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Vision Proはこれからどうなるのか

こんにちは。シフカです。
届いた興奮冷めやまぬまま書いた前回の記事から1ヶ月が経とうとしています。時間が経つのは早いものですね。円安が進んで、お得な時期に購入できたのではないかと勘違いし始めている今日この頃です。


そろそろ日本国内でも発売されるかもと噂されているVision Proですが、中には存在すら忘れられているという話も聞こえるようになってしまいました。

この記事を読んでいる人の中にも、すでに使い道が思いつかずに埃を被っている人もいるかもしれません。正直、自分のデスクから移動しないのであれば、積極的に使う必要がないかもしれないと思う気持ちも分かります。

今回は、Vision Proがどうしてこうなったのか。どうなっていくのかを書いてみようと思います。多少の怪文書要素を含みます。そこは広大なネットの海の賑やかしとして穏やかな気持ちで楽しんでいってもらえればと思います。

前回の予告通り、アップルのGUIに対するこだわりをシフカなりにまとめようと考えていたのですが、そんなニッチな記事で大丈夫か?という社内からの優しいアドバイス(圧)により内容を大幅に変更してお届けします。



結局はHoloLensの完成系だった

さて、いきなりですが、ここでHoloLensのトレーラー映像を見てみよう。

見たことある、覚えているという方もいるのではないでしょうか。私は当時デモ映像を見て心を躍らせて、実機とのギャップに愕然としたことを思い出しました。ご覧いただければお分かりになる通り、これはVision Proなのでは… と思えるようなシーンの連続だったのではないでしょうか。似ていることが悪いと言いたいのではありません。複合現実ウェアラブルコンピューターのコンセプトは昔からあるので、重なる部分があるのも当たり前です。

ですが、8年前に見た複合現実のデモ。8年越しに実現したそれは8年前のままだった。いや、すごいんだけど、すごいことなんだけど、もっとさ、もっと革新的に生活を変えてくれるようなものだと思っていたんですけど… という気持ちがなくもありません。それと結局できることもやりたいことも、あの時のままなのか?というガッガリ感もそこにはありました。

Appleが提供しているものもアプリストアのアプリも新しいはずなのにどこか知ってるように思えてしまいフックしません。今の人類が到達できる最高地点を以ってしても、既知の世界が広がっていたという閉塞感が面白い使い方が現れない大きな原因ではないかと思います。もちろん、そもそものユーザー数が少ないということが拍車をかけているのは言うまでもありません。



体験価値は素晴らしいが…

では、Vision Proが始まる前からオワコンなのか言われるとそんなことはありません。とてもよく出来ているデバイスです。優等生だと言って問題ありません。新しいワークスペースとしてハマる人には手放せないデバイスになっていることでしょう。飛行機や新幹線で移動する人かつ機内での環境をよくしたい人には最高のデバイスです。狭い機内でも最高の環境で作業することも映画を見ることもできます(書いていて思いますニッチだよね)

映像系繋がりで言うとApple TVの「Immersive Video」はどれのクオリティが高く映像表現の新しい境地を感じさせてくれます。映像作品が増えてくれば、(そのためだけだと高価ですが)一定の価値があるように思えます。

Vision Proは、誰も体験したことがない体験として、初めはみんなが驚きます。しかし、この驚きは花火のように儚く、使う理由がある人以外が日常的に使うようになる魔法はそこにはありません。iPhoneのように中毒性のある魅力がそこにはまだないのです。とはいえ、iPhoneも初めから今みたいな状態ではありませんでした。はじめはキーボードだって微妙だったし、「そのうち、なんとかなるだろ」と思いながら使っている人ばかりでした。Jailbreakなども流行りましたよね。

そう思うとVision Proは、8年前と変わらないのではなく、(こう書くと頑張っている人たちから怒られですがあえて言うと)8年間の停滞から今まさに動き出したばかりなのです。Vision Proのこれからに期待大です。

優等生ゆえに「そのうち、なんとかなるだろ」が感じにくく、伸び代が少なく感じてしまうのも影を落としている原因の一つかも?と書きながらぼやっと浮かびましたが、今は目を背けることとします。



すべての鍵は瞳孔の情報にある

話を少し変えて、Vision Proの可能性について考えてみましょう。Vision Proに関心がある人は、純粋に最新テックやそれが実現する未来が好きな人もいれば、新しいビジネスについて考えている人も多いと思います。

よくビジネスアイデアを考えていると、「それって他の〇〇でもよくない?」という壁にぶつかることがよくあるのではないでしょうか。8年前のコンセプトが実現したVision Proは、他のアイデアの比じゃないくらい高く厚い壁が存在します。最近だとマルチモーダルLLMが登場したことで、AIという別のアプローチが生まれました。目としてのVision ProとAIの可能性に心がときめきましたが、それってRay-Ban Metaでよくないと間髪入れずセルフツッコミが入りました。どう考えてもRay-Ban Metaの方が便利そうです。

では、そんなVision Proの本当の強みとはなんでしょうか?見出しでネタバレしていますが、私は瞳孔の情報が一番の鍵だと思っています。セキュリティの問題からAppleが解放するとはあまり考えにくいのですが、瞳孔の情報が分かれば今以上にユーザーとの滑らかなコミュニケーションが可能になります。そして、その情報を一番上手く扱えるデバイスがVision Proであり、Appleという会社だと考えています。(情報をうまく扱えるかというより情報量の意味で最強だと考えています。FaceIDとか自然に使いますよね)

AIを組み合わせたり、空間に情報を貼り付けたとしてもRay-Ban Metaのように常に身につけやすいデバイスには太刀打ちができません。しかし、瞳孔の情報を使えるとなれば話は別です。普段であれば、自分から話しかけないと機能しないAIも瞳孔の情報からユーザーの気持ちを測り、自ら能動的に機能することができれば一線を画すAIサポーターができそうです。自分の好きなビジュアルにしたAIアバターが自ら進んでサポートしてくれるというのは瞳孔の情報なしにはなかなかできない芸当だと思います。

瞳孔の情報からは健康状態も分かります。ストレスレベルや神経状態などの健康指標をモニタリングしてくれたり、Watchと組み合わせて、より精度の高いヘルスケアが実現するかもしれません。疲れを感じ取って「モルダー、あなた疲れてるのよ」と言ってくれる未来はそう遠くないのかもしれないですね。

瞳孔という切り口だけでも色んな考えが出てきました。Vision Proには様々なセンサーが付いているので、Nintendo SwitchのJoy-Conのセンサー情報をうまく使って「Nintendo Labo」が生まれたように、取れる情報から思いもしないアイデアが出てくる日も近いかもしれません。



投資の世界に「人の行く裏に道あり花の山」という言葉があります。これは株式市場で利益を得るためには、多勢とは逆の行動をとらなくてはならないということです。みんなが存在すら忘れそうになっている今こそアイデアを考える絶好の機会なのかもしれません。

一緒に世の中に面白いアイデアを生み出しましょう!

本日はこの辺で。
また次回の記事でお会いしましょう。



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