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ある愛の物語

シエスタの加藤です。

先日お便りしました、クリスマスシーズンにここ数年お便りしている、エピソードをお話ししますね。

それは、今から6年ほど前のことです。

お店に1本の御予約のお電話がありました。

「プロポーズしたいので、コース料理を予約できますか?」

このような内容でした。

当時のシエスタは、コース料理のお値段の上限がお一人5000円でしたので、

5000円の記念日コースをおすすめすると

「金額は2万円でも3万円でも良いので、兎に角豪華なコースにしたいです!」

このようなお答えが返ってきました。

お客様の一世一代のプロポーズのお食事です。

私も豪華食材で、おもてなししようと、食材探しが始まりました。

前菜はフォワグラ料理、締めのオマール海老のパエリアは早々に決まりました。

しかし肝心のメインディッシュのお肉が、なかなか決まりません。

肉質の良い柔らかな、お肉を探しました。

やはり地元のお肉を使いたい!

そして最終的にたどり着いたのが、岐阜県で一番美味しいお肉、名産とも言える飛騨牛でした。

そして試食が始まりました。

ロースは霜降りで焼き肉には最適かもしれませんが、コース後半にお出しするメインとなると少し重く感じました。

ソースと合わせるには、もう少し淡泊なお肉がいいはず・・・

そこで飛騨牛のA5ランクの最高級ヒレ肉を取り寄せて、メインデッシュが決まりました。

そして御予約当日。

お客様がご来店されました。

これからお二人の大切なディナーがスタートすると思うと、私も緊張してきました。

クリスマスのBGMが流れる店内で、お二人がワインとカクテルで乾杯された後、

前菜

フォワグラ料理

と順番にコース料理をお運びしていきました。

お二人はゆっくり時間をかけてお食事を楽しまれているご様子で、会話も弾んでいるようです。

メインデッシュの飛騨牛をお出しする頃には、私も少しドキドキしてきました。

最後のオマール海老のパエリアを召し上がり、いよいよプロポーズのそのときが近づいてきます。

デザートとお飲みのもをお出しして、厨房よりお二人を見守っていました。

すると男性がおもむろに立ち上がり、フロアに片膝をつきます。

左の手のひらには指輪のケース。

そしてゆっくりと蓋を開けました。

厨房の私は瞳を閉じて、両手の指を組み、祈るように、お二人の幸せを願っていました。

そして数秒後、私がゆっくりと目を開けると、女性は満面の笑顔。

左手の薬指には、キラリとリングが輝いていました。

お二人が結ばれたことが嬉しくて、私は厨房で拍手しました。

あれから数年経ちました。

プロポーズのお食事を御予約下さった、お客様がご来店下さいました。

お料理は前回と同じコース料理です。

今回はお二人ではなく、お子様と一緒に。

そのコースの名は、プレミアム記念日コースと言います。

そんな幸せな思い出が詰まったお料理を、今年もクリスマスコースとして、お出ししようと思います。

ただ、今年は例年と違い、輸入食材が不安定です。

円安や戦争など政情不安。

フォワグラも、全く入荷しません。

ですが、私はシェフ暦21年のベテランです。

クリスマスのディナーにふさわしい、お料理のアイデアは沢山溢れてきます。

2022年のクリスマスのディナーも、新作も含んだワクワクするお料理を考ております!

後は食材が揃うか確認してから、Xmasコースのご案内をさせて頂きます。

1つ入荷するかどうか、不安な食材があるのですが・・・・

それはある有名人のお気に入りの食材で、入荷困難と言われていますので。

早急に確認してみますね!

明後日の12月2日
17時頃詳しいコース内容をお便りしますね!

どうぞお楽しみに(^_^)/

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