ラクドスの加入コンボ 備忘録
・はじめに
この記事はサンダージャンクションの無法者リリース後のスタンダードで成立しコンボデッキ、ラクドスの加入コンボについてギミックや採用カードについての覚え書きです。
2024年秋のローテーションで採用カードの多くがローテーション落ちとなるため、今時点での構築について記録を残すための記事です。
根幹ギミックについてはまだまだローテーション内なので形を変えて続いていくとは思いますが、いつのラクドスの加入コンボが一番強かったのかをあとで見返すための自分用記事でもあります。
スタンダードで4Tに即死コンボが始まる愉快なデッキではあるので気になった方は構築してみてはいかがでしょうか。
・基本ギミック解説
コンボの始動条件と動きについての記述です。
【始動条件】
①墓地にラクドスの加入がある。
②墓地にクリーチャーのコピーとして、「クリーチャーとして」戦場に出られるカード(以下クローン)がある。(唱えられるマナがあるなら手札でも可)
③上記を満たした状態でアブエロの覚醒を唱える。
【コンボの動き】
①アブエロの覚醒でラクドスの加入をクリーチャーとして蘇生する。
②ラクドスの加入のETB解決。墓地のクローンをクリーチャーになっているラクドスの加入のコピーとして、+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に戻す。
③伝説ルールの状況起因処理。2つのラクドスの加入のどちらかを戦場に残し、片方を墓地に送る。墓地にもう1枚クローンがあるならどちらを残しても良いが、無いならクローンを墓地に送る。
④ラクドスの加入の伝説のクリーチャーが離れたときの効果処理。③で蘇生したクローンのパワー分のダメージが2回誘発する。
⑤③で蘇生したクローンのラクドスの加入としてのETB処理。伝説ルールで墓地に送ったクローンを蘇生する。
⑥③の状態に戻るため、対戦相手のライフ分④のダメージが誘発するまで②~⑤を繰り返し、最後にクローンをコピーせずに戦場に戻す。
⑦④の誘発ダメージが無限回発生して相手が死ぬ。
【解説】
ラクドスの加入が伝説のエンチャントでリアニメイトができるパーマネントで、これをクリーチャーとして戦場に戻しクローンでコピーすることで、クローンのリアニメイト能力が誘発する前に伝説ルールの状況起因処理が割り込みクローンを墓地に送ることができるため、クローン自身のリアニメイト能力でクローンを蘇生できる。
都合良くラクドスの加入にバーン効果が付いているため、クローンが墓地と戦場を往復する間にバーン効果が無限回誘発するため相手が死ぬというコンボになります。
・採用カード
現時点での僕が使っているリストの画像を貼ります。各採用カードの役割と他の採用候補等のカード情報を書いていきます。
リストは現時点の暫定であり最適でない可能性が多分にあるためあくまで参考にお願いします。
・ラクドスの加入
コンセプトカード。絶対に墓地に落とさなければ行けないため4枚確定かと思われる。
機能については基本ギミック解説で書いたので省略。
手打ちすることも無いことはないので一応黒マナが出るようになっているがあまり出しません。
・アブエロの覚醒
数少ない墓地のエンチャントをクリーチャーとして戦場に戻せるカード。クリーチャーになることでクローンでコピーできるようになるのでコンボが成立する。
Xは基本0の4マナで撃つことになるが、切り崩しやショックなどのケアでX=2で3/3として出すこともよくあります。サイズが可変であることも都合が良すぎる。
他にエンチャントをクリーチャーにできるカードとしてはスタンダードには過去の追体験、パイオニア以下には屋敷の踊りなどがあるが、7マナ以上と重すぎるため4マナという破格のコストで撃てるアブエロの覚醒に感謝しよう。
・クローンカード
