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仕事のスピードを上げるために意識していること

デザインの仕事に限らず、プロの現場ではスピードが重視される傾向があります。資料の読み方、作業の段取り、ソフトウェア操作の習得など、仕事の早さには慣れや経験の影響が大きいことは言うまでもありません。そんな中で実際に仕事のスピードを上げていくにはどのようなことを意識すればよいのかを考えてみましょう。

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仕事のスピードを上げるために意識すること

いかにミスをしないかを考える

作業の中でミスをすれば、それが手戻りとなってしまい貴重な時間を浪費します。ミスをしないようにすることで、結果として仕事が早くなるのです。例えばアイコン500個を統一感をもたせてデザインするような場合、常に出来上がったアイコンが一覧で見渡せる状態を確保します。それは紙に印刷して壁に貼る場合もあれば、手元のマシンで全画像ファイルのサムネイルが並んで見られるような設定にする方法もあるでしょう。ちょっとした工夫でミスは大きく減り、仕事が早く進むことになります。


ミスありきで進める

一つ前の項目といきなり矛盾しますが、どんなに工夫してもミスは起きてしまうもの。特に複数人で連携するようなプロジェクトの場合、自分の目の届かない場所でミスが起きることもありますし、その逆もしかり。そのような場合に備えて、ミスを発見できる手段も持っておきましょう。

例えばシフカの年賀状作りではデザインする際に守るべきルールがたくさんあります。そこで管理担当者は膨大なチェックリストを作って網羅的に確認しています。確認後にその結果が記入されたリストごとデザイン担当者に渡せば、口頭やメールで伝えるより早くて正確です。また同じチェックリストを個人でも利用すれば事前にミスに気づけます。このように作業の特性にあったミス対策を用意できれば仕事は更に早くなります。


膨大な作業を効率よくさばく

複数の案件や多くの対応依頼が大量に届き、その膨大な作業量に圧倒されてパニックになってしまう場合があります。そのまま渡された順や大変そうな項目から闇雲に着手すると、本来なら先に進めるべき作業が後回しになってしまい、いつの間にか時間切れとなる危険性もあります。

このような状況を打開するには、まず自分に振られている全ての作業を書き出すことから始めてみましょう。書き出す先はPCのメモ帳でもチラシの裏でも、自分に合ったもので大丈夫。付箋に書いてモニタの横に貼るという人もいるかも知れません。とにかく全ての作業がひと目で分かるようになっていることが大事です。こうすることで「膨大な作業量」だったものが「○○件の項目」として把握できるようになります。割り振られた全体の作業量は変わっていませんが、「ボリュームが不明な状況」から「件数として数えられる状況」になるだけで、気持ちが落ち着いてくるはずです。

続けて書き出した項目を大まかにグループ化したり、簡単なカレンダーを手書きして期限と期間を見える化するのも効果的。それから着手する順番を決めたり、各作業にかけられる時間を割り出しましょう。実際に作業するのはそれからです。どうしても無理そうならこの時点で日程調整を依頼することも大事ですね。

作業を進める段になったら、リストアップした各項目ごとに更に細かい作業工程を全て書き出して、実際の作業時の指針にすればさらに効率よく進められます。もちろんこれは一例ですので、自分にあった方法を模索しながら仕事の早さに磨きをかけていきましょう。


過去の成果をストックしておく

成果物ができたらそのまま終わりではなく、あとから有効活用できるようストックしておくのも大事です。イラストやWebデザインだけでなく、アイデアや調査結果なども気軽に見直すことができれば何かヒントになることも。
もちろん過去のデータがそのまま素材として使うことが可能な場合には、大幅な時間の節約に直結します。

そのためには、日頃からデータを整理しておくことが大事になります。これが頭では分かっているのですが、実際にやるとなると大変なのは実際に取り組んだ方なら分かっていただけるはず。カテゴライズの仕方、探しやすいデータの置き方、検索キーの設定など、整理にかかるコストとそれで節約できるコストのバランスが焦点になります。データ整理に必要な時間のせいでデザインにかける時間が圧迫されてしまえば本末転倒です。自分にできる範囲、プロジェクトでかけられる労力の中で可能な仕組みを考えましょう。

例えば大量のイラストの画像ファイルを1つずつデータベース化するより、似た絵柄のものを全て1つのイラストレーターのファイルに貼ってしまい、必要になったらそのファイルを開いて探すほうが効率的かもしれません。ファイルサイズは恐ろしいことになりますが…



