宿曜とは?密教との関係は?どんなことが占えるの?


宿曜とは?

遣唐使として中国に渡った空海は、当時の中国でもっとも人気の高かった密教と出会います。


帰国時(806年)に、その密教の経典を空海は持ち帰ってきましたが、そのなかに含まれていたのが「宿曜経」です。


「すくようきょう」「しゅくようきょう」と読みます。


正しくは「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」といいます。


この宿曜経が成立したのは8世紀後半、空海が出会ったときは成立してから40年後のことといわれています。


宿曜経をまとめたのは、インド人僧の不空といわれています。


不空は中国に密教を伝えた人物です。


空海の誕生日と不空が亡くなった日が同じことから、世間では、空海は不空の生まれ変わりといわれてもいます。


空海がもたらした宿曜経は宿曜道という占いの一派として、平安時代には陰陽道と対抗するほどの隆盛をみることになります。


紫式部の「源氏物語」のなかの「澪標(みおつくし)」には、宿曜師が登場します。


この宿曜師は、光源氏の3人の子どものうち、ひとりは天皇に、ひとりは皇后に、もうひとりは太政大臣になる、と予言します。


後朱雀天皇の時代には宿曜師・仁海が雨乞いで雨を降らせた、菅原道真の怨霊を宿曜師・浄蔵が退けた、といったエピソードが残されています。


陰陽道の陰陽師とともに、宿曜道の宿曜師は、平安時代には貴族社会を二分する勢力となっていました。


まず今日はこれぐらいにして 明日の 節分に備えます。


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