ラクドスの加入をコピーするためのカード。いわゆるクローンと呼ばれるカードだが、鏡の間のミミックや内密の調査員、相貌詐欺などスタンダード内でもかなりレパートリーがある。
今回のコンボではコピー先がクリーチャー化しているエンチャントであり、「クリーチャー化している」と言う情報はコピー可能な値ではないため、普通のクローンではクリーチャーではなくカウンターが乗ったエンチャントになってしまいます。
巨体変異は「アーティファクト・クリーチャーであり」と明確に記載されているためクリーチャーとして戦場に戻せます。スタンダード内の該当するクローンはおそらく巨体変異だけでこちらも都合が良い。
試作コストで手撃ちすることも無いわけではないが、自分のクリーチャーしかコピーできないので、ファラジの考古学者をやることがないときにコピーする程度である。
本体のマナ総量が9と大きく、間の悪い爆発で捨てると全体9点とほぼ全体除去にできて便利。間の悪い爆発を使う予定があるなら捨てられる状況でも手札に持っておこう。
・異世界の凝視
どうやってもアド損はするが、2回に分けて墓地を計6枚も増やせるのは強力。1マナとくっつきも良いので撃てるタイミングは多い。
墓地に落としたいカード以外にも土地などの今欲しいカードを求めてアップキープに撃つことも良くある。アリーナの場合は手札にこれがあるときはアップキープに停止する設定を入れておこう。
次のローテーションで居なくなるため代替カードを検討中。
・ファラジの考古学者
ETBで墓地肥やししながらアブエロの覚醒や永岩城の修繕を拾える。もう一人の墓地肥やし担当の錠前破りのいたずら屋と比べると、掘れる枚数が少ない、ファラジ自身を拾えないなどのデメリットがあるが、4ターン目までの時間稼ぎとして0/3の壁が残る点を重く見て4枚取っている。
ただ現在の赤単の生き物の質が良すぎて、0/3は壁としての信頼度は低く、3枚切削して0ヒットなこともよくあるので配分は考えたほうが良いかもしれない。
ただこちらはETBで切削ができるため永岩城の修繕2章で蘇生しても効果が使えるなど利点もある。どちらも4枚でもいいと思います。
・錠前破りのいたずら屋/フェイの解放
基本的には出来事面で使う。ファラジと比較すると、肉が付いてこずエンチャントが拾えないというデメリットの代わりに切削枚数が1枚多くインスタントで撃てる上に自身の2枚目も拾えるというメリットを持つ。切削が増えた影響でヒット率も上がっているが、中盤以降特に探したくなる永岩城を拾えないのは大きなマイナス。好みで枚数を調整しましょう。
本体面も1/3飛行警戒と壁性能は高く暇なときは普通に出す。対赤単など究極に切羽詰まっているときは出来事を経由せずに出すこともある。なおそういう試合はだいたい負ける。
・第三の道の創設
先読で開始する章を選べる英雄譚。
1章は1か2マナのインスタントソーサリーを撃てる。該当は異世界の凝視とフェイの解放と三歩先でありどれもアドバンテージが取れるわけではないので、おおむね3章をもっと後のターンに誘発させたいときにここから開始する。その時に一緒に撃てるカードがあったらラッキー、ぐらいの効果である。
2章はどちらかのプレイヤーを4枚切削。当然自分に撃つ。
切削するだけで拾えないので手札に欲しいカードが落ちると悲しいがそこは3章でリカバリーする。とりあえず速効性のある効果なのでこの章から始めることが一番多いかと思う。
3章は墓地からインスタントソーサリーを追放してコピーを唱える。普通にマナを払う必要があり、誘発タイミングは戦闘前メインフェイズの開始時であることには注意。
具体的にはこれの3章で撃ちたいことの多い間の悪い爆発などの4マナを唱えようとすると、最速2T目に1章で置いた場合では3章時点で3枚しか土地がないので撃てない。そんなに序盤で使いたいカードではないので置くタイミングは考えよう。
