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スマートホームで始めるIoTのすすめ【SiEEDのタネ #3】

・はじめに

はじめまして!SiEED学生スタッフの赤田です。現在は大学院で人工知能を用いた電子回路設計についての研究を行なっています。

起業家精神養成プログラムの一環ということで、理系大学院生として、起業家を目指す方々の力になれるような知見を共有したいと思っています。初めての投稿として、この記事ではIoTについて紹介していきます!

・IoTって?

突然ですが、IoTって聞いたことありますか?最近色々なメディアで取り上げられているため、聞いたことないという人の方が少ないかもしれません。

情報通信白書によれば、

IoTのコンセプトは、自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すというものである。これにより、製品の販売に留まらず、製品を使ってサービスを提供するいわゆるモノのサービス化の進展にも寄与するものである。
参照:情報通信白書, http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc254110.html

と定義されています。単に様々なモノがインターネットにつながり、情報を享受するだけではなく、モノが主役となってインターネットを作っていく、という意味が込められていることから、「モノのインターネット」と訳されます。

モノのデータは収集され、ビッグデータとなり、AI等によって分析・活用されていきます。例えば、IoTを活用した農業である「スマート農業」では、気温、湿度などのセンサーを使って得たデータを、AIによって分析し、農作業の効率化を図ります。このように、AI時代の到来に伴って、IoTはその1つの要素として欠かせないものとなっています。したがって、IoTの活用は今後も継続的に増えていくことが予想されています。そんな中、起業したり、会社の中で新規事業を立ち上げよう!となった時にも何らかの形でIoT技術が必要になってくることは明らかです。上の定義を知っていることは大切ですが、「知っている」だけじゃなくて、「触ったことある!」になりませんか?進化の流れが早く、すべての人が平等に争うITの世界ではいかにスタートダッシュを早くきれるかが肝です。触ったことのあるなしで、その速度は大きく変わります。

・IoT学習の題材としてのスマートホーム

この記事では題材としてスマートホームを自分の家に構築して勉強しませんか?ということを提案します。

スマートホームとは、ITA(電子情報技術産業協会)によると

スマートホームとは、子育て世代、高齢者、単身者など、様々なライフスタイル/ニーズにあったサービスをIoTにより実現する新しい暮らしです。 住宅に設置されたセンサーや、様々なスマート家電生活支援ロボットなどがネットワークで結び付くことで、暮らしが「安心・安全、健康、快適、便利」になります。
参照:
https://home.jeita.or.jp/smarthome/about-smarthome/index.html

と定義されており、簡単に言えばIoTを用いて生活が安全・便利になる一つのケース、と言うことになります。

テレビのCM等で見る、部屋の中で「電気つけて!」と言うと電気がつくものは最たる例です。他にも、温度・湿度センサーなどを使って自動で空調を監視制御する、といった未来な家を構想しています。

IoTが実現しようとしている世界とスマートホームの共通点は、

「モノのデータを集約して、何かの制御を行うことで生活を豊かにする」

ことです。IoTが構想している大きな世界が、スマートホームに凝縮されています。自分の家にIoTの未来がやってくると考えると、ワクワクしませんか?

・具体的に何から始めるか

1. はじめてのIoTはスマートリモコンから

スマートホーム図2

Nature Remo公式ページ(https://nature.global/)より引用

何もやったことない人には、インターネットにつながり、赤外線を学習することができる「スマートリモコン」を使った学習がオススメです。画像中央の白い四角の装置はNature Remo miniと呼ばれる製品で、手のひらに収まるほどの大きさのスマートリモコンです。

スマートリモコンを通して、スマートフォンやスマートスピーカー(自分の声で操作できるスピーカー)から赤外線で操作できる家電を制御できるため、

「ただいま」とスマートスピーカーに言うと電気、エアコン、テレビの電源が入る

「行ってきます」と言うとすべての家電の電源を切る

というような操作が可能になります。こうした操作によってIoTの感覚を掴むのがお勧めです。スマートリモコンを設定する過程では、インターネットや赤外線についての知識が少し必要になりますが、ほとんどの製品がスマートフォンのアプリを使って設定できるため、初めての方も楽しんで勉強できると思います。

