THE IDOLM@STER SHINY COLORS "CANVAS" 02にまつわる雑記
みなさん、お疲れ様です。蜷川です。
5th Anniversary 関連も落ち着いた 2023 年 5 月 10 日にリリースされた CANVAS シリーズの 2 作目であるアンティーカ盤について感じたことを簡単にまとめていきます。
CANVAS 01 と同様に、ユニット曲×3 となっているところが CANVAS シリーズの特徴になっていて、その構成についてもだんだんと狙いが見え始めてきました。
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なお、本 CD においても作詞は真崎エリカ氏が全曲担当しているので、以下のクレジット情報では作詞担当については省略します。
M1: とある英雄たちの物語
クレジット情報
作曲・編曲:設楽哲也、Guitar:藤井健太郎(HAMO)、All Other Instruments & Programming:設楽哲也
設楽哲也楽曲といえば作詞は同じくベリーグー所属のミズノゲンキさんかeNuさんとなることが多いのですが、今回は作品都合でそれ以外の作詞家が割り当てられるやや珍しいケースとなります。
設楽さんはデレではかなりの曲数を提供してきていましたが、シャニへの提供は今回が初めてとなります。ハイテンポなロック・バンド曲を得意としている印象がありますが、そうでない楽曲もいい曲揃いです。
ギターはこの CD の M3 以外にも相合学舎でおなじみの藤井健太郎さん。この CD シリーズの "CANVAS" 03 で、 M3「全力アンサー」の作編曲でも参加予定です。(詳細は後程)
ライブパフォーマンスに特化した単調なメロ
この曲を聴いたときに最初の感想は
(これはライブで観るまでちゃんとした感想は難しいな……)
でした。
サビは半音ゴリゴリ擦っているところも多く聴かせるメロになっているんですが、対して特に A メロは歌詞ではなくセリフに音を当てるような方法で、同じ音の連打を軸としたメロディーが展開されていきます。
セリフ調な A メロに続いて B メロで起伏のあるメロディーをハーフテンポでゆったりと歌い上げて、メロディーとしても聴かせるサビへと接続するというのがこの楽曲の基本的な構造になっていますね。(B メロのハーフテンポは本職ドラムス屋さんらしい気持ちいいポイントだなぁと思ったり。)
なので、楽曲構成として A メロ部分は特にパフォーマンス重視になると予想されるので大人しくライブを待つことにします。
M2: Unsung Heroes
クレジット情報
作曲・編曲:原田篤(Arte Refact)、Bass:さと、All Other Instruments:原田篤(Arte Refact)
アンティーカも御用達の Arte Refact から今回は原田篤さんが参加。アンティーカへの提供も「純白トロイメライ」「abyss of conflict」に続いての 3 曲目です。
そう、「純白トロイメライ」の人なんです。
変拍子キモチイイ~~~~~~~~~
変拍子って演る側はだんだんと理解を深めて身体がなじんで気持ちよくなるんですけど、聴く側がどれだけそれにノれるかが難しいですよね。
A メロは 3/4 + 5/4 の複合が 2 回繰り返される前半と、4/4 + 2/4 の複合 3 回と 4/4 + 3/4 の複合で締めという、まあ慣れればわかりやすい構成(ほんとうに?)。
B メロは前半が 9/8 と 10/8 の繰り返しで、9/8 は実質 3 拍子なので 10/8 側(4 + 2 +4)でノれればOK。後半はサビに向けて簡単で 3/4 を 2 回、 4/4 を 2 回と回復ゾーン。
サビは A メロでもあった 3/4 + 5/4 の複合と 4/4 + 3/4 の複合を 2 回ずつ繰り返すパターンが前半・後半それぞれあって、最後に地獄の間奏前の生き次のような 4/4 を 2 小節。
