見出し画像

看護師さんがぐっと身近になりました(ふりかえり卵巣がん日記 #16)

今回は前回書ききれなかった、A先生診察後の「看護相談」のこと。
スーパー看護師Dさん登場!

「何かあれば私に言ってくださいね」

さて、診察の後は「がん相談支援センター」のCさんが予約してくれた「看護相談」です。担当してくれたのは看護師Dさん。Dさんは私が待合室で座ってる時から「うずらさんですよね、今日は後でお話をしましょう」と声をかけてくれて、診察中も最初から最後まで付き添ってくれました(A先生の後ろで一緒に話を聞いてる感じ)。気持ち的には優しいお姉さん(いや、年齢的にはずーっと年下だと思いますが)が見守ってくれてる〜みたいな感じです。支援センターのCさんから事情を聞いてのことなんだと思います。この連携プレーも頼もしい。

看護相談は婦人科内の個室で、おもに卵巣取る取らない問題を相談しました。他の患者さんはどうしてるか、などの例を聞いたように思いますが...スミマセン、実はこの面談の詳細はほとんど覚えていません。この前のA先生の診察で、知りたいことはほぼ聞けて、不安も無くなったおかげで、気が抜けちゃったんですね。Dさんとの面談では「ピンポイントでこれ聞くぞ!」って感じではなくなってしまいました。(気が緩んで、録音もしなかったんですよね。しておけばよかった。)

何でも聞けば答えてくれたんだと思いますが、それよりこの時は、看護師さんと接点ができたというのがいちばん大きな収穫でした。前にも書いたとおり「看護師さんって誰?」状態だった私ですが、Cさんに続きDさんも、私にはすごく話しやすい人で、わりと打ち解けた親しい雰囲気で相談できたんです(肩の力が抜けてたからこそ、なおさらだったのかも)。なんだかんだ30分くらいかな?いろいろ(そうだ思い出した、術後の生活の工夫なんかも教えてもらったんでした。今からネットスーパーを試しに使って慣れておくといい、とか)話をして「何かあればいつでも私に言ってください」と言ってもらえた(そして連絡の取り方も教えてもらった)ことが、お守りのようになりました。(じっさい、この後の抗がん剤治療前に「どうしよう...」と困惑することがあり、Dさんが指示してくれたとおりに電話して「Dさんと話がしたいんですが...」とリクエストしたこともありました。)

そして「Dさんスゴイ!できる人!」と決定的に信頼感を寄せることになったヒトコマがありました。

母は(はい、この日まで母が一緒でした)診察中も、看護相談中も、何も口を挟まずそばで聞いてただけだったんですが、母もまたDさんの醸し出す雰囲気に和んだのか、面談終了まぎわ、Dさん相手にまるで顔見知りのお嬢さんに世間話をするように「手術後は、ウチにしばらく居れば?と言ってるのに、嫌がるんですよ〜」みたいなことを言ったんです。(50過ぎの娘に対して「この子ったらまったく」みたいな感じですよ。いやはや、毎度お恥ずかしい.......)

するとDさん「そうですよね〜、お母様としては心配ですよね〜」みたいに調子を合わせることなく
「親子でも離れて暮らしていると、それぞれのペースがありますよね。うずらさんもご自分のペースがあると思いますし、お仕事もありますしね。大部屋で多少気を使ったりした後で、お一人になったほうが気楽なこともあると思いますし」と(一言一句正確に覚えてないけど、こんな感じ。あぁ録音しておけばよかった)要するに「お母さん、構わないでほっといてあげるのが一番です」的なことを、何ひとつ母がひっかかるような、気を悪くするような要素なくキッパリとうまーく言ってくれたのです。

今までいろんな患者とその家族と関わってきたんだろうけど、それにしてもすごい。私と母の関係性まで、なんで分かるんだろう?そしてこの伝え方の上手さ!コミュニケーション力、ハンパない!
直接は治療と関係ない、こんなところでもDさんの人となりに感銘を受けた私は、今でも外来でテキパキと動いているDさんをお見かけするたび、遠くから心の中で最敬礼しています。

「良性だと思ってたのに」 by母

さてさて、この日で病気と手術の詳細については全部聞けた感じかな。そこで、この日まで付き添ってくれた母には、病院の後お茶しながら「もう次回からは私1人で大丈夫だから」と感謝とともに伝えました。

母は「悪性の可能性が9割だなんて...」と多少ショックを受けてるようなので、いやいや、もともと悪性の可能性が高いってとこからスタートしてたでしょ...とこれまでを復習して話しましたが、あまりピンときてない様子でした。なぜか母は「たぶん良性」と思い込んでいたようです。同じ話を聞いてたのに...なんで?ふだん母は私よりずっと、頭の回転も早いし理解力もある人なので「あれ、どうしたんだろう?」と思いましたが、この時「人は自分の聞きたくないことや知りたくない情報は、無意識に避けてしまうんだな、都合の良いほうに解釈してしまうんだな。」と実感しました。でも、それは誰でも、もちろん私もそうで、多方面で気づかないうちにそうしてることが日々いっぱいあるんだろうなーと思います。
まぁ、だからケンカや戦争になったりするんだよな(って話が大きくなりますが)。特に病気について100パーセント客観的でいられるのって、まず不可能なんだろうな、と思いました。

次回が手術前ラストの診察、そして同じ日に受けた麻酔外来も「へー!」と目新しいことばかりでした。これはまた来週。 (つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?