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「記録的短時間大雨」ナメてました…

2020/7/12
埼玉県西部に記録的な大雨が降り、各地に被害が出ました。

私が住む地域にも「記録的短時間大雨情報」が出て、あっという間に今まで経験したことがない雨量に。
家の前の道路に見たこともない量の水が溢れ、ゴウゴウと降り続ける雨の音にだんだん怖くなってくるほどでした。

梅雨や夏の時期に大雨が降ることで甚大な被害が出る地域もある中、どちらかと言うと「対岸の火事」のようにそのニュースを見ていたわけですが、実際経験してみるとこれほど怖いものだったとは。

「記録的短時間大雨」ナメてました…。

いい機会なので、今回経験したことを語ってみます。
災害対策の参考にしていただければと思います。

恐怖を感じるほどの雨

その日は在宅勤務でした。
18:30頃に仕事が終わる頃には、外からすごい雨の音が。 19時頃まで様子を見るも、一向に弱まる気配がありません。

私は、高齢の父親と二人暮らし。
夕食は私が作るので、スーパーへ買い物に行かなければなりません。
幸いなことにスーパーは近所。歩ける距離です。

雨が弱まる気配がないので、仕方なく濡れる覚悟で玄関を出ました。
すると…

既に道路が冠水していて身動きが取れない状況に!
このまま道に出ると、くるぶしぐらいまでは水に浸かるほどの量です。

我が家の前の道路が冠水!
※玄関先で撮影

流石に身の危険を感じ、買い物は断念。
幸い買い置きしていた冷凍食品もあり、その他冷蔵庫にあるものだけで食事を済ませました。

外はゴウゴウとすごい音で雨が降り続く。
しばしば玄関から外の様子を伺うと、道路の冠水が見たことない水位にまで達しています。 車が通ると波打ち、まるで海岸の波打ち際のよう。

私が住む地域は道路が周りの住宅よりも低い位置にあり、高い所から水が流れ落ちて道路に集中してしまうのです。
そんな地形のため、近隣の家は皆少し高い位置に建てられています。
これぞ先人の知恵。ちょっと強い夕立ちが降ると、たちまち道路が冠水してしまいますが、住居は何の被害もありません。
排水溝も整備されていて、雨が止むといつのまにか水は引いてしまう。

ただ、この日の雨はいつもの夕立ちやゲリラ豪雨とは比べものにならない量でした。
このままでは床下浸水の恐れもある。
逐一玄関に出ては水の量をチェックし、最悪浸水してきたら2階へ避難しなければならない。
その恐怖と緊張感で気が張り詰めます。

昔ドラえもんで読んだ、記録的豪雨で街が流される話を思い出しました。
夜になって雨が降り始め、あっという間に大嵐に。
道具でそれを予見していたのび太くんとドラえもんが、皆に笑われようとも庭でせっせと作っていた船に皆を乗せて、命を救うことができた、というお話。
…でも、それは船の中でのび太くんがみた夢を道具で先に見ただけだった、というオチなんですけどね。

しかし、のび太くんの夢のような大洪水になる事はなく、ある一定の量から水かさが増えることはありませんでした。
22:30頃になるとようやく雨が落ち着き、23時頃に道路の冠水が収まった!
ひと安心しましたが、実に5時間近く冠水していたことに。こんなことは初めてです。

あんなに溢れていた水はどこへやら…?

集中的に雨の降った隣の鳩山町や、大きな河川のある東松山市、そして入間川流域の地域は大丈夫だろうか?と心配になります。 台風19号の時、東松山にあるショッピングモールの1階へ浸水し、かなりの期間営業ができなかったことがありましたが…。

翌日、ニュースでは橋が落ちていたり、地滑りが発生したりとショッキングな映像が流れましたが、大きな人的被害はありませんでした。

※当日の最終報告。
家屋が被害にあった方もいらっしゃいましたが、死傷者が出なかったことが本当によかった。

メディアへの協力

こんなすごい量の雨は初めてなので、様子を見がてら、安全な場所から写真や動画を撮影していました。
そして、この記録的災害を伝えるのに一役買うことができるかもしれない、とNHKの「スクープBOX」へ動画を投稿してみることに。

しかし、アップロード失敗の警告。
4回ぐらいやって同じだったので諦めました。

しばらくすると、見たこともない携帯の番号から連絡が。
局の記者の方から問い合わせの連絡が入ったのです。

記者の方に状況を伝え、質問もありました。
放送に使うときには匿名がいいか、などなど。

その後、Twitterにも動画をアップしたところ、テレビ朝日さんからもレスで問い合わせが。
よく見る文言のレスです。遂に私のツイートにもこのレスが!

