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大人になるってなんだろう——「おりコウの大人ってなに」書き起こし・まとめ(1/2)【にじさんじ切り抜き】

大人ってなんだろう? 子どもに夢を与える存在? 自己判断できる人?  身体が成長することだけが大人の証なんだろうか? ひょっとしたら、完璧な大人なんてどこにも存在しないのかもしれない——

2022/3/22、にじさんじ所属バーチャルライバー魔界ノりりむ卯月コウ「おりコウの大人ってなに」と題した配信を行いました。視聴者から「大人とは何か」という問いに対する答えを募集し、それを元に二人があれこれ考えながら語り合う配信です。

本記事は、当該配信のメイントーク部分を書き起こした切り抜き記事です。末枝末葉は省き、文章として読みやすいように言い回しは若干変えています。放課後の教室で駄弁っているような空気感、本題とはあまり関係ないこぼれ話、コメント欄で交わされた様々な意見も含めて素敵な配信なので、気になった方はぜひ元配信を見てみてくださいね。


おたよりの前に——おりコウにとっての"大人"

4分42秒〜(元動画リンク)

子猫

魔界ノりりむ:
りりむはー、ひとりでも生きていける精神を持ってたら、大人なんじゃないかなって
だってさ、大人になると、必然的に社会に出ることが増えるじゃん。会社? 社会? とか。そういう嫌なことだったり、したくなくてもやらなきゃいけないことが増えてくと思うんだよね。で、その時に、自分自身のメンタルをちゃんと維持できる能力があるか。自分がネガティブになった時も立ち直れるメンタルを持ち合わせてるのか。そういうとこが大事なのかなって思う。

卯月コウ:
でもさ、一人暮らしで恋人がいなかったとしても、支えになってるアイドルとか……結局誰かしらを支えにすると思うんだけど。

魔界ノりりむ:
全然いい。結局さ、一人で生きるのは難しいのが当たり前だと思ってるから。誰かを支えにして生きていくのは全然いいと思うし、そういう手段を選べるのも、ちゃんと自分の楽しい生きる道を作れてすごいんじゃないかなって思うよ?

卯月コウ:
自分である程度心のコントロールを付けて、生きていけるみたいな。

魔界ノりりむ:
そうそう。自分が楽しい生き方をできる人?

卯月コウ:
俺は……生きてるだけでも物事を知っていくから……知っていくからこそ、色んな方面から物事を見れるようになっていくから、納得できることも増えていくし、その反面、ワクワクドキドキが減っちゃったりもするっていうデメリットもある。解像度が広がっていくことによって、色んな視点を持てる反面、わからなかったがゆえのロマンみたいなものは失われていくっていう。時間の経過と共に、良くも悪くもわかっていってしまうみたいな。

ゲーム

魔界ノりりむ:
ゲームってこと? 何のゲームにたとえたらいいかわかんないけど……最初は色んなことにワクワクするけど、どんどん作業になってくじゃん。

卯月コウ:
あーそんな感じ。
でもその分、別の人も「こういう事情があって、こういうことをしてしまったんだな」っていう納得力も付いてくるみたいな。今まで納得できなかったことを納得できるようにもなってくってこと。

魔界ノりりむ:
なんか友達とかさー。あの時なんであんなことを言ったんだろうとか、その時はすごい「嫌なやつ!」って思ってたんだけど、後々考えてみると、「まあそう思っちゃうこともあるよね人間だから」みたいな。ちょっと嫌な気持ちでさえも、仕方ないよなあと思えるようになってくるとか?

卯月コウ:
そうだね。知識と経験の積み重ねから「こういう事情もあるよなあ」というのを引っ張り出せる。引き出しが増えていく。
でも経験の積み重ねが自分の常識になるから、頑固じじいもそういうとこから生まれるのかな。自分のたくさんの経験があるから、それを新しい世代の若造に指摘されて、今までの人生の蓄積をほいってひっくり返すことは中々難しいわけよ。それが大人になるってことかな。

マカロン

魔界ノりりむ:
うちら(の大人観)が似てるのは経験値だね。何かを経験して、得たもので大人になっていっていく?

