いつもに増してバンドの演奏がすごい。地上波の生放送でここまでの演奏が聴けるのは本当に素晴らしい。

いつも音楽の楽しさをいろんな視点から教えてくれるおげんさんといっしょ。
今回も本当に楽しかった!
サブスク堂のトークが深くて夢中になってしまったけど、おげんさんもゆる~く、しかしクオリティは高く音楽の楽しさを届けてくれるので本当に好きです。
毎回思うのですが、年1回と言わず何度もやってほしい!!

タイトル画像は、星野源さん公式Twitterより使用させていただきました。
本当に楽しいおげんさん。これからももっと楽しい時間を届けてほしいです!

また、本文中のYoutubeリンクについては、集められるだけ集めました。
本当は「土曜ソリトンsideB」の映像もあればリンクを張りたいんですけどね。
権利等の問題で難しいかもしれませんが、また昨年のように再放送してほしいですね。

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おげんさんを好きな方なら、刺さる記事がある!…かも??
是非お時間がある時に、こちらもよろしくお願いします。


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