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おいしい「有機野菜」と言うために

 有機JAS認証を取得しました。( 2014年11月10日
 これは日本農林規格(JAS)に適合した有機栽培による生産が行われていることを認定するもので、この認定がされていない農産物は有機肥料を使って無農薬栽培をしていても、有機野菜とかオーガニックと名乗ることができません。

 しかし、認定を受けるには、施設や機械や資材に使用規制があったり、生産履歴(トレーサビリティー)の記録の提出が求められることや、あくまで栽培方法を保証するものであり、味や品質を評価しているわけではないので、お客様と信頼でつながっている場合には必要性は少なく、取得している生産者は稀です。

 野菜の生産量が増えているので、新しいお客様を増やしたいと考えて取得しましたが、教員免許を取得すれば「いい先生」になれるわけではないのと同じで、「おいしい有機野菜」と評価していただくには栽培に関する努力や工夫が必要です。

 ただ、この認証を得ることを通して有機野菜の現状を知ることができました。有機JASは生産方法を定めたもので、生産地は問いません。認証を受けた輸入業者さんが、日本と同等の制度であるアメリカやヨーロッパの有機認証の農産物や加工品を輸入し有機JASマークを貼ることや、有機JAS認証を取得した外国の生産者が、中国や東南アジアで農産物を栽培し有機JASマークをつけて日本に輸出することもできます。
 だから、有機JAS認証の国内産の野菜およびその加工品というのはごくわずかです。実際、自分が参加した有機JAS講習会は参加者10名のうち生産者は自分だけでした。

 「おいしい国内産の有機野菜」として、お客様に喜んでいただけるような野菜つくりをしていきたいと思います。


【記事の出典元について】

しあわせ野菜畑の代表の大角は、静岡県高等学校の農業教員でしたが、47歳の時に退職し2008年に農業を始めました。 教員生活は大変楽しく充実していましたが、農業経営者として自分自身が農業の可能性に賭けてみようと考えました。
起業して7年目の2014年4月から1年間、地元の静岡新聞に農業経営者の声「こだま」を毎月2回書かせていただく機会がありました。
「こだま」は農業者が交代で書くことになっており2015年3月で終了しましたが、その後、毎月1回農業欄のコラムとして「野菜が好きになる話」を書かせていただくこととなり、現在も続いています。
野菜宅配セットをお送りしているお客様にお届けしているニュースレター「しあわせ野菜新聞」、それからNoteの文章は、静岡新聞の農業欄「野菜が好きになる話」が元原稿になっています。

今回の記事は2014年に書いた「こだま」の原稿です。
当時とは、現状が変わっている部分も多いのですが、自分自身の原点としてそのまま記載しました。

今後、第2版として、「その後」の文章や写真を加えたりしたいと思いますが、まずは「農業で起業したころの想い」としてお読みください。

「おいしい「有機野菜」と言うために」
第1版 2024年8月24日発信
 
(出典元)静岡新聞2014年11月第1日曜日、農業欄「こだま」より

#しあわせ野菜畑
#有機JAS
#有機JAS認証


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