欠伸して さよなら地球はバス日和

欠伸して さよなら地球はバス日和

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好きってなんて言ったらいいの

絶対つまんないダム行ったって楽しいし熱海行ったら死んでいいかな ドリンクバー最初何飲むかだけでときめける 好きな人のタイプなんてないのに詳細に言える 目合わせる距離感だけで空気甘くて呑み込めないみたいな、寒い夜じゃなくて切ない夜になる バスで隣乗ってみてガタガタ揺られたい ライン思い切って送ってもすぐ非表示 返信みたい、見たくない、返信こない時間地獄だし、ストーリー長押しでチラ見する どうせ大したことじゃなくて安心、ストーリー見てるか確認 見てたとこで何も意味ないけどね まと

    • 雪国の

      暖かい色の家具 上がっているバンパー 丸く積もった雪は ありえないほど白いだけで でも本当だってそれはわかる ショートケーキの断面みたいな でも実際きっと煩わしい こんな寒いところで家出したら死んでたから 瀬戸内生まれでよかった 本物のつらら、雪かきをする人も、芝居仕立てで スリップスリップスリップ! マリオカートのロードみたいに 閉じた、閉じた街の中で 静かに ひっそりしている 緑は確かにある  大きい声をどれだけ出しても何処にも届かないような、クレーンの音だけがはみ出てい

      • だんまり

        狂っている時だけクラシックが好き、脳から止めどなく溢れ出す言葉が行き場を見つける 息を吸って吐くだけでロマンスの真ん中みたいな情景、わたしは草原の上 あの子は流氷の上で なんでもない顔をしてその女が愛されるのが許せません 歩道橋を渡るのがずっとこわい 落ちたら死ぬと思って、代わりに流れ行く車にBB弾を投げつけた。何処にでもありそうなこれは、何処にもあるならなぜこんなに眩しいの、自動的な、愛の くだらないこと言って辟易されたくないから運命を装っているだけ 今朝電車で見た人の立っ

        • 倦怠

          薄氷をザクザク歩く声が、美しすぎる鼻から宇宙まで響く 雲間から零れ落ちる神様なんて知らないけど、貴方が歌う眼差しは熱く冷めていて、決して交わらないから神様です。詐欺師だらけのルノアールには白い花が咲いてた イヤホンを入れたら地球儀にこんな風が吹いてる 私が吐く空気がシロクマを害してるなんて言われたって傷付くお前らにも分かるような装備で自分を作る 嫌われて、愛される 知らない人に何か思われるための、ちょうど良い、私 愛とか正義とかに纏わりついている偽物のヴェールを剥がす 剥がす

        好きってなんて言ったらいいの

          いつも一つだけ光っている窓があって、でも、中までは見えない あの中にヘンな生活があって、そしてもしかしたらあの生活も、うちの窓をなにか仲間意識を持って見ていて でも私の生活は見えない。そんなことがどうでもいい日は心が健康で、今夜はなぜかあの光が心の暗い所に刺さる とくとくと流れ続ける川に、一つ穴が開けば苦しさは溢れ続けるしかない。二重で細くて白くて生まれた人が、例えば自分の好きな人に好かれて、とか、そうじゃないけど仲良さそうでとか、そういうのの積み重ねで人は心を砕かれる そし

          サフランの空

          新しい街の知らない知ってる知り合いに似ている人がいるだけの知っていた街で 体の中から引き摺り出せない色に髪を染める昔の私にすれ違った 居場所でないと強く思いながら、馬鹿な誰かが作ったBGMと誰も寄らない3階のトイレだけしかない。間の抜けた声がそれは詐欺ですよと言うのだけ耳について電話が怖い 閉まってしまった本屋と空いている本屋があってちがいはなんなんだろうなんて考える。カメラで景色を切り出すのは機嫌が良い時だけの特権だったんだね失って気づく スピリチュアル自己啓発本よりも高校

          サフランの空

          苦行

          そうだった。こうして、人は筆を執るんだ。怒り、苦しみ、どうしようもない絶望を救うのは愛とか希望とかそれ自体よりも早く、言葉!書き出す瞬間走り出した愛とか希望みたいな言葉だから お腹の底に、深々と、川が流れます それは悲しい証拠 その闇の底をぺたぺた歩いているのも私で そうなったら誰も私を抱きしめず ただ私から出て、どこからか来た言葉だけが心臓をゼラチンで守ってくれます 決して、銃弾はそこを通り抜けるけれど それでも柔らかな流星の上をハイヒールで歩くように歌を歌う人が、私を遠く

          苦行

          薔薇に棘

          初夏の夕暮れに人差し指の先に刺さってぬけた痛みが消えない 薔薇に棘があることなんて知ってるのになんか現実じゃないみたいだ 君が生きやすい世界ならいいのに、柔らかいほど傷つきやすい 白い粉が行く 可愛い人ほど公園に寝転んだりして、綺麗な思い出みたいに残るのってずるいこの空の青さがどんどん薄まって見えなくなったらこの世界は終わる 眠る君の脈拍の速さはbpm87 たまらず動いていてね抱き締める、偽物、カシミヤの毛布