卯月コウ:
積み重ねていく感じ。

魔界ノりりむ:
そうそう。色んなことを経験した上で、自分自身のメンタルだったり、自分自身と向き合って生きていかなといけないじゃん。結局、自分が一番自分のことをわかってあげなきゃいけないのかなって思うよ。

卯月コウ:
(おたよりの中には)挑戦しなくなるとか、諦めることみたいなネガティブな意見もあったんだけど。それは積み重ねた経験とか知識から、先読みができちゃって「どうせ失敗する」みたいな風になってくのかなあ。自分の中の引き出しに「この挑戦はどうせ失敗してしまう」ってのがあるみたいな。

失敗

魔界ノりりむ:
てかさあ! 子どもの時ってめっちゃ夢あったじゃん!? ……うちらもまだ子どもかもしれないけど。
色んな夢を見せてくれたじゃん。でも一気に現実を見せられる時あるよね。りりむが「お花になりたい」って言ったとして、でも現実は「お花になれないんだよ」って。上司と飲み会行ったりだとか、現実的なものを急にぎゅってされる時ない?
りりむ、それがうざくて。こんなに夢見てたのに。ずっと「雲の上に乗って寝たい」っていう夢を言い続けてたんだよね。そしたら「おかしいやつだ」って言われて。王子様と会えるっていうのもりりむはずっと思ってるし。でもそれ言ったら「そんなの現実にいるわけないだろ」って言われたりとか……夢ぐらい見させてくれたっていいじゃん!

卯月コウ:
まあでも、誰が(大げさな夢を)言うかみたいなのは、ある程度大事だと思うよ。
りりむちゃんが好きなヒロアカ(僕のヒーローアカデミア)あるじゃん。轟(轟焦凍)くんがさ、「通行人に正論言われたってうぜえだけだろ」みたいに言ってるシーンあって。そういう一面もあると思うよ。

素性もわかんねぇ通りすがりに正論吐かれても煩わしいだけだろ
言葉単体だけで動くようならそれだけの重さだったってだけで……
大事なのは"何をした・何をしてる人間"に言われるか…だ
言葉には常に行動が伴う…………と思う

「僕のヒーローアカデミア 9」堀越耕平, 集英社

魔界ノりりむ:
まあ、正論だってさ、言われなくてもわかってるからね結局‥…

卯月コウ:
全員が同じ発言力になったら誰も夢見れなくなっちゃう気がするんだよな。
実績残してない人も、ある程度正論言える力ってのは持ってて。でも実績持ってる人が、多少間違ってでも強引に夢見せるからこそ、(他の人も)夢を見れるって一面もあると思うから。


おたより①——「自分に足りないもの」の裏返しとして使う言葉

18分16秒〜(元動画リンク)

魔界ノりりむ:
じゃあ視聴者さんからのおたより一通目! だん!

「大人」って本当はいないと思っていて、
誰かの行動を見て、
自分にはこんなすごいことできないなって感じたとき、
その憧れを表現する言葉の一つかも
自分自身はいつまでも自分で、
大人になったなんて自覚できない、
常に自分が誰かに対して感じる、
自分に足りないものの裏返し

卯月コウ:
自分が欲しいものってことかな。小さい時は自分より上の人達はみんな大人だけど、大きくなっていったら、身体だけは大人になるから、その時々で、自分に持ってないものとか、欲しいものを持ってる人(が大人ってことか)

魔界ノりりむ:
子どもの時から憧れってあるくない?

卯月コウ:
あるねそれは。「(子どもの時は)憧れはめちゃくちゃ広いから、みんな大人に見える」ってことじゃない?

幼稚園

卯月コウ:
俺はでもさとり世代だから。誰よりも悟った子どもだったから、幼稚園の時にはすでに大人になりたくないって思ってたけどね。

コメント:
「幼稚園で…??」
「逆張りキッズがよ…」
「さすが神童」

魔界ノりりむ:
どうなんだろう……子どもは嫌だなって思うことはあるんだけど……
あーでも、りりむは「お嫁さんになりたい」ってのはあった。それも大人になりたい(ってことなのかな)?