主に3章効果で墓地に落ちてしまったカードを再利用するために入っている。終盤に1枚あれば良いので採用は1枚のみ。使ってみると以外にいぶし銀な活躍をするのでオススメ。
・堂々たる撤廃者
なぜかスタンダードに再録された統率者戦ではお馴染みの相手を達磨にする熊。
通れば概ね相手は何も出来なくなるので安心してアブエロの覚醒が出来るようになる。当然相手も死ぬ気で消したり殺したりしてくるので、暇なターンに適当に出しておいて相手の妨害を消費させるのにも使います。
その場合マナ拘束が結構厳しいので、出す可能性があるときは土地の置き方には気を配ろう。
一応、手札にあるカードはどのタイプでもないので禁止できない。母星樹の魂力とかカルノサウルスとか苦難の収穫者の似非魂力能力とかで問題になる。
・永岩城の修繕
ラクドスコンボの弱いところを良い感じに全て補ってくれる偉すぎカード。速攻相手に手札でダブつくと泣けるがそれでも多搭する価値はある。
1章は平地のサーチ。このデッキで確実に到達する必要なある4マナへの到達を確実にする堅実な効果。土地3枚しかない時の次のターン運ゲーを確実に回避できる。切削回数が多いのでデッキ内の平地が枯渇することもよくあるが、それでも最悪2章で土地を置けるため事故を防ぐ能力は高い。
2章は手札を捨てれば2マナ以下のパーマネント蘇生。まず手札を捨てられるのがえらく、手札に来たパーツを素早く墓地に落とせる。
それに加えて2マナ以下蘇生も強力。ファラジを蘇生して手札を増やすのも手堅いし無難に土地を起こしても良いが、特に凶悪なのは上の堂々たる撤廃者を起こすとき。
メイン開始時に誘発効果で蘇生されるため妨害することが困難で、出せたらほぼ勝ちである。これのせいでコンボ開始1つ前のターンの永岩城が事実上のマストカウンターになるが、大変気付かれ辛く仮にカウンターされてもデコイとしての役割を果たしているので悪くはない。
3章は3/4警戒+1/1トークンの生成という壁としてかなり強力な生き物の生成。壁としては優秀なのだが3章なので間に合うことは少なく、相対的に一番地味な能力。
対コントロールのクロックとしても有力だが、殴りきるプランを取ることは少なくこの章能力を目当てに使うことは少ないだろう。
総じて撤廃者とセットであらゆる妨害が刺さるという弱点をカバーしつつ動きの小回りを上げる優秀なカード。異世界の凝視でデッキを掘るパワーが高くファラジでも拾えるため欲しい時に探せば割とすぐにたどり着けるのも良いポイント。
騙されたと思ってセット採用してみてください。責任は取りません。
・間の悪い爆発
手札に来たパーツを落としつつ全体除去で時間を稼げるナイスカード。
墓地にいて欲しいパーツ2つのマナ総量が5と9のため全体除去としての確度が高く信頼できる。
ボロス召集のような殴りきるのが遅い横並べデッキやミッドレンジ全般相手にかなりクリティカルに刺さるため、これらの対面では優先して探していきたい。
ただし4マナとそこそこ重いため赤単相手にはほぼ間に合わず、間に合ったとしてもトップデッキで殺されることも多々。先攻を取って相手が事故ることを祈りましょう。
現在の構築ではデッキ内のほぼ唯一の赤マナを使うカードでありこれのためにかなり多くの赤が出る土地をいれざるを経ない状態になっているので、代替カードが見つかれば割とすぐに抜けそうではあります。
・三歩先
放題で効果を自由に付け替えできるカード。
このデッキの数少ないインスタントタイミングで介入できるカードであり、このカードのおかげで勝てる試合も多いパワーカードだが、しばらく存在を忘れていたのでデッキの中では一番最近に新規採用したカード。
1つめの効果は確定打ち消し。コントロール相手のにらみ合いや、致命的なカードを消したりするのに便利。7マナ以上を構えてアブエロの覚醒とあわせて持つことで相手の妨害要求値を高めるのにもよく使います。
