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「噂よりもステージを見てほしい」和泉愛依の真意を考える【シャニマス/二次創作】

 和泉愛依のギャル疑惑騒動について、俺はファンの態度に警鐘を鳴らしたい。283プロダクションはこれまでスキャンダルに見舞われてきた(アンティーカ不仲説、ノクチル放送事故など)。その度に、露悪的・扇情的に報道する三流マスメディア、便乗してPV稼ぎを狙う軽薄なアフィブログの標的にされた。無論、俺は連中のやり口に辟易している。
 しかし、「やられたらやり返せ!」と言わんばかりに攻撃的になるファン達の言動もいかがなものかと思うのだ。自分が応援するアイドルのために義憤に駆られる気持ちは痛いほど分かるが、アイドル達が格好の標的にされている状況だからこそ、ファンである俺達ははやる気持ちを抑えるべきだ——それが例の投稿に関する和泉の真意ではないか、と俺は思う。

 以下、ギャル疑惑騒動の経緯を交えながら俺が思ったことを書き連ねる。いわゆるお気持ち表明というやつなので、苦手な方はブラウザバックを推奨する。

(※イベントコミュ「TheStraylight」、配布sSSR「いるっしょ!」コミュにおける和泉愛依のギャル疑惑について、ファン視点から事の次第を描く二次創作記事です)


現在までの経緯

動画サムネイル

 事の発端は「【衝撃】あのアイドルはギャルだった!? スタジオ前で何人の芸能人が見られるか検証してみた!」という動画だ。動画の終盤(14:12〜)で、投稿者は「撮影前にストレイライトの和泉愛依に偶然出会った。普段の雰囲気とは違う、気のいいギャルって感じでした」と語った。

ツイート1

 この動画がツイスタで拡散されて炎上。ネットニュースやアフィブログにも取り上げられたことで炎上に拍車がかかり、ファンのみならず外野にまで知れ渡ることになった。
 知らない人のために説明しておくと、和泉愛依は283プロダクションのストレイライトというボーカルユニット(黛冬優子・芹沢あさひ含めて計3名)に所属するアイドルであり、クールなミステリアスキャラして人気を集めている。そんな彼女の裏の素顔が実はギャルだった、という噂が広がったことで炎上したのである。

 そして、件の動画が投稿されてから1週間後。炎上が冷めやらぬ中、和泉はツイスタでこんな文章を投稿をした。

ツイート3

ツイート2

 肯定か、否定か、あるいはどちらとも取れない謎めいた文章だ。この匂わせがさらなる憶測を呼び、今に至るまで論争を巻き起こしている。以上が一連の騒動に関する現在までの経緯である。


疑惑は証拠不充分

 さて、真っ先に強調しておくべきことがある。それは「和泉がギャルであるという決定的証拠は無い」ということだ。件の動画でギャルとして振る舞っている和泉が撮影されていれば話は別だが、動画投稿者が話しているだけだ。
 和泉本人の「噂よりもステージを見てほしい」という投稿については、「デマだと明確に反論しないのは肯定と捉えてよいのでは?」とする意見があるが、逆に「角が立たないようにやんわりと伝えているだけで、噂自体は否定している」とする意見もある。しかし、どちらも文脈を勝手に汲み取って判断しているに過ぎない。「和泉は明確な肯定も否定もしていない」という点には注意すべきだ。

 動画、本人の投稿。この二つとは別の角度からギャル疑惑について検証する向きがあるが、いずれも根拠は希薄である。

ダブリュー速報

 代表的な二つの意見がこの記事で取り上げられている。見てみよう。まず「電車でバカ笑いする和泉愛依を見た」というツイスタの投稿。これはよく似た別人の可能性がある。
 次に「Hide & Attack」の「仮面を纏って ミライへ攻める」「艶やかに咲いた 演じる私(Mysterious)」などの歌詞が、裏の素顔が異なることの匂わせであるという意見。これはユング心理学でいうペルソナやシャドウを表現した歌詞であり、今回の騒動に偶然一致しただけだろう。……と、明確に否定する根拠があるわけではないのだが、完全に信用する根拠がないこともまた事実である。
(なお同記事では「283プロダクションのプロデューサーは最近、競馬場に通い詰めている」という根拠も関係も無い噂によって印象操作を行なっている。元より信用に値しない三文記事であることは明白である)

 このように、和泉のギャル疑惑は、あくまでも疑惑の域を出ないのである


ファンの暴徒化

 ここからが本題だ。俺はツイスタのタイムラインでこんな投稿を見かけた。

ツイート4

 この投稿を見た時の俺の憤りと悲しみは、ファンの方々にはご理解いただけるだろう。
 普段はこの界隈を知らない人間が、スキャンダルを聞きつけて面白がって叩きに来る。そのことに怒りを覚えるのは痛いほど分かる。しかし、和泉本人の発言を叩き棒にして攻撃するなど、ファンとしてやってはならない愚行だ。和泉の投稿は様々な憶測を呼んでいるが、少なくともファンネルを飛ばすためにこのような投稿を行なったわけではあるまい。
 ましてや引用投稿なのだから、本人に通知が飛んでいるかもしれない。もし和泉がこの投稿を見たらどう思うだろうか? 自分の代わりに言い返してくれたファンを見てスカッとするか?——和泉はそんな人間ではあるまい。和泉は口数が少なく、ユニットのメンバーである黛と芹沢をライバルだと語るが、その言葉ひとつひとつには、ファンやユニットのメンバーへの思いやりが確かに感じられる。ゴールデンアイドルフェスの人気投票の際、黛と芹沢の写真ばかりアップしていたことが俺はとても印象に残っている。
 上記の引用投稿を見れば、和泉はきっと傷つくだろう。自分を応援してくれているファンが他人に暴言を吐いているのだから。

