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SIBO治療に使用される抗菌ハーブ4選

SIBOの治療法として良く話題にのぼるハーブ療法ですが、抗生物質とほぼ同じレベルの効果があるとされています。

アメリカピッツバーグ大学が2014年に行った実験で、104名のSIBO陽性者に抗生物質リファキシミンと抗菌ハーブを四週間投与し再検査したところ、リファキシミンでは34パーセント、ハーブでは46パーセントがSIBO陰性となったとのこと。(*1)

本日はSIBOに使用される抗菌ハーブ4つを取り上げ、使い方、注意点、種類等について網羅したいと思います。

SIBO治療に使用されるハーブ4選

  1. オレガノオイル
    SIBOの治療で1番良く使われるのがこのオレガノオイルです。水素型、メタン型、硫化水素型問わず使用されています。

    オレガノオイルにはカルバクロール(55%~85%)とチモール(10%)という殺菌成分が含まれていて、大腸菌・サルモネラ菌含め様々な細菌の細胞膜を攻撃し細胞を崩壊させます。(*2)カルバクロールの含有量はハーブの中で最大とされています。また、カンジダを含む酵母菌にも効果を発揮するためSIFO(腸管カンジダ症)にもよく使用されます。

    長期間の使用は腸内フローラのバランスを著しく崩してしまう可能性があるため大変危険であり、通常は2-6週間ほどを目安に使用されます。

  2. ベルベリン
    ベルベリンはゴールデンシール、オレゴングレープ等様々な植物から抽出される成分の名前で、水素型SIBOの治療に使用されています。
    抗菌作用や善玉菌の組成を強化することにより腸内の炎症を改善するとされています。(*3)
    ただベルベリン単体でのSIBO治療における効果に関する研究は見当たりませんでしたので他のハーブと併せて使用するのが良いかもしれないです。

  3. ニーム
    ニームにはケルセチン、カテキン、カロテン、ビタミンCなどが含まれており様々な細菌の殺菌効果が証明されています。(*4)

  4. アリシン
    にんにくから抽出される成分で、メタン型SIBOの治療に使用されます。Allimedという会社から出ているAllimaxというサプリが1番よく使われています。ニームと併せて使用することでメタンSIBOの改善に良い結果が得られるそうです。

    また、真菌、寄生虫、ウイルスにも効果があるとこと。(*5)


使用の注意点


⓵ダイオフに注意
  抗菌ハーブの使用はダイオフ症状を起こす危険性があります。細菌が死ぬと様々な毒性を示すLPS(エンドトキシン)が放出されます。リーキーガットも併発している場合毒素が血流にのって全身を駆け巡ることになり、肝臓にも多大な負担をかけます。
ダイオフの症状には寒気、熱、頭痛、疲れ、ブレインフォグ等があり、数日から1週間で良くなる場合が多いとのこと。

⓶長期間の使用は避け、複数のハーブを同時に使用する
 耐性がついてしまうことや副作用を避けるため、2.3種類のハーブを同時に摂取し、2-6週間以上の継続使用は避けるべきです。

⓷除菌する事前準備ーSIBOの根本原因を考える
 SIBOと診断された、もしくはSIBOじゃないかとお考えの場合、つい手っ取り早い抗菌ハーブに手が伸びてしまいがちです。

ただ、根本原因が良くなっていない限り、いくら悪玉菌を殺しても戻ってきてしまいます。抗生物質もそうですが、ハーブを使用して数週間また症状が戻り更に悪化してしまった、というケースも本当に良く見られます。SIBOをこじらせてしまうと治療が本当に大変になります。

ですので根本原因を知り、対処することが大変重要です。

・根本原因の対処
・低フォドマップ食
・必要な栄養の摂取
・消化サポート

を行なってSIBOが良くならなければ、そこで初めてハーブの使用を検討するべきなのです。

それでは、本日は以上になります。

他にもシナモンやミント、ウバウルシなど色々なハーブが使用されますが、メインで使用されるハーブ4選を解説しました。

何か質問などあれば是非コメントお待ちしております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。




免責
本記事の内容は、医学的診断•治療に置き換わるものでなく、情報提供を目的としています。個人的にお試しになり健康被害が生じても、私は一切責任を負えませんのでご了承下さい。


*1) Chedid V, Dhalla S, Clarke JO, Roland BC, Dunbar KB, Koh J, Justino E, Tomakin E, Mullin GE. Herbal therapy is equivalent to rifaximin for the treatment of small intestinal bacterial overgrowth. Glob Adv Health Med. 2014 May;3(3):16-24. doi: 10.7453/gahmj.2014.019. PMID: 24891990; PMCID: PMC4030608.

*2) Ben Arfa A, Combes S, Preziosi-Belloy L, Gontard N, Chalier P. Antimicrobial activity of carvacrol related to its chemical structure. Lett Appl Microbiol. 2006 Aug;43(2):149-54. doi: 10.1111/j.1472-765X.2006.01938.x. PMID: 16869897.

*3) Guo H, Lu S, Zhang J, Chen C, Du Y, Wang K, Duan L. Berberine and rifaximin effects on small intestinal bacterial overgrowth: Study protocol for an investigator-initiated, double-arm, open-label, randomized clinical trial (BRIEF-SIBO study). Front Pharmacol. 2023 Feb 15;14:1121435. doi: 10.3389/fphar.2023.1121435. PMID: 36873985; PMCID: PMC9974661.

*4) Antibacterial effect of neem (azadirachta indica) oil on multidrug resistant bacteria isolated from human infections

Authors:Divya Jain, Lakshmi Jayaram, Venkatraya Prabhu M, Gopalkrishna Bhat K
Int J Biol Med Res. 2013; 4(4): 3544-3546

*5) Ankri S, Mirelman D. Antimicrobial properties of allicin from garlic. Microbes Infect. 1999 Feb;1(2):125-9. doi: 10.1016/s1286-4579(99)80003-3. PMID: 10594976.

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