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あとは入院するだけー前編(ふりかえり卵巣がん日記 #17)

さてさて、入院前最後の診察です。
2019年5月7日、この日はスケジュール盛りだくさん。

午前中は看護相談(前回のような予約制の相談枠ではなく、婦人科の手術を受ける人全員必須のオリエーテーション)が30分くらい、その後すぐにA先生の診察。午後は麻酔オリエンテーションで麻酔の説明を聞きました。

じゃ、順番に振り返っていきます。

ホントに手術翌日に歩くんだ...

まず看護相談。
個室で看護師さんと一対一で、2週間の入院生活のスケジュールと、手術のために用意しておくものについて説明を受けます。(この時の看護師さんはDさんではありませんでした。)

この時もらったスケジュール表には「食事」「検査」「活動」「薬」などの項目が、入院前から退院の日まで、1日ずつ分かりやすくまとめてありました。
「手術の2日前から普通のご飯じゃなくなる」とか「手術の翌日から歩行訓練をする」(あ、これ噂で聞いてたけどホントなんだ)なんていう詳細も、一通り説明されます。(「入院前に陰毛のカットと、おへその掃除をしておいてください」の注意もこの時に。)

次に、用意しておくもの。これもプリントを見ながら説明を聞きます。
「腹帯(ふくたい)」なんていう聞きなれないものもあるし「テープ留オムツ」がラインナップされてるのもリアル。他には「フェイスタオル、夜用ナプキン、ショーツ、保湿クリーム」など、身の回りのものでも、あらためて補足説明が必要なものもありました。フェイスタオルは氷枕が包めるように長いものを、ショーツは傷などを圧迫しないワンサイズ大きいものを...などなど。

「かさばるし、どれも病院内のコンビニで買えるから入院してからでもいいですよ」とのこと。それがカンタンだな、と腹帯やオムツなどはそうしました。

この看護相談の時間では、プリントに補足メモを書き込んだり質問したりしながら、まるで旅行のオリエンを受けてるかのような微妙なワクワクを感じていました。だって私、入院も手術も生まれて初めて。興味津々です。そして何より日常からスッパリ切り離されて2週間も過ごせる、というのは実はちょっと(かなり?)楽しみでもありました。じっさい、話をした友人2人(いずれもフリーランス)からは(入院が)「うらやましい」「いいな〜」という感想をいただいたほど。そうでしょ、いいでしょ〜と笑いました。たとえ病気がらみだろうと、日常とかけ離れたところに行ける。これは旅行の楽しさと同じだもの。

それにしても。こういうスケジュール表みたいなの、治療でも最初にもらえたらいいのに。最初にザーッとおおまかな流れを把握できるように。「卵巣がんオリエン」もあればいいのにな。

「子宮は卵くらいの大きさですから」

続いてA先生の診察です。前回の診察からほぼ2週間経って、この間にまた少し心配なことが出てきました。前回、聞きたいことは全部聞けて不安は一掃されたはずなのに、不安は時間ともにいろいろ動いていく...っていうか、時間があるからついつい、あれこれほじくって不安を見つけちゃう、って感じでもあります。やれやれ。

私は石橋を叩いて渡る前に叩きすぎて壊すようなところがある、と自覚してます。すべてについてそうならいいけど、「チョコレート嚢胞は放置」みたく、大きな穴もドカドカ開けてすっぽり落ちたりするのも同じくらいある。こういうのは子供のころから変わらずで...頑張った甲斐あってバッチリ!の試験の回答に名前書かずに出す、みたいなのがしょっちゅうでした。もう、治らない性分とあきらめていますが...

で、掘り返しちゃった不安っていうのは、
「がんは、本当に卵巣にとどまってくれてるの?」(そもそも、手術は2ヶ月後でも大丈夫って、どうして分かるの?)
「悪性の可能性9割って最初は聞いてなかったけど、はっきり数字が出てきたってことは、最初の診断より悪い方に振れる根拠があった?」 

最後の診察だしね、とこれらをA先生に質問しました。いやー、付き合ってくれる先生も大変ですよね。
治療終了から少し時間も経った今、「ドクターを信頼する」ことと「不安」とは別モノなのか?なんでも質問すればいいってもんでもなかったのか?と疑問に思うこともあります。この時は必死に「聞きたいことは聞く」を頑張ってきたけれど..。このあたりについて最近思うこと、いろいろあります。これはちょっと長くなりそうなので、また別の日に改めて書きます。