          薔薇に棘

          短歌3

          随分、間が空きました 就職活動していてコピーを書くのと短歌を書くのが似ているようで違っていて難しくて面白くてまた短歌への欲求が高まってしまったのでテーマをつけて詠みました :クラブハウス 「nominated byに貴方の名を見つけ、知らない暮らしを想へど如月」 「ウチらしか見えない部屋に逃げ出そう、ホッキョクグマの秘密見つけよ」 :春 「何処見ても、浮かぶ君の顔 フォロー欄 可愛い人いた やっぱやめよう」 「ぽこぽこぽん、ぽぽぽぽぽぽぽ春の風 恥ずかしげもなくぽ

          短歌3

          愛の夢とか、愛とか夢とか

          春も夏も秋も冬も、貴方がその温度で息を吸っているところが見てみたいです。 敬語の恥ずかしさに息が詰まるそれすら心地良いような、狭くてガタつくテーブルさえ思い出になるような。安っぽくて嘘みたいな、ぺんてる赤色の夕暮れも、いつもBGMをかければ壮大なお話になる。それは愛の夢とかです。誰もいない夜道では、私はこっそりマスクを外して、大きく風を吸い込む吸い込む 海かと思ったそれは、さざめく雑草で私は大きな大地の上に立っているのでした 星空の美しさに、夜の静けさに名前がつくような貴

          愛の夢とか、愛とか夢とか

          欠伸して、さよなら 地球はバス日和

          怒りに震えれば震えるほど、空は白くなっていく赤い服を着ても耐えられない苦しみなんてこの世にあるべきではないよ、ずっと聞こえているざらついた声を手放せばきっと幸せな布団で寝られる 目に見える命だけでも全て抱きしめたいのに大事にしていた答えは枠外へ 小さな箱の中で一生を終える鳩は、僕より幸せかもしれない 愛なんていつも分からないから嫌いだ そう呟けば余計に流れ出して、相変わらず君は黒い川の向こうから僕を睨みつけている 僕より後に死んだ人のお墓を、僕は見ることができない 耳鳴りがす

          欠伸して、さよなら 地球はバス日和

          大人になったら、天気予報を見て服を決められると思ってた

          本日の最低気温は9℃、最高気温は14℃ですとか言われても皆目見当がつかない というような会話をここ数年繰り返している。本当はスマホの天気予報だから誰にも言われてすらない、私の頭の中では実家にいた頃の音で再生されている、気がする。私が家を出発するのは例外なく時間ギリギリなので一旦外に出て気温を確かめて、上着を取りに帰る事は不可能。そもそも毎年適当な上着なんて1着しかない。去年買ったのはどこに行ったのだろうなんて考えるだけ無駄だからやめる 多分クローゼットだけど。だからいつも博打

          大人になったら、天気予報を見て服を決められると思ってた

          言葉という作業は何なん

          言葉は、話し方は、生まれた時に始まった誰かの真似 父と母、幼稚園のお友達、読んだ本、いつだって誰かのそれと混ざっていく そして私はいつでも苦しいと言葉を連ねる 自分の静脈血の中で粛々となにかを紡ぎ続けるような作業/丁寧に丁寧に縫い合わせても受け取る人にはボコボコの山で、あえてわかりづらく言葉を治すのはわかって欲しくないからか、わかって欲しいからかな。感想を求められると言えないし、好きなものについても語れない。言葉は脆くて私が本当に感じた事よりも下位の存在としてしか感情を表せな

          言葉という作業は何なん

          最も美しい朝へ

          私を守る私だけの部屋は夕日に光るパルコと壊れた映画館のネオン看板。秋の空気にルノワールの絵 ゴッホになるのが嫌なんだ 先立つ不幸を許してね全く正気の沙汰じゃないサタデーナイト。何か足りない毎日を何か足りないから抱きしめる。知らない匂いと体温思い出しては歯ぎしりが苦しい朝の知らないコンビニは何度目の景色で辟易する空気 ヤケになってねじ込むイヤホンからぶっとい針で全身を突き刺す、気持ちいい 最低で最高の朝に一番信じてたものがちゃちな幻だった、そのくだらなさが愛おしいねドンキホーテ

          最も美しい朝へ

          ちゅうがえり

          人間が、命を殺して再生する温かい毛皮の底冷えのする冷たさ 今ここで毛皮達が生き返ったら絶対にこちらが死ぬと思うと恐ろしく、その当たり前の事を人間は科学と文明で忘れ去ろうとしている。しかし体温を失った毛皮がもう二度と血肉を手に入れることはないと言う事実が私の中の違和感を増大させる。吊るされた魂たちの存在の中、ポツンと置かれた毛皮のコートは世界の循環から剥がされた悲しみそのもので孤独を嘆くことすら出来ない  過激な環境主義者でもナチュラリストでもないけれど今ある人間の営みが自

          ちゅうがえり

          金木犀、秋風 正しく私を突き刺す。

          都会では季節の匂いは正しくない。池袋のマルイ潰れるらしいよ、へー東口だっけ?西口?まあいっか。人工的な金木犀の香りを秋風はお喋りで、私の街まで歩いてる 黄金色ですらもう寂しい お気に入りの下り坂は必ず両脚を広げて駆け降りる キズパワーパッドのCMで女の子がやってたから、そんなんだから怪我するのに。暗くなるのが早くなったから外に出るのは夜みたいな時間だ。東京は故郷と違って雪も降るけれどなんだか嘘みたいな感じがする エビのおもちゃを咥えてくる猫がシャケを咬む熊の置物に見えて祖母を

          金木犀、秋風 正しく私を突き刺す。