なぜ仕事のスピードを上げるのか

そもそも論として、なぜ仕事のスピードを上げる必要があるのでしょうか。例えば会社勤めのデザイナーやイラストレーターは、結局のところサラリーマンです。それなら「言われたことを言われた分だけやれば良い」「期限までに問題のない成果物が用意できればそれでOK」という考え方もあるでしょう。確かにそう割り切れるなら仕事のスピードなど上げる必要はありません。

でも、せっかくクリエイティブな仕事に携わっているなら、自分の作ったものでクライアントやユーザーに喜んでもらえるものを作りたいですよね。もう少し手を加えれば、もう少し別のアイデアがあれば、今よりも更に良いものが出来るかもしれない。そんな気持ちを大事にしていきたいものです。

とはいえ、実際の仕事はシビアな状況の連続です。自分にやる気があっても時間は有限ですし、予算だって決まっているはず。そんな中でより良いものを作るためには、仕事のスピードを上げる必要が出てくるのです。

では実際にに仕事のスピードが上がることで、どんなメリットがあるのでしょうか。



仕事を早くすることで得られる5つのメリット

仕事を早くすることで得られるメリットは色々あります。代表的な例を見ていきましょう。


別の案を考える余裕ができる

クライアントさんからの要望を満たす成果物ができたとして、その時まだスケジュールに余裕があれば更に別の案を考えることができます。今できている案の延長にある別の案や、全く異なるアプローチで考えた案など、一度完成させてから改めて検討すれば更に良い案が出てくることもしばしば。いわゆる強くてニューゲームのような感覚ですね。当初クライアントさんが要望を出した時には見えてなかったものが、案を作る中で見えてきたなんて経験をされた方もいるかもしれません。仕事が早ければ、そんな時も余裕を持って別の案を考えることができます。


「失敗」することができる

「失敗は成功のもと」なんて言葉があるように、失敗することが成功への鍵になることがあります。デザインの現場でも手を動かしてみないと見えてこない、なんてことが良く起こります。新しいことや面白いと思ったアイデアを試してみるには、失敗を恐れずにチャレンジすることが大事。仕事を早くこなすことが出来ていれば、仮に「失敗」したとしても時間を取り返すことができるので、チャレンジすることに前向きな姿勢でいられます。チャレンジの回数が多いほど「当たり」を引く可能性も高くなるはずです。そして短時間で成果を求められるシーンでもクオリティアップにつなげることが出来るようになるのです。


別の視点で検証できる

デザインする際の条件を全て満たした成果物ができたら通常の検証をして納品となります。しかし時間に余裕があれば更に別の角度から検証することもできます。クライアントさんが考慮していないような条件で確認すると思わぬ問題が判明し、実際にデザインに接するユーザーに不利益が考えられるような場合には、念のため報告して感謝いただくことも珍しくありません。

また別プロジェクトのメンバーなど普段関わらない同僚にも見てもらい意見を貰うこともできます。同じプロジェクト内での評価だとどうしてもデザインを見慣れてしまいがちですが、情報の理解度が異なる立場からの新たな視点で思わぬアイデアが湧いてくることも。そんな時も仕事が早ければ更にもう1案作れますね。もちろん機密を理由に別プロジェクトのメンバーに見せられない案件では駄目ですよ。


細部のクオリティを向上できる

これは分かりやすいメリットですね。提出に問題ないクオリティが確保できても、より細かい部分の改善は出来る限りしたいもの。ちょっとした余白のバランスやアイコンのサイズ、角丸の半径など…言われなければ気づかないような細部の調整も余裕があれば対応できます。


ミスに気づける

手違いによるミスは本来あってはならないもの。当然何度も確認しますが、それでもミスはなくなりません。そして小さなミスに限って、なぜか提出直前に気づくことが多いのです。送信ボタンを押した直後が最も感覚が研ぎ澄まされている気もします。とにかく、時間に余裕があればミスに気づいても焦らず修正することができます。ミスは無いのが一番ですが、起きてしまった時のフォローが出来るようにもしておきたいものです。


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いかがでしょうか。

仕事のスピードを上げるために意識することと、そうすることで得られるメリットをまとめてみました。実際のテクニックというよりは準備の段階に偏っている感もありますね。

結論:準備が大切!

みなさんも意識の強弱はあっても似たようなことを考えながら日々デザインに取り組んでいるのではないでしょうか。もちろん、ここに書いたこと以外にも様々な方法がありますので、皆さんに合った方法を編み出してくださいね。

こんな方法が良かったというコメントもお待ちしています。

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