卯月コウ:
まあそれもこの人(おたより)の言う大人像だよ。色んな大人があると思うんだよね。テンプレ的な大人を想像してる時と、深く考えてる時の大人像ってまた違うからね。
だからりりむちゃんのは、夢の過程にある「大人」だよね。だって結婚って大人になってするものじゃん?

魔界ノりりむ:
でもママとパパとずっと一緒にいたい! おいしいとこだけ欲しいね!

卯月コウ:
でもそれは、ママとパパにとって「いつまでも子ども」なんじゃないかな。いつまで経っても(子どもにとって親は)親でしょ。

魔界ノりりむ:
おばあちゃん、おじいちゃんになっても、ママとパパに変わりないしね。

卯月コウ:
お空に行ってもママとパパでしょ。

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魔界ノりりむ:
えーやだ考えたくない……!
それが嫌なの。大人になってさあ、を迎えてくじゃん。色んな人の、大切な人とかのね。それが嫌だから歳とりたくない。考えるだけで悲しくなってくる。

卯月コウ:
時間が経過するってことだからな。大人になるってことは。それは絶対条件だもんな。

魔界ノりりむ:
嫌になってきちゃった……
あ、夜さあ。めっちゃ起きれるのうらやましかった。りりむ、マジで夜怖いと思ってて。10時とか11時とかになると、すごい怖くて、夜に恐怖心を抱いてたんだけど。いつの間にか楽しいに変わってて。それも(大人に近づいた証の)ひとつなのかな?

卯月コウ:
いやー……なんか子どもな気もするけどな。

魔界ノりりむ:
子どもが背のびしているだけかな(笑)


おたより②——咄嗟に自分で判断しなきゃいけない場面で適切に行動ができる(常識力)

27分0秒〜(元動画リンク)

魔界ノりりむ:
じゃあ次行きますか。2通目。どでん!

バイトを始めて社員の人に「大人」
として接されるようになって思ったのは、
社会に出ると
「咄嗟に自分で判断しなきゃいけない場面で適切に行動ができる」
という能力を前提に仕事が振られる、ということ。
1から100までは指示されないし、
その余白は常識力で埋めなきゃいけない。

魔界ノりりむ:
言われなくても自分で何とかしなさい、ってことでしょ?

卯月コウ:
教えてくれることも、もちろんあると思うけど。常識力を元にある程度……

魔界ノりりむ:
応用問題ね! 習ってない場所とかそういうことね。

卯月コウ:
これは俺が最初に話したのと、かぶる面はあるのかなと。自分の経験値が常識力にもなるし。

魔界ノりりむ:
えっムズいなこれ……だってさ、1から100まで教えられる時間がないと思うんだよね。大人になると。「子どもの時にちゃんと身につけてなさい」ってのが当たり前になっちゃってるから。

廊下

卯月コウ:
学校で集団生活をさせるっていうのも、(常識力の)育成のうちの一環なんだと思うけどね。

魔界ノりりむ:
いやそうなんだよねえ! 授業じゃないところも勉強になるんだなって思った!
りりむ、学校で友達と遊んだりとか、勉強も一切何もしなかったから……マジで社会不適合者だと思うんだよね。

卯月コウ:
でも出る杭が矯正されなかったおかげで、今ここに辿り着けたのかもしれないね。

魔界ノりりむ:
それはそう(笑)

卯月コウ:
常識力を付ける過程で、集団生活での擦り合わせがあって、矯正されちゃう部分もあるから。

魔界ノりりむ:
りりむ、学校で——

卯月コウ:
あっ、待って!?

魔界ノりりむ:
ど、ど、どうした!?

卯月コウ:
「非常識力」っていう本出したら売れるぞたぶん……!

魔界ノりりむ:
何それ(笑)

卯月コウ:
YouTuberが憧れの職業として挙がるくらいだからさあ……これでバカどもをだましてひと儲けするわ!

魔界ノりりむ:
え、やだやだやだやだ(笑)
なんか……何だろうな……そうなってほしくない。

卯月コウ:
戦略でそうなってほしくない?

