「アスペクト」について~『Fate Core』本文から抜粋

〔以下は『Fate Core』SRDからルールを翻訳したものになります。〕

アスペクトの定義
「アスペクト」とは、それに付随する何かについての独特な事柄や特筆すべきことを描写する言葉である。「フェイト・ポイント」を消費するのが主な取得方法であり、キャラクターにボーナスを得る機会を提供したり、キャラクターの人生を複雑化したり、他のキャラクターのロールや「受動的対抗」を追加したりすることで、ストーリーに影響を与えるものである。

フェイト・ポイントの定義
GMとプレイヤーには、ゲームに影響を与える目的で使用できる「フェイト・ポイント」と呼ばれるポイントがある。「基本」で述べたように、これをトークンで表現する。プレイヤーは、シナリオ毎に「リフレッシュ」と等しい値でプレイを開始する。また、シナリオの途中で「フェイト・ポイント」が自分の本来の値より少ない状態で終了した場合は、「リフレッシュ」の値にリセットされる。GMは、各シーンで消費できる「フェイト・ポイント」の予定値を計算しておくこと。

君の「アスペクト」がプレイされた場合、通常「フェイト・ポイント」を消費したり、獲得したりする。


アスペクトの種類
全ての『Fate』のゲームには、「ゲーム・アスペクト」「キャラクター・アスペクト」「状況アスペクト」「コンシークエンス」「ブースト」など、幾つかの種類の「アスペクト」がある。これらは主に関連付けられるものや効果時間においてそれぞれ違いがある。

ゲーム・アスペクト
「ゲーム・アスペクト」は、ゲームの備え付けの備品とでも言うべきものであり、それ故にそう名付けられている。時間の経過で変化するかもしれないが、無くなるということは決してない。君が既に「ゲーム制作」を終了している場合は、君はこれらの「ゲーム・アスペクト」を既に定義済みということになる。君が考えた「現在の課題」「切迫した課題」だ。これらは、世界に存在する問題や脅威を説明するもので、ゲームのストーリーの基礎となるものだ。

どんな時でも誰もが「ゲーム・アスペクト」を発動したり、「強制」したり、「優位性の創出」をすることができる。それは常にあり、誰でも使える。


キャラクター・アスペクト
「キャラクター・アスペクト」は、適用範囲は小さくなるが個々のPCやNPCに常に付いてまわるものである。「キャラクター・アスペクト」は、キャラを立てるほぼ無限の描写だ。以下の通り:

・重要な人格的特徴や信念を記述する。(「面食い(Sucker for a Pretty Face)」「絶対に見捨てない(Never Leave a Man Behind)」「良いツィンタヴィ人は死んだツィンタヴィ人だけだ(The Only Good Tsyntavian Is a Dead Tsyntavian)」)
・キャラクターの背景や職業(「剣術学校で学んだ(Educated at the Academy of Blades)」「宇宙生まれ(Born a Spacer)」「サイバネティック・ストリート・シーフ(Cybernetic Street Thief)」)。
・重要な所持品や目立つ特徴(「血で錆びた父譲りの剣(My Father’s Bloodstained Sword)」「身だしなみが良い(Dressed to the Nines)」「眼光鋭いベテラン(Sharp Eyed Veteran)」)。
・人や組織との関係(「『ツイティング・ハンド』との同盟(In League with the Twisting Hand)」「王のお気に入り(The King’s Favor)」「『君主会合』の名誉メンバー(Proud Member of the Company of Lords)」
・キャラクターが直面している問題・目標・課題(「俺の首の価値((A Price on My Head)」「王に死を(The King Must Die)」「高所恐怖症(Fear of Heights)」)。
キャラクターの称号・名声・しがらみ(「個人的に重要な商人ギルドマスター(Self-Important Merchant Guildmaster)」「口達者な悪党(Silver-Tongued Scoundrel)」「名誉をかけた兄の仇討ち(Honor-Bound to Avenge My Brother)」)。

君の「キャラクター・アスペクト」に関連するものであれば、いつでも「発動」や「強制」できる。GMは、常にどのPCに対しても「強制」を提示することができる。プレイヤーは、他のキャラクターに「強制」を提示できるが、それが有効かどうかについての最終的な判断は常にGMに委ねられる。