注意としてはなにげに青ダブルシンボル要求のためマナ状況によっては撃てないこともあること。他の相手ターンに撃つカードもことごとく青マナ要求ばっかりなので使うカードの取捨選択が難しい。基本的には三歩先は温存して他に撃てるカードがあるならそっちを撃つ方がいい。
2つめの効果はクリーチャーかアーティファクトのコピー。一番使わない効果。
追加するためのコストが3マナと一番重く、他の効果のついでに足すのも難しい。コピー対象もまともなのはファラジしかなく、それをするなら3つめの効果で良い。
一応蘇生したラクドスの加入に除去が飛んできたときに上からコピーするとコンボ継続できるが、それはそれで1つめの効果で除去を打ち消せば良い話である。
3つめの効果はルーティング。例によって手札に来たパーツを落とせるため噛み合いがよく、引いてから捨てるタイプなので引いて来たパーツをすぐ捨てることもできる。
追加するためのコストも2マナと軽く、打ち消しモードとあわせても5マナと現実的に構えやすいコストで優秀。相手の動きを止めながらパーツを探しながらパーツを落とせる一石三鳥ムーブができる。打ち消すカードが来なかった場合に単体でもこのモードで使え、とにかく裏目が少ない。
いつ握っても役割が多く優秀なカード。入れましょう。
・他採用候補カード
過去採用していたが抜けたり、採用を考えている最中のカードを紹介します。
・街道筋の強奪
捨ててから引くタイプのルーティング。
このタイプは裏目が発生することも多いが、このカードには計画が付いており、とりあえず暇な時に計画しておいて捨てたいパーツを引いたら使う、ということができてかなり小回りがきく。
土地が超余ってる時以外はアドバンテージは稼げず、このカードを使うぐらいならファラジや錠前破りを連打した方が強い気がしたので三歩先と入れ替わる形で不採用にしました。
・諜報ランド
タダで墓地を肥やせる点を買って初期は採用していたカード。
ただとにかく確定タップインが痛く、1ターン目しかまともに置けるタイミングがない、なんなら1ターン目も異世界の凝視を撃ちたいので引くとマジで困るカードになっていたため全抜きしました。
代わりにペインランドを増やしてとにかくタップインを避ける土地配分にしているが土地からのダメージが結構痛いので配分はまだまだ検討の余地アリです。
・導路の塔門
こっちは確定アンタップインで諜報ができる。
ただし一応フィルターはできるものの無色しか出ず、色マナ要求が多いこのデッキで困ることも多そうでまだ採用を試していない。
割と強そうではあるので試した方は使い心地教えてください。
・魂の洞窟
人間を宣言すればファラジと撤廃者用のマナを出せる。
撤廃者を打ち消し不可にすることで確実にコントロールをぶち殺すために採用を検討したが、普通にやりすぎなのとそれ以外で無色しかでないのが気になって採用見送り中。
2枚程度なら入れても良いような気がするのでサイドに差しておく分には良いかも。
・一時的封鎖
対赤単があまりにも無理すぎて採用を検討している。
ただし自分のカードも結構巻き込むのと、コンボの動きには全く関与しないので、結局トップデッキに殺されることも多い。採用するにしてもサイドからだと思います。
・まとめ
以上です。
最速4ターン目でゲームを破壊できて、独特のプレイ感があるコンボデッキで楽しいので是非使ってみてください。他に何か良い採用カードがあればコメントで教えてくれたら喜びます。
あと何度か入ってますが赤単のようなアグロデッキには絶望的なほど勝てず、10回に1回勝てたら良い方なので握る場合は覚悟しましょう。
また墓地対策の類いがクリティカルに刺さるのでサイド後は厳しいものがあります。こういうデッキはアリーナのBO1で握るに限る。
ではまた。なんか面白そうな採用候補カードがあれば更新します。
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