魔界ノりりむ:
そうそう。だってさ、その先が必ずしも、りりむみたいな良い環境に行けるわけじゃないじゃん? それは可哀想すぎない?

卯月コウ:
巡り合わせとか、タイミングとかね……

魔界ノりりむ:
うん。だって今、りりむが社会にポンって置かれて、それで視聴者さんのおたよりみたいなこと(「咄嗟に自分で判断しなきゃいけない場面で適切に行動ができる」ことを前提に仕事を振られる)を言われた時に、できるかって言われたら、絶対できないから。りりむと同じになってほしくない。

卯月コウ:
りりむちゃんがもう一人いたとして、「魔界ノりりむ」になれるかどうかは別問題だからね。全く同じ能力の人がいたとしても、そうなれる保証はどこにもない。

磨く

卯月コウ:
でも俺、あえて過激に言ったけどさ。磨きたい人にとっては、何の努力もしないでいるのも、もどかしいというかさ。運が回って来た時に、魅力がないとそもそも採用されないじゃん? そのための魅力を磨くっていう行為は?

魔界ノりりむ:
それはいいと思うの。だけど、常識を知った上で非常識になった方がいいなって思う。常識を知った上で「いや、自分はこう生きたいんだ」って強いものがあれば、りりむはいいと思う。
ただ、流れで非常識に生きていくってのはどうなのかなって。

卯月コウ:
それ(常識を知った上で非常識になるっていうやり方)も養殖っぽいけどな……

魔界ノりりむ:
「他の人と違う」っていうのを分かった上で、伸ばしてほしいなって思う。天然のやつもあるけど……天然のやつって結構が絡んでない?

卯月コウ:
なりたいものを叶えたいんだったらそうだな。あまりにも非常識に憧れすぎて、でもそれ(になれるか)は運というか。

魔界ノりりむ:
りりむは確実に運しかないから。それを人にすすめるのは中々リスキーなのかなって思っちゃう。自分を理解して、それを魅せれる人が強いかなって思う。

補足:
ここで語られている「常識を知った上で非常識になる」「自分を理解してそれを魅せること」は、冒頭で述べていた「誰かを支えに生きていくのを選ぶことは、自分の楽しい道を作れてるってことだからすごいと思う」とも重なる。ただ流されるだけではなく能動的な選択によって自分を大切にできる——りりむの一貫した大人像が垣間見えるポイント?


おたより③——楽しいことがあるんだって、子どもに伝えられる人

36分54秒〜(元動画リンク)

好きなものを好きなだけ食べたり
行きたいと思ったところに行ったり
好きな人と素敵な恋愛をしたり
大人になったらこんなにも
楽しいことがたくさんあるんだって、
こどもに笑って伝えられるひと

親子

卯月コウ:
これは二世代っていうか……次の子どもたちのため、次の主人公のためっていう部分の切なさもあるね。

魔界ノりりむ:
これさあ……そうじゃない場合もあるじゃん? 好きなもの食べられなかったり、行きたいと思ってたところ行けなかったりとか。で、恋愛もしなかったりとか。
だけど「子どもに伝えるべき場所じゃないな」って思って、キラキラした部分を伝えられる大人ってことなのかなって思った。苦しいこととか、辛いこととかもあるんだけど、でもちゃんと楽しいことを笑顔で伝えられるっていう大人?

卯月コウ:
マイナスの経験もした上で、っていう……

魔界ノりりむ:
子どもの前でヒーローでいれるってことだね! それ大人じゃない?

卯月コウ:
これはすごく大人だと思うよ。自分がただ見た事実というか、悪いことだけ伝えるのって、それはそれで……ただ悔しさに翻弄されてるというか。レポートでしかない気もするんだよな。現実的な部分だけを伝えるのって。

魔界ノりりむ:
ムズいなこれ……! 教育の問題にもなりそうじゃない? 子どもに夢を見させるべきなのか、ちゃんと現実を与えなきゃいけないのかっていうさ。

卯月コウ:
別に嘘つかなきゃいいじゃん? 現実的な部分もそれはそれで教えればいいじゃん。「詐欺に引っかかんないように」とかさ。別にこれ(夢)だけ伝えろって言ってるわけじゃないじゃん。

魔界ノりりむ:
あんまり夢ばっかり見せてるとさ、現実で折れるじゃん?

