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少女の「選択」、その向こう側へ——プロローグ感想【ブルーアーカイブ】

「……私のミスでした。」

・最初の台詞がこれ。いやもうこの時点で名作の予感。さながら東野圭吾「秘密」の一行目、「予感めいたものなど、何ひとつなかった。」に匹敵する妙技。これから語られるであろう不穏な出来事を、あえて婉曲的かつ端的に表現することで、読者に想像を掻き立てさせて、物語にグッと引き込ませる。

・""私の""ミスでした——自らの過ちを認める誠実さ。唇を少し噛んで悔恨の情をグッとこらえる様子が目に浮かぶ。少女の巨大感情が短いセンテンスにギュッと凝縮されている。素晴らしい。いきなり脱帽ものです。

・ってことでYostar運営(NEXON Games開発)によるソシャゲ「ブルーアーカイブ 」を始めてみました。

・ち、ちげーよ! えっちなイラストに釣られたわけじゃねーよ! なんか最近巷で噂になってるから……いや、やっぱり自分に嘘はつけねえ。性癖に刺さりそうなキャラが多かったので始めてみました。どけ!! 道を開けろ! 俺ぁキモオタになってブヒるためにこの門扉を叩いたんだ!! ソシャゲを始めるきっかけなんて大体そんなもんだろ!

・初見勢の感想は酒の肴。よければお付き合いください。


謎の少女、「選択」

「心延え」ってワードチョイスにオタク心くすぐられる。""理解""ってんねえ!!

・ストーリーの冒頭に話を戻すと——ギャルゲによくある、意味深かつ情感のあるモノローグから始まる。語りかけてくる謎の少女は、自分の「選択」によって世界に災いを招いてしまったことを重々しく語り、次の「選択」を主人公に託す。

「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。」
「何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……。」
(中略)
「この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……」

「そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。」

・ループもの? 並行世界もの?

「選択」を託される、って良い演出ですね。この手のノベルゲーって、まずゲームシステムとしてプレイヤーが選択肢を選ぶ場面が何百回、何千回もあるじゃないですか。で、その「選択」に、私(プレイヤー)だけじゃなくて、私を信頼してくれた少女の決意も加算される。いやもう重みが全然違う。これを最初に持って来るのマジで巧い。構成力よ。

・抽象的な台詞だけなので全容は見えない。ストーリーを読み進めるうちに、点と点が線で繋がって、エンディング後に読み直すと、鳥肌がぶわあーってなるやつだ。俺は詳しいからわかるんだ。頭の片隅に入れておこう。

・つかBGMと透明感のあるアートワークがすげえいいな……台詞回しといい、なんかオタクの血が騒ぐというか。めちゃくちゃ引き込まれる語りだ。


連邦生徒会

・謎の少女の語りが終わると、連邦生徒会室なる場所で目を覚ます。案内役は連邦生徒会所属の七神リン。ヒソヒソ……ねえねえ聞きましたか奥さん。連邦生徒会ですって。はー……オタク心をくすぐる言葉選びがお上手ねえ……

・学園都市の危機を救うために任命された先生、それが私。らしい。詳しい事情はよくわからないけど、とりあえずついていくことに。

うおっすっげえ!!!!
でっかいビルがたくさんある!!!!

景色めっちゃ綺麗!!!

えっ? すすす数千の学園!? そんなにあるんですか!? はえー……すごいところッスね……オラの住んでた田舎とは大違いだっぺ……

・主人公よく冷静に説明聞いてられるな。私ならショーケースに飾られたおもちゃを眺める子どもみたいに、エレベーターのガラスに張り付いて「すっげ、すっげ……!!」ってなっちゃうよ。