1サビ後の間奏は 7/8 が軸。これが本当に悪質で、8分の奇数拍子がこれまでは 9/8 があるにはあったのですが、先述の通りこれは 3 拍子で解釈できるのでいいとして、基本 4 分音符単位での拍で進めてきたところで 8 分音符の(3ですらない)奇数拍なので、小節の長さが 4 分音符の整数個で表現できない長さになってしまいます。感覚としては、テンポよく歩いているときに次の一歩を踏み出そうとしていったん空中に浮いている足のところに急に地面側がせりあがってきて、強制的に次の一歩が始まってしまうコケ感に近いかもしれません言えるかもしれません。
2 番は A メロ前半の長さが違えど基本同じ構成です。
次の鬼門が 2 サビ後間奏のいかにもバロックな教会音楽っぽくなったところ。(実はその前の間奏前半で 11/8 が挟まっているのですが、まあここは聴く側はふ~んで問題ないです)
最初は 4/4 + 3/4 の複合を 2 回繰り返すというもうここまで来たら何とでもない拍ですが、その次急に現れるのが 5/8 + 7/8 というまた 8 分の奇数拍の組み合わせ。最悪長さとしては合わせれば 6/4 と一緒なので乗り過ごせてしまうのですが、光る棒を振りたくなる強拍の小節の頭が 8 分音符 1 つ分前にかかってくるので要注意。
最後の B メロとサビは同様で、アウトロは 1 サビ間奏後と同様に 7/8 軸で動いて 4/4 を 2 小節で締め。
なんじゃこりゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんかもう疲れたので次!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
M3: 有彩色ユリイカ
クレジット情報
作編曲:藤井健太郎(HANO)、Guitar:藤井健太郎(HANO)、Bass:出口遼、All Other Instruments & Programming:藤井健太郎(HANO)
M1 のクレジットの際にも触れた藤井健太郎さんが主に担当されて、Bass に出口遼さんが参加しているこの楽曲。藤井・出口の組み合わせは本当に色々なところで見るいつメン感がありますね。
"CANVAS" 02 を締めくくる最終楽章
藤井健太郎楽曲の特徴は何といってもギターの人だなぁと思わせてくれる泣きメロ。
方向性としては、ギターボーカルとして気持ちいいタイプの曲(相合学舎など)とギターのメロをボーカルに当ててるタイプの曲の両者がありますが、今回はサビで特に後者の良さを感じました。
この曲のサビのメロは何かの曲のギターソロにそのまま使えるぐらいギター的なメロになっています。サビの「やっと分かったんだ 描きたいものは」のところなんかもうギターで弾くためのメロすぎて……。
今回の "CANVAS" 02 を全体像として振り返ると急緩急 3 楽章構成のようになっていて、有彩色はその中でフィナーレを飾るわかりやすい華を感じます。
終わり方も、詞が「L'Antica」なところもあって過去一荘厳に終わってますね。かっけ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おわりに
先述の通り 3 楽章モノとして構成されているように感じさせてくる "CANVAS" 02。2 曲構成だと両面という展開しかできませんでしたが、3 曲にすることでこのような楽章構成にできるというのは盲点でした。
演者負担やライブ構成の面でまあ確実にないとは思いますが、この記事を書きながらぜひ "CANVAS" 02 の 3 曲を通しでライブで浴びたいという気持ちが強くなってきましたね。
それぞれの楽曲を比べても、舞台パフォーマンス特化の「とある英雄たちの物語」、テクニック特化の「Unsung Heroes」、ド直球王道の「有彩色ユリイカ」とアンティーカに求められる各部門の要素を煮詰めに煮詰めた盤でした。ある意味でのこれまでのアンティーカの技術的な到達点と言ってもいいかもしれません。
ということで今回は Unsung Heroes の拍取りに体力を持っていかれたので以上です。
今後も CANVAS シリーズが出るたびに雑記を書いていこうと思うので、のぞきに来てくれたら幸いです。
前:"CANVAS" 01 についての記事はこちら↓
後:"CANVAS" 03 についての記事はこちら↓
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