卯月コウ:
ギャップでね。

魔界ノりりむ:
そうそう。こんなの(楽しいことばかり)じゃない。けどママとパパは、自分の前ではすごくキラキラしてくれてたから。だからキラキラした大人に見えるっていうのは、りりむにとっては良いママとパパだったなって思う。

親子おんぶ

卯月コウ:
(大人とは何かを考えるって)ママ・パパ像に近いのかもしれないね。
いいことだけ言うのも、マイナスなことだけ言うってのもよくないと思うけど……現実的なことだけだと、経験に繋がらないというか。ネットで調べれば出ることを大人が言ってるだけになっちゃう気がするんだよな。

魔界ノりりむ:
ネガティブな気持ちと、ポジティブな気持ちって、どっちの方が思いやすい(感じやすい)のかな?

卯月コウ:
ネガティブなことって印象に残りやすいからなあ……

魔界ノりりむ:
それだったら余計さ、ポジティブなことを教えてくれた方がよくない? 教えてもらわなくても自然とネガティブになるんだったら、ポジティブになる方法を教えてくれた方がいいんじゃないかなって思った。

卯月コウ:
ポジティブになる方法は、教えられるんだったらものすごいことだけど……それは難しい気がするな。

魔界ノりりむ:
色んな楽しさを教えることできるんじゃない? それ(教えたこと)がつまんなかったら、また違う楽しさで遊ぼうよ。

卯月コウ:
それはいいかもね。経験への誘導になるっていうか。それをした結果、「つまらなかったな」「じゃあ自分はこれは嫌いなんだな」「これは自分にとっての夢になりえないんだな」っていう自分の血肉になるから。そこは俺もりりむちゃんに同意かな。


おたより④——夢の持ち方、夢の大きさ

46分13秒〜(元動画リンク)

お金を払っても夢が買えない人
(子供はお金払えば色んな習い事して夢を見れるし
時間もあるけど大人になったら時間も無くなって
お金があっても趣味に当てる時間も、
好きなことに継いでる時間も無くなっちゃうから)

お金

魔界ノりりむ:
まあ難しくはなるよね。(大人は)今生きるのに一生懸命じゃん? 先のことにお金を払う余裕がなくなってきちゃったりとか……そういうことなのかな?

卯月コウ:
学校は将来のためのものだけど、仕事は辿り着いた先でするものだから、投資ではない、夢見るためのものではない……ってことかな?

魔界ノりりむ:
でもりりむ、子どもの時にピアノの習い事してたけど……別に将来ピアノで何かしたいなって思ったことは一度もないね。

卯月コウ:
子どもの時にピアノをすると、脳が柔らかくなるみたいなこともあるし……ただそれだけでやらせるだけ親とかもいるだろうな。

魔界ノりりむ:
まあね。違うところでいいところがあるのかもしれない。
習い事は、自分でしたいって思ったり、自分で将来に結び付けたりしてないと、結局は「習い事」でしかないよね。

卯月コウ:
そこに可能性がある(習い事で夢を叶えられるかもしれない)ってことを言いたいんじゃない?

魔界ノりりむ:
可能性を考えるの、大人だね。習い事に可能性を考えるの。

卯月コウ:
「プロサッカー選手になりたい!」みたいなサッカー少年は、すでに可能性を考えてると言えなくもない。

魔界ノりりむ:
あっ、そっか……
大人になっても、お金払って可能性見出しちゃっていいと思うけど。死ぬまで色んな夢や可能性を持ちつつ、生きていくもんだと思うけど。

サッカーボール

卯月コウ:
サッカー選手になりたいのに学校行ってる人にとっては、学校行ってる時間は会社行ってるの変わんないからな。そう考えたら、会社行きながらでも夢追える気はするけどな。

魔界ノりりむ:
でも体力とか労働とか、そこに違いが出てくるんじゃない? 有り余ってたじゃん、授業終わった後も体力って。

卯月コウ:
肉体的な若さってこと?