話は戻って。
「がんは、卵巣にとどまっててくれるの?」は、じつは最初からぼんやり不安でした。最初はおとなしくとどまってても、2ヶ月の間に転移しちゃう、なんてことはないのかな?他の不安要素を解消したら、もともとの素朴な疑問が顔を出してきました。このお腹の中にがんがいる、と思いながら過ごしていると、やっぱり気になります。毎日「大きくならないでよ、暴れないでよ...」と話しかける感じでした。

A先生アンサーをまとめると
「見つかった時点で卵巣以外のところに悪いものが無さそうな場合は、1ヶ月や2ヶ月であまり変化は無い。これが進行がんと違うところ」とのこと。これは前に聞いたのと同じ答えですね。これはがんの種類とか、形とか、そういう問題でもないそう。
この時は「もう、そういうモンなんだ、大丈夫なんだ」と、それ以上心配しないことにしました。(でも、今また改めてこれを考えてみると...進行がんも、もともとは初期だったのかな?...そこに移行しちゃうのはどのタイミングなんだろう...それとも別物なのかな?あぁ、また石橋を叩きすぎか?)

こういうのは、最初に微かにでも「ん?」と思ったときに素直に
「えっ、がんってすぐに取るものかと思ってました。本当に広がったりしないんですか?」みたく聞いちゃえればよかったんですけどね。

なので、悪い方に振れてるってこともないわけです。そんなに急に変化のあるものでは無いんだそう。そうですか、よかったです。
で、時間があるからほじくり返すのと一緒に、術後のことも少しずつ気になり始めてたので、それも聞いてみました。


「がんじゃないほうの卵巣を残した場合、定期検診などでフォローするんですか?」

A先生
「通常、閉経期以降の年齢であれば、そこから卵巣に腫瘍が出来てくることはあまり無いので、定期検診をするわけではなく、通常の婦人科検診で診てもらうことになります。」

閉経期以降なら、腫瘍になることもあまり無いのか。卵巣を取る取らないは、まだ決めてないけど、この時は「それなら取らなくてもいいかな」と思いました。(前回は「取ってもいいかな」と思ったのに。まだまだ迷います。)
卵巣問題を続けて質問します。


「開けてみて『(がんじゃないほうが)あ、こっちも悪そう」ってこともありますか?」

A先生
「あります」


「じゃあ、『その時には取ってください』っていうお願いの仕方もできますか?」

A先生
「はい、それはできます」(そして、そういう場合には残して欲しいという希望があった場合でも取ることになると。この話はする予定だったとのこと)

そうなんだ!それなら、そうオーダーするのも良いかも。判断を先生に任せちゃう、っていう。それがいいかな?(まだまだ迷います。)
続けてこれまた素朴な疑問。


「あの、子宮を取ったら、すき間ができて内臓が動いちゃう(ヘンな位置にずれちゃう)なんてことはありませんか?」

A先生
「子宮はそんなに大きいものではないので...卵くらいの大きさなので。そんなことはありません(笑・笑)」

やった!クールなA先生を笑わせたぜ...いや、そういうことでは...でも、笑われてもイヤな感じでは全くなかったです、むしろ和みました。
さらに、ステージ1だった場合の抗がん剤治療についても、聞いてみました。やる可能性が高いんでしょうか?

A先生曰く、ステージ1の中でも最も症状の良いステージ1A、その中でもがんの顔つきがおとなしいものだった場合のみ、抗がん剤は省略してもOK。
でも、それは卵巣がんの中でも1〜5パーセントという稀なケースなんだそうです。まず、「抗がん剤はセットでやるもの」と思っておいたほうがいいな(と、頭で理解しても、この時は目前の手術のことでいっぱいいっぱい。抗がん剤のことはあまり眼中にありませんでした)。

最後にA先生「これで入院、手術で大丈夫ですか?もう1回診察しますか?」と聞いてくれました。
じゅうぶん話も聞けたし、もう、大丈夫。「大丈夫です!」と答えると、A先生もにっこりと「(これで入院前の準備は)大丈夫だと思います。」続けて「23日〜28日の間に入院になります。明日には(確定日を知らせる)電話が行くと思います」と。いよいよ具体的に入院スケジュールが見えてきました。

そしてこの日は、卵巣をチェックするのと同時に、子宮頸がん、子宮体がんの検査もしました。(卵巣の変化は特にありませんでした。)

あれ、また診察の話が長くなっちゃいましたね、麻酔オリエンまでたどり着けなかった。この続きはまた来週。 (つづく)

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