2022年共通テスト数学のような出題が今後の大学入試でも増えてくる可能性が高い
21年の共通テストは初回だったこともあり、過去のセンター試験と比べて出題内容に大きな違いは見受けらませんでしたが、今年(2022年)の共通テストは、【読解力】【思考力】【スピード】の3つがないと対応できない問題が大幅に増えた印象です。
〈この式の形・このキーワードを見たときはとにかくこうする〉、という解法暗記スタイルで勉強をしてきた受験生であっても従来のセンター試験はそこそこ程度得点できましたが、
今回の共通テストでは同様の勉強スタイルでは対応が難しかったのではないでしょうか。
数学1A第一問の【2】は、地図アプリから得られた情報をもとに縮尺を考慮して三角比を考えさせる問題ですが、学んできた数学の知識を実際に使いこなせるかどうか?を問う良問だと思います。
従来のように問題を単に解いておしまいではなく、複数の角度から〈言語化〉して深めていく過程を【太郎と花子の会話を追いかけて追体験する】形式の問題が増えています。
数ⅡBの数列で出題された、【自転車が歩行者と自宅の間を行ったり来たりする問題】は、文章とグラフ資料の解釈ができれば、計算自体はそこまで難しいものではないのですが、文章量が相当あるので「時間が足りない」と感じた受験生がほとんどだったのではないでしょうか。
数式を立てるまでに必要な情報が長い問題文のあちこちに色々な形で散らばっており、それらの情報を整理して数式を立てるには時間がかかります。
問題内容や70分という時間制限との兼ね合いからすると、分量的に多すぎたのでは?という批判もありますが、
共通テストの試験内容がこれまでとは大きく変わったことによって、日本の高校生の数学教育のあり方もこれからどんどん変わっていくと個人的には考えています。
実際にこういったメガトレンドを意識したのか、入試問題の中にも今回の共通テストに近い問題を取り入れて出題し始めている大学も出てきています。(例 久留米医科大2022年度推薦入試 埼玉医科大2021年度医一般入試前期大問④など )
このような流れに乗る形で私立大学の入試問題の出題形式や問われる内容自体もこれから変わっていくことが予想されるため、私の塾でも基礎力が固まってきた生徒さんに対しては授業の演習時間中に共通テスト予想問題の中の良問をとりいれたりしています。
今回の共通テストのような問題に対応するためには、普段から学んだ知識を積極的に【自分の言葉で他人に説明してみる】という行為が非常に有効であるため、
数学の重要な言葉の定義や定理については、
「少々間違っていてもかまわないから、いまできる範囲で説明してみて」と私が発問を投げかけることで、生徒さんと私が下の画像内の太郎と花子のようになり、問題への理解を深めることを大切にしています。
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