 発端となった動画には2000以上の低評価がつけられている。確認してみたところ、他の無関係な動画にも低評価がつけられている。ファンによる低評価爆撃が行われているのだ。コメント欄ではファンが動画投稿者を辛辣な言葉で非難したり、煽られたら言い返す不毛な言い争いが繰り広げられている。動画投稿者のツイスタにも攻撃的なリプライが少なからず送られている。

 このように、ファンの一部が暴徒化しているのが現状だ。もし本記事を読んでいる方で同様の行為をしている方がいれば、即刻やめるようにお願いする。悪質な輩を黙って見過ごせというのか?——気持ちは分かる。しかし、いちいち反応するのは餌をあげる行為に等しい。今こそ我々ファンの民度が試される時だ。あくまでも誠実に。悪意のある歪んだ書き込みは無視するか、反論するにしても感情的にはならず、本記事のように論理的な語り口を心がけてほしい。長い目で見ればその方がより多くの理解者を得られるはずだ。
 そして、そのような行為をしているファンを見かけても直接は糾弾しないでほしい。ファン同士の内ゲバで界隈が余計に荒れることになってしまうからだ。ステージに関係ないところで揉め事が起きてしまうのは避けたい。騒動以前からストレイライトの注目度は高まっていた。ファン人口が増えれば争いが増えるのは必定。それを少しでも減らそうと意識することが、彼女達を応援することに繋がるだろう。

 前回の記事を読んだ方は「お前が言えた義理じゃないだろ」と思われるだろう。全くその通りだ。俺は当該記事で一部のファンに対して「恥を知れ」などと暴言を吐いた。今では深く反省している。この場を借りて謝罪する。


和泉愛依の真意を考える

 誰も和泉のことを見ていない、見失っている——ファンの暴徒化を見た俺はそんなことを思った。不確かな情報が蔓延していることも手伝って、悪意のある者はあることないことを書き込み、一部のファンは彼らを言い負かすことに躍起になっている。これではイタチごっこだ。せっかく和泉出演のホワイトデーCMが公開されたというのに「やっぱ愛依はクールキャラなんだよなあ」「露骨にごまかしてて草 ギャル疑惑が真実味を帯びてきたな」と、いつまでも騒動のことが引き合いに出される始末である。正直、見るに耐えない。

 そして、ふと思った。和泉は俺と同じ光景を見たのではないかと。

 平穏だったファン達が騒動を境に荒れ始めた。その中心人物である和泉は俺以上に——いや俺なんかが比べるのはおこがましい程、この現状を憂いているのではないか。

ツイート3

 それを踏まえて例の投稿を見ると気づかされた。そうだ、和泉愛依は噂の中にいるのではない、ステージにいるのだ。俺も噂に踊らされて「和泉はこうだ、和泉はこうではない」と自分なりの"和泉愛依像"を考えたが、一体何の意味がある? それは自分の考えを押し付けているだけだ。俺は本物の和泉愛依ではなく、和泉愛依を模した偶像を崇拝してしまっていたのだ。
 仮に今の状況で「実はギャルでした/ギャルではありません」と公表しても、叩くための口実を与える結果になってしまい、誰かの手によって歪められた"和泉愛依像"が流布される危険性がある。だから安易に公表することができなかったのかもしれない(とはいえ曖昧な態度が原因で余計に燃え広がってしまったり、ファンに叩き棒を与えてしまったりという現状を見ていると、彼女の発言は軽率だったと言わざるを得ないが)

「噂で形作られた偶像ではなく、本物のあたしを見に来て」

 これは和泉なりの愛と覚悟ではないかと俺は思う。心が荒んでしまったファン達に「噂なんて気にしなくていい。たとえどんな噂が広がっても、私は、"和泉愛依"は変わらないから」と伝える。そして、応援してくれるファンのために最高のステージを見せるという覚悟。和泉愛依が"和泉愛依"というブランドを守るための戦略——たった25文字の言葉に、いくつもの思いが込められているのではないか。
 噂の肯定だの否定だの、低次元なレベルでしか思考していなかった己自身を恥じた。和泉はすでにさらなる高みにいたのだ。俺達はこんな所に留まっているべきではない。でないと、和泉に置いていかれてしまう。

誰かが作った道を(Dash!) 追い越したその先で(Breakout!)
胸に 滾る夢を この手でつかむの
「Wandering Dream Chaser」

 和泉はギャルか、否か——現時点では分からない。どちらでも構わない、と俺は思う。俺達が見るべきなのは"ミステリアスキャラの和泉愛依"ではなく、"ギャルの和泉愛依"でもない、"和泉愛依"なのだから

 以上、俺なりの意見を述べさせていただいた。本記事の内容も所詮はアフィブログと同等の信用度しかない。なので本記事を鵜呑みしたり、叩き棒としたりしないように。俺が考えた和泉愛依ではなく、あなたにとっての和泉愛依を信じればいい。彼女はその期待に必ず応えてくれるだろう。

 それでは今週末のライブでお会いしよう。一連の騒動などお構い無しに、ストレイライトは最高のダンスパフォーマンスを見せてくれるだろう。なぜなら彼女達は——

Day after day 彷徨っても 辿り着く
高鳴る鼓動が鳴り響いてる
Wandering Dream Chaser

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