状況アスペクト
「状況アスペクト」は一時的なもので、単独のシーンもしくはそれが意味を成さなくなるまで継続することが想定されている(ただし、最も長くなってもセッションより長くなることはない)。「状況アスペクト」は、シーン内の全員に影響を与える環境に付与できるが、「優位性の創出」をするときに特定のキャラクターを対象にすることで、そのキャラクターに付与することもできる。


「状況アスペクト」は、キャラクターがシーン内で直面している状況について重要な特徴を描写する。これには以下の内容が含まれる:

・環境の物理的特徴(「鬱蒼と繁る草(Dense Underbrush)」「雪崩(Obscuring Snowdrifts)」「低重力惑星(Low Gravity Planet)」)。
・位置取りや配置(「狙撃手の高所配置(Sniper’s Perch)」「木立の中(In the Trees)」「裏庭(Backyard)」)。
・目の前の障害(「燃える納屋(Burning Barn)」「罠仕掛けの錠前(Tricky Lock)」「大きな裂け目(Yawning Chasm)」)。
・プレイに影響を与えそうな文脈の描写(「険悪な雰囲気の町の住民(Disgruntled Townsfolk)」「防犯カメラ(Security Cameras)」「騒々しい機械(Loud Machinery)」)。
突然のキャラクター状態変化(「砂で目をやられる(Sand in the Eyes)」「武装解除(Disarmed)」「追いつめられる(Cornered)」「スライムに包まれる(Covered in Slime)」)。

「状況アスペクト」を誰が使えるかどうかは、ストーリーの文脈に大きく依存する。かなり分りやすい場合もあるだろうし、シーン内で起こったことについて「アスペクト」の使用方法を理由付けする必要がある場合もあるだろう。GMは「アスペクト」の内容が有効かどうかを判断する最終裁定者である。

「状況アスペクト」が、キャラクターの克服すべき障害になることもある。あるいは、他の誰かのアクションに「積極的対抗」する正当な理由を与えてくれることもある。


コンシークエンス
「コンシークエンス」は「状況アスペクト」よりは永続的効果があるが、「キャラクター・アスペクト」ほどではない。「コンシークエンス」は、君が「コンフリクト」から「脱落」するのを避けるのに取る特殊な種類の「アスペクト」であり、「コンフリクト」を取り除いた後に残る怪我や問題を描写するものである(「肩の脱臼(Dislocated Shoulder)」「鼻血(Bloody Nose)」「社会的偏見(Social Pariah)」)。

「コンシークエンス」は、その深刻度に応じて、数シーンからシナリオ1回または2回に至る期間続くものである。否定的な言い回しのため、持っていると「強制」されることが多く、その「コンシークエンス」から正当に効果を得ることができるキャラクターは誰でもそれを「発動」させたり、それを利用して「優位性の創出」をすることができる。

ブースト
「ブースト」はごく一瞬発生する「アスペクト」である。「ブースト」は、「優位性の創出」に充分成功できない場合や、あるアクションで相当に成功した場合の追加効果として得られる。君はそれらをフリーで「発動」できるが、「発動」次第すぐにその「アスペクト」は消失する。

無関係でなく支援可能と認められるならば、必要に応じて他のキャラクターに「ブースト」を「発動」させても構わない。


〔クレジット〕

この作品は、Evil Hat Productions, LLCの製品である『Fate Core System』と『Fate Accelerated Edition』(http://www.faterpg.com/)に基づいており、Leonard Balsera、Brian Engard、Jeremy Keller、Ryan Macklin、Mike Olson、Clark Valentine、Amanda Valentine、Fred Hicks、Rob Donoghueが開発、執筆、編集を行い、「クリエイティブ・コモンズ表示 3.0 非移植 (CC BY 3.0)」(http://creativecommons.org/licenses/by/3.0/)の下にライセンスされています。

日本語版ライセンス:この作品に基づく上記作品からの変更点は、上記作品の一部の日本語翻訳となります。日本語版翻訳者は渋禽です。

本作翻訳については、日本語表現など翻訳内容についての著作権を主張します。


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