2. 一歩進んで

スマートホーム図3

これだけでは飽き足らない!という人にはRaspberry Piのようなシングルボードコンピュータを用いた集中制御をお勧めします。先ほど紹介したスマートリモコンを使った場合、基本的にできることはその機器の中だけで完結するような動作に限定されます。例えば、スマートリモコンのみを使って、「朝、外が曇っていたら自動で部屋の電気をつけて明るくしたい」というような、自分で思いついた動きを実現するには制限があります。

しかし、Raspberry Pi を用いると複数の機器を協働させることができます!これによって、

スマートロック(玄関の鍵をインターネットに繋いでスマートフォン等で施錠・開錠したり、状況を監視したりすることができるIoT機器)と一緒に使って、鍵が開いたら電気が自動で点灯するようにする

学校から家に帰る前にエアコンをつけておく

というように、できることの自由度を一気に高めることができます。

シングルボードコンピュータとは、普段使っているパソコンの必要最小限の部分を取り出してきたものです。できることはパソコンとあまり変わりませんが、必要最小限なため、消費電力が小さく、電源を切らずとも24時間使えるため、IoT機器との相性が良くなっています。価格も安価なため、気軽に試せます。

Raspberry Piのようなシングルボードコンピュータ はIoT系のサービスの開発によく使われます。価格が安価なこと、インターネットにつながり、自由度が高いことから、製品の量産に入る前の試作をRaspberry PIで行うという例が多いようです。この際に触っておくことで感覚を掴むと、応用が利きます。個人で学習する場合は、締め切りやゴールを決めにくいため学習が頓挫しがちですが、「スマートホームで快適な暮らしを!」という明確な目標があるとモチベーションも維持しやすいと思います。

3. 上級者向け

スマートホーム図4

スマートリモコンを使うことを提案しましたが、完成品を買わずに自分で作ることもできます。

できる事としてはスマートリモコンと同じになりますが、作っていく過程で各パーツを購入し、組み立てていくことでパーツの構成や価格の感覚を掴むことができます。IoTを主軸に置いたようなサービスを立ち上げる場合、感覚を知っておくことでスムーズな企画遂行を行うことができると思います。

必ずしも設計からやっていく必要はなく、インターネット上で無料の設計図が公開されているので、部品を注文して組み立てるだけでも大変勉強になります。触ってみたい人はSiEEDの部屋に来てみてください!

・まとめ

スマートホームを通してIoTに今触っておくことで、感覚を身につける方法を提案しました。普段座学で聞いている事も、このように手を動かすことで実践的に使えるようになると思います。自分でやってみた感想として、楽しく勉強でき、実際に自分の生活の役に立つという点で良いテーマだと感じました。「技術を組み合わせたらこんなことができそう!」といったことを手軽に試すことができるので、自分の部屋で色々実験しています。こういった実験から、新しい事業のアイデアにつながることもあるかも?と感じました。

最近は電気をつけっぱなしで寝てしまうことが多いので、寝ていたら電気を勝手に切ってくれる方法を考えています。これを組み合わせたら出来そう!?というアイデアがあったら、是非僕に連絡ください!3番目に紹介した手作りスマートリモコンは、僕も最近になって作ってみたものです。それまでは難しいかな?と思って手を出さずにいたのですが、とりあえずやってみよう、ということで取り組みました。この記事を読んでいる人の中にも興味はあるけど踏み出せない人がいるのではないでしょうか?ぜひ、「まずは、やってみる。」の精神で、取り組んでみてください。

今回の記事では概略の紹介を行いました。もう少し詳しく知りたいという方はぜひSiEEDの部屋に遊びに来てみてください!


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