性癖チェックの時間と言わんばかりに色んな生徒が登場。ここに三匹のポケモンがおるじゃろ? 好きな子でフェティシズムを満たしなさい。

・エレベーターを降りると、各学園の風紀委員(画面左)や正義実現委員会(画面右)に囲まれて……せ、正義実現委員会!? あなた、さては名前とは裏腹に血みどろな仕事を遂行してますね!? 興奮してきたな。キャラデザもネーミングも最高に中二心がくすぐられるぜ。後日じっくり個別シナリオを読ませてもらおうか。

・さておき。どうやら各学園で治安に関わる問題が発生しているらしい。みんな当然のように銃で武装してるけど、自衛のために必要なんだね。

・「現場はこんなに疲弊してるんですよ! 上はいったい何をやってるんですか!」「申し訳ありません。ただいま対策を協議中でして……」どんなに逼迫していても上には届かない現場の声と、各々の思惑の板挟みになる中間管理職の構図。うーん、見てるだけで胃が痛い!

・連邦生徒会長(冒頭に登場した謎の少女)が失踪したことで、サンクトゥムタワーの最終管理者が不在になり、連邦生徒会は行政制御権を失った状態に陥ってしまった。その権限を取り戻すために、連邦生徒会長から指名された私が必要とのこと。オッケー。よくわからんけど任せてくれ。こういうのはノリで楽しむのが大事だもんな。たぶんロボットアニメの導入みたいなもんだ。

・主人公は連邦生徒会長が立ち上げた部活・連邦捜査部「シャーレ」の担当顧問に任命された。これは超法規的機関で、各学園の生徒を制限なしに加入させたり、各学園の自治区で制約無しに戦闘活動を行うことも可能……えっやばっ。大丈夫? 職権濫用の温床にならない? つーか濫用するよ。私の性癖にドンピシャな生徒達を各学園から集結させてやんよ。ケモミミの楽園を築いてやるからな。

・連邦捜査部ってことは、海外ドラマで言うとFBIだ。地元の捜査当局と揉めるやつだ。テンション上がってきたな。何はともかく、連邦捜査部の部室を奪還する必要があるらしいので、さっそく現場へ——

ドガアアァァァァン!

街が火の海になっていました。ま、待って。テロが横行するほど深刻な危機的状況に陥ってるのこの街!? おい! ケモミミの楽園を築くとか言ってる場合じゃないよ! マジですんません……精一杯頑張らせていただきやす……

・主人公は後方から生徒達の指揮官として行動。生徒達は実弾を受けても「い、痛っ!!痛いってば!!」「傷跡が残るでしょ!」で済む。つっよ。なんか「GUNSLINGER GIRL」っぽさありますね。


ワカモ、アロナ

・今回の騒ぎを起こした黒幕がこちら。ワカモ。よっしゃ第一ケモミミ枠発見。そして仮面かあ……!! 私はポケモン剣盾のオニオンくんでその性癖植え付けられたなあ。実は圧倒的な美貌の持ち主だけど、でっかい火傷の痕を気にして仮面をしている、みたいな文脈があってほしいな。

・いかにも悪役っぽい見た目だけど、ポンコツな言動を見せて退散していきました。オイラ、ガチャ画面で見たから知ってるよ。この子はえっちな水着衣装あるよ。序盤の悪役が味方サイドになった途端にギャグ要員・お色気担当になるやつでしょ。

・部室の奪還完了。リンから手渡されたのはタブレット端末——「シッテムの箱」。これでタワーの制御権を回復させることができる。パスワードは冒頭に登場した「……我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を。」。いいぞいいぞー。すげえワクワクするぜ、こうやって固有名詞がバンバン出るの。ジェリコを探すンゴ〜。

・システム起動。すると、セカイ系っぽい教室に飛ばされました。そこではちっちゃい女の子が甘いお菓子の夢を見ながら、机に突っ伏してスヤスヤと寝ていました

・なんだろう、この既視感。見たことのない光景のはずなのに。あらゆるコンテンツで表現されてきた、演出としての「心象風景」が、洗練された形で目の前に広がっている……たとえるなら、一級品の塩ラーメン。さっぱりとしていながら、深いコクが舌に残り、クリアな喉越しが突き抜ける。不思議と安心感と懐かしさを覚える味わい。こういうのでいいんだよ、こういうので。

・このクッッッソかわいい幼女の名前はアロナ。白いチョーカーがちょっとフェチ感じる。「シッテムの箱」のメインOSで、たぶん電子妖精みたいな存在。先生をシステム利用者として登録するために、指紋認証を行うことに——

これ指以外の部位をタップすると、
「ど、どこ触ってるんですか!」って叱ってくれるやつじゃね!?