魔界ノりりむ:
そうそう。
大人になると絞られてくるのかなあ。夢が。「大人になっちゃったから、あれはできないけど、まあこれはできるかな」みたいな妥協していく夢になっちゃうのかな。

卯月コウ:
その状態を大人とは呼ばないと思うけどね。なりたい職に就いて仕事してる大人って、それに当てはまらないじゃん。「夢を叶えた人は大人じゃないの?」って話になってくるんじゃない?
医者になりたくて研修医やってる人って、その仕事自体が目標に続いてるわけじゃん。「その研修医は大人じゃないの?」って話になっちゃうんじゃない?

魔界ノりりむ:
そうだね……「大人」で一括りにするのは難しいけど、大人になったらこういうのが多いよねってやつなのかな。

卯月コウ:
「子どもにこういう大人になってほしい」が夢になってる大人もいるだろうね。もう40歳で自分自身が将来パイロットになりたいとかは無いかもしれないけど……こういう穏やかな生活を送ること自体が夢の人とか、子どもにすくすく育ってほしいが夢の人もいるから。

魔界ノりりむ:
あれなんじゃない? スタート地点で見える道が変わってくるんじゃない?

都会

魔界ノりりむ:
子どもの時は大都会の風景が見えるけど——

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魔界ノりりむ:
大人になると田舎

卯月コウ:
あー! 大都会ってのは「成り上がるぜ!」みたいな?

魔界ノりりむ:
いや、色んなものがぶわーって賑やかにあって、ぴかぴかぴかーってなってるんだけど……大人になると、それがどんどん田舎になってくのかな。

卯月コウ:
それ面白いね。田舎の方が(都会より)無垢なイメージあるんだけど。大人になって現実を知って、田舎のヴィジョンになっていくのかな。
田舎の方が映像的には子どもっぽくない? 都会の方が大人たちがバリバリやってるイメージあるけど……思い描いてる夢は反転してるっつうか。


おたより⑤——諦めさせられる・諦める、無理をする・しない

56分54秒〜(元動画リンク)

オールしたり、揚げ物とかたくさん食べるのとか、
やりたいこと、始めたいこといろんな欲を諦めちゃう人
でも諦めたことになんかホッとする人かも

ゲーム24時間やりたいけど、体きついし諦めて
寝るか〜って寝て次の日やめておいてよかったと思う

夜ふかし

卯月コウ:
保険というか、無理しなくなるってことなのかな。

魔界ノりりむ:
次の日のことを考えてしまう……のかな?

卯月コウ:
戦略的撤退……っていうとカッコよすぎるか。

魔界ノりりむ:
子どもの時って、周りの人に「諦めさせられる」じゃん? 「諦める」というよりは。

卯月コウ:
「やめなさい! 寝なさい!」ってこと?

魔界ノりりむ:
そうそう。(子どもは)やりたいことを大人に諦めさせられるけど、大人は自分で諦める。

卯月コウ:
パリピは関係ない(諦めない)かもよ。パリピは全然いけるから、徹夜ぐらい。
……今はパリピじゃなくて、やりらふぃーって言うらしいけどね。

魔界ノりりむ:
何だそれ(笑)
でもパリピでも諦める時はあるんじゃない?

卯月コウ:
そりゃ諦めることもあるだろうけど!(笑)
オールしたり、揚げ物たくさん食べるぐらいできるでしょ!

魔界ノりりむ:
でもパリピも、もしかしたら「揚げ物たくさん食べると次の日来るからあ〜やめとくわあ」とか言ってるかもしれないよ?