返答に迷いましたが、雨の状況は変わらないので、DMを送付して取材に協力する旨を送りました。
すぐに返事が返ってきたので、状況を伝えます。
こちらもプライバシーは守るとのこと。

その後、21時〜22時のニュースをずっと見ていましたが、結局動画は流れませんでした。
その後はチェックしていませんが、うちの地域はそこまで被害が大きくないようなので、もっと被害の大きい場所がクローズアップされるはずですし、キャスターが実際に取材に出て、中継を交えての報道が中心でした。

ようやく水がひいた頃、明日の朝の番組に使いたいと別の局からレスがつきます。
緊張感からか流石に疲れたので、水が引いたことを伝え、「鳩山市や入間川流域の方が大変だと思うので、事実を伝える報道と、もし被害が出ていた時には復旧に向けての報道をお願いしたい」とレスをするのみにしました。
つまり、お断りしたのです。
ロボットのように同じ文言のレスが帰ってきたのですが、返事はしませんでした。

局の記者は、災害情報を伝える上で素材となる映像をできるだけ多く集めることに専念します。
使えるか否かは後で選別するとして、とにかくまずは素材を集める。

ただ、今回は私が住む地域よりも、甚大な被害が出ている可能性が高い地域があるので、そちらが優先されるでしょうし、優先すべきだと思いました。
私の動画が少しでも役に立ってくれればいいのですが、もし使われなかったとしても、たまたま被害もなく安全に過ごせる中で、できる限り協力することは損ではないと思います。

実際に被災すると、精神状態も不安定になるでしょう。
家族や身内に被害が出たとなれば、局への協力どころではなくなります。
今回、私の地域に大きな被害はありませんでしたが、緊張感からかどっと疲れがきました。
協力できなかった局へは申し訳ないのですが、こういった協力はよく考えて、自分優先でいいと思います。

買っておいてよかったもの

まさか買い物に行けなくなるとは思わなかったので、冷凍食品を余らせておいてよかった。 レトルトカレーも備蓄していますし、前日食べようと買って、結局食べなかったモツ煮もありました。

特に重宝したのが、冷凍のカットほうれん草。 以前、別の料理でちょっと使って取っておいたのでした。
アクを抜いてカットしてある状態なので、そのまま煮て、コンソメで味をつけて溶き卵を入れて、ほうれん草と卵のスープ。
普段なかなかほうれん草を買って食べないので、このスープ、初めて作りました。
亡くなった母が過去によく作ってくれたものなので、懐かしい味でした。

ほうれん草と卵のスープ。
冷凍野菜は重宝します。

冷凍食品は常備しておいて損はありません。 惣菜はもちろん、野菜は重宝しますね。
よく、冷凍の洋風野菜を買ってきて、温野菜やシチューを作ったりしています。
最近は業務スーパーでなくても冷凍の肉なんかも売ってるので、今度試してみようと思いました。

まとめ

ここ数年、局地的な豪雨で大きな被害が出ていますが、実際に体験してみると、こんなに恐ろしいものなのか…と初めて知りました。

とにかく音がすごい。
あっという間に道路が冠水したのですから、川沿いに住む人はもっと恐怖を感じるはずです。 雨が少しでも強いな、と思ったら、すぐに避難した方がいいですよ、ホントに。

我が家の近くには河川がなく、ハザードマップ上でも安全な地域にあるので大丈夫だとは思っていたのですが、身の危険を感じるほどの雨量でした。
この状態があと1~2時間続いていたら、確実に床下、床上浸水になっていたはず。

とにかく今回は、目立った被害もなかったので安心しました。
雷による停電もなく、水が引いた翌日は普通に出勤できました。
冠水していた道は泥で汚れていましたが。

今年の気候はちょっと読みづらいので、今後またこんな大雨に見舞われることもあるでしょうし、2019年の台風19号のような大型台風が来るかもしれません。
気を緩めずに、災害への備えは必要。みなさんもお気をつけください。

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