・(ツンツン)……違ったわ。ちぇっ。

・指紋認証に手間取るアロナを見て、ちょっとからかう先生。すると彼女はいじけてしまう。かわいい(かわいい)。先生は冗談だったと慰める。

(いっぱい慰めてあげた)

・いや、うーん……何がとは言わんけど、汚れた大人になっちまったな、私……

・シッテムの箱、もといアロナの力で、サンクトゥムタワーの制御権を回復し、その権限を連邦生徒会に移管。これで行政管理が元通りに遂行できるように……しかし、各学園には問題が山積み。連邦捜査部として——先生として、生徒達と協力しながら、様々な事態に対処しなければならない。私達の戦いはこれからだ! ってところでプロローグは終了。


完走した感想

「うおっ出たあ!」って声出た。ケモミミは大歓迎よ!

・ふーん、おもしれーソシャゲ……

テキストの質感、透明感のあるアートワーク、耳に残るBGM。どれも今時っぽい、一方で古き良き趣すら感じられるセカイ系の雰囲気があり、ガジェットが満載。どれもオタク心にぶっ刺さりますね。なんつーか、調味料のバランスが絶妙。ちょっとでも塩や砂糖の加減を間違えると味が崩れちゃう。はえー……最近のスマホゲーは凝ってんなあ……3Dデフォルメもヌルヌル動くし……

・そして噂に聞いてた通り、性癖のデパートの様相を呈している。気になった子を一人挙げるとすれば——

・この子。正義実現委員会のハスミ。プロローグが終わり、初めてメニュー画面に遷移すると、いきなりこの子がいて、「こんにちは。今日初めて先生と会った人は、私ですか? ……嬉しいです。」と。

・この見た目で、この低い声で、人となりをまったく知らない子から突然これ言われるんですよ。怖すぎるだろ。警戒するだろ。気になったのでおさわr……タップしてみると「遅かったですね。また寝坊したのですか? またこうやって私を待たせるのでしたら…直接起こしに行きます。」という待機ボイスが。

あーいい。陰があって、愛が重そうな子、私、好きだから……古典なら「道成寺縁起」とか、「ドキドキ文芸部」ならユリが好きだから……黒、青、紫系統の髪色ならなおよし……

・でも私の経験上そういう子は……大丈夫? 死なないよねハスミ? 私が愛した子って大抵ひどい結末迎えるから……ってか今さらだけど、なんでスカートにそんなにスリット入ってて、ガーターベルト丸出しなんだよ。風紀はどうなってんだ風紀は!

・トップ画面のイラストでちょいちょい映ってた、銀髪猫耳の子も気になりますね。あっそういえば、ボーイッシュというか、ジェンダーが曖昧な子いるかな。「やあ先生、調子はどうだい?」って感じで話しかけてきてさ。そういう子がいると安心してガチ恋夢女子になれるんだけど。

・……っと長くなりそうなので今回はこの辺で。冒頭でも述べた通り、最初に登場する謎の少女の語りで、グッと引き込まれました。彼女が口にした「選択」にどれほどの意味が込められているのか。少しずつ明かされていくであろう全貌に、期待が膨らむばかりです。

・ソシャゲが長続きした試しがない(唯一シャニマスだけ続けられた)ので、いつまで持つかわかりませんが、気が向いたらまた感想記事書きます。それではまたどこかで。