卯月コウ:
(笑) まあ揚げ物はね! 普通に胃もたれぐらい誰にでもあることだから。ここは胃袋の個人差だからさ……
ある程度無理をするっていうことが言いたいんだよ、この人(おたより)は。別にオールじゃなくても、揚げ物じゃなくてもいいじゃん。

魔界ノりりむ:
子どもの時にできたことが、どんどん「やめとこうかな」になるってことかな。

卯月コウ:
後先考えすぎちゃうってことなんじゃない? 「もしここでオールしたら、次の日の仕事に響くなあ」とか。そういう予測の結果、ストップみたいな。

老い

魔界ノりりむ:
これは老いだね……

卯月コウ:
でも俺ひとつ思うのは……強引に敢行することで、多少は老いを防げるんじゃないかなって。あまりにも早いうちから戦略的撤退をしまくると、必要な場面での無理力は衰えるんじゃないかな。
「無理しないでおこう」をしすぎた結果、必要な時に無理できなくなる。「ここは無理しないとやばい! 勝負所だ!」って時に、無理できなくなっちゃう。

魔界ノりりむ:
……それは大人なのかな?

卯月コウ:
大人かどうかはわかんないけどさ……

魔界ノりりむ:
無理かあ……無理したことないかも。無理したとしても、忘れちゃってるかもしれない。人付き合いとか?

卯月コウ:
人付き合いで無理したことあるって悲しすぎるだろ……
ほら、長時間配信とかさ。無理のひとつじゃないの? それぐらいでいいんだよ。そんな切ないもの出さなくても……

魔界ノりりむ:
あ、でも最近、ゲームでめっちゃ酔ったけど、クリアはしたいと思って、それはちょっと無理したかもしれない。(画面酔いで)本当に気持ち悪くて……だけど「いやクリアしたい!」っていう意地で無理した!

卯月コウ:
それはこのおたよりでいう、子ども力高いよね。無理したこと忘れてるのも、「無理したことあったかなあ」って言ってるもポイント高いよね。

魔界ノりりむ:
結局楽しいからさ。

卯月コウ:
楽しい無理はさ、そういう出来事として記憶に残ってないんだよきっと。

魔界ノりりむ:
「楽しい」になっちゃうから。思い出として。「楽しい」と「無理」って表裏一体……ちゃうな。えっと、えっと……

コメント欄:
「紙一重?」

揚げ物

卯月コウ:
オールしたりとか、揚げ物食べたりとかも、楽しい無理なんだよ。俺は唐揚げそこまでして食わないけど。

魔界ノりりむ:
無理なことだって考えたことあまりないな。

卯月コウ:
「やめとこう」みたいなのない?

魔界ノりりむ:
体力でならある。「足痛いからやめとこう」って。

コメント欄:
「おばあちゃん……」
「それは運動不足じゃん」

卯月コウ:
(笑) それはね。ただの体力(の問題)かもしれないな。

魔界ノりりむ:
お出かけする時に、本当は色んなところ回るつもりだったんだけど、「いや足痛あ……」ってなってやめることはあるね……

卯月コウ:
パリピは足痛くならないから、遊び続けられるだけかもしれない。

魔界ノりりむ:
足痛くても笑ってそうじゃない?

足痛い

卯月コウ:
「足痛えwwwはははwww」つって?

魔界ノりりむ:
「お前だったらもっと行けるよ!」「いけっかなあ? はははwww」みたいな。

卯月コウ:
でもりりむちゃんの肉体になったら、そいつらもそんなこと言ってられないよ。「あっ、でもガチで痛え……帰るわ……」ってなるから(笑)
そいつらの(基準での)「足痛い」だから。

魔界ノりりむ:
パリピは大人になるのが遅いってこと?

卯月コウ:
いや鍛えてるだけだよ。日常の中で。徹夜力を鍛えてるだけだよ。

魔界ノりりむ:
すごいなー……鍛えたらいいんだよみんな。鍛えたらこんなこと(お出かけで足が痛くなる)になりません! 鍛えましょう! はい次!


おたより⑥——劇場版魔界ノりりむ

1時間7分27秒〜(元動画リンク)

最近成年者に対して絶望することが多いんだけど、
おそらく自分の中でそれなりに歳を重ねた人間は
当たり前に倫理観や道徳心のある生き物だと
勝手に美化していたんだと思う
実際は本質的に大人な人なんていなくて、
どこか皆子供なんじゃないかな

大人もツイッターする

卯月コウ:
歳を重ねただけの子ども……「こんなやつは大人じゃない!」っていうのと、(理想像としての)大人を分けて考えてるのかな。

魔界ノりりむ:
りりむ、「なんで20代でもう働いてるのに、ネットで自分で同じことしてるんだろう」って思ったことがあったんだよね。そういうことなのかな?
自分(りりむ)の中で大人って「もう働いてるからネットなんてしないんだ」「自分と同じようにツイッターでめっちゃアニメの話しないんだ」って勝手に思っちゃってて。
でも(ツイッタラーに?)歳聞いたら、もう20代になってる。「大人なのになんで自分と同じことしてるだろう」って思ったことはあった。

卯月コウ:
あーいいね。それは素敵な話だと思う。その勝手さ(勝手な思い込み)も含めて。自分の中のディストピアが構築されているというか……
その世界観いいね。アニメみたい。りりむちゃんみたいな人達が徒党を組んで「大人はネットから出て行け!」って。でもそのりりむ軍団の中に、実は大人が混じってて……その大人とりりむちゃんの間には絆ができてて……そこで葛藤が生まれたりする。

魔界ノりりむ:
自分の中では「同い年ぐらいなのかなー」って思ってたんだけど、本当は働いていて……

卯月コウ:
でもネットを通して、心は通じているから。

魔界ノりりむ:
で、そこでりりむが変化していくと。

卯月コウ:
「大人ってそうなんだ……」って。ただのクソガキなだけの自分と通じ合える大人もいるんだって。

魔界ノりりむ:
ネットだからこそのストーリーだね。だって実際に会ったら「うわこいつ大人じゃん」ってなっちゃう。でもネットって歳とか関係なく、良くも悪くもわからない人だからこそ、その人を(偏見なしで)知れる。

卯月コウ:
対面してたら、その世界線のりりむちゃんにとっては(大人は)「出て行け!」の対象だから。そうじゃないからこそ、その人とわかり合えた。
……よくないこれ? 最初にりりむちゃんが「ネットに大人がいるんだ」って言った段階で、俺ここまで映像できてからね。

魔界ノりりむ:
りりむ、これ思い出として語っていくわ。「ずっとネットはこういう(嫌な)風に思ってたけど、実は……」って。

カゲプロ

卯月コウ:
インターネット・カゲロウプロジェクトみたいな。秘密基地で「大人出て行けりりむ隊」みたいなのが……

魔界ノりりむ:
かわいい名前(笑)

卯月コウ:
25歳の大人を自分達のLINEグループから出して「メカクシ完了」って。よくないこれ?

魔界ノりりむ:
うわいいなあ(笑) 楽しそう……?(笑)

卯月コウ:
りりむちゃんはカリスマクソガキだから、「ぬいぐるみは全部デビットのパクリ!」って感化された悪いクソガキ達をたくさん生み出しちゃうんだよ。

補足:
デビットは魔界ノりりむが抱えているぬいぐるみの名前。

魔界ノりりむ:
みんなこのぬいぐるみ持ってんのね。

卯月コウ:
みんなそのぬいぐるみを持って、りりむちゃんの知らないところで第二第三のグループができる。りりむ信者みたいな。他の性格悪そうな女の子がリーダーになって、「うちらもりりむ様に続いて大人達を排斥するよ!」って感じで。
で、あちこちで、うさぎのぬいぐるみを持った子ども達による事件が起きるのよ。それが加速しちゃって、熊のぬいぐるみ持ってるだけでも「あれりむプロのパクリでしょ!?」って信者の暴走が起きるみたいな。

魔界ノりりむ:
(笑)

卯月コウ:
うわ(妄想が)止まんねえなこれ……!

黒板

魔界ノりりむ:
コウくんは教室の隅でそのシナリオ書いてるんでしょ?

卯月コウ:
そうだよ(笑)

魔界ノりりむ:
ダダダダダダ! って(笑) 最後それでいいじゃん。ただ書いてるだけでしたって(いうオチで)

卯月コウ:
それは夢オチと変わんないからな……(笑)
ありがとう聞いてくれて。

魔界ノりりむ:
いや、楽しそうだったから……(笑)


<後半はこちら>