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農業について思うこと

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大学農学部卒業後、高等学校の農業教員を25年間勤め、2009年に47歳で有機野菜を生産直売する株式会社しあわせ野菜畑を起業しました。 この間、農業について学んだこと、考えたことを…
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#オーガニック野菜

伊勢神宮へ奉納しました

 しあわせ野菜畑の有機野菜を神嘗祭(かんなめさい)の日に伊勢神宮に奉納させていただいています。  神嘗祭は伊勢神宮で一番大切なお祀りで、日本各地の農家と天皇陛下が刈り取った稲穂が納められます。現在はコンバインで刈った後に乾燥機にかけると新米としてすぐに食べられますが、本来は、神嘗祭で天照大御神(伊勢神宮)に稲穂を奉納した後に、1か月間をかけて太陽(天照大御神)によって天日乾燥され、脱穀と籾摺りをして新米となります。ですから、神嘗祭は食することではなく収穫できたことに感謝をする

美味しい野菜は、「旬の野菜」

野菜の旬って何だろう。 「おいしい野菜の見分け方」について聞かれることがあります。 その方法はありますが、スーパーの野菜コーナーの中で、おいしい野菜を見分けて選ぼうとするのはあまり意味がありません。なぜなら、そこに並んでいるのは同じ生産者が、同じ種、同じ土、同じ肥料で育て、同じ規格で出荷しているものだからです。ここが魚や肉と違うところで、“野菜の目利き”はあまり役には立ちません。 おいしい野菜に出会う一番簡単な方法は、旬の野菜を使うことです。 次の問題を〇か×でお答えくださ

お届けするのは「生きる力」・・お客様からの手紙

写真は農場の桜です。 春は出会いの時、楽しくもあり不安な時です。 今年はどんなお客様にお届けできるかと楽しみながらも、何のために農業をやっているのだろうと自問したりもします。 下記は野菜宅配を始めた頃にいただいた手紙です。 自分の農業の原点です。         □  □  □ (その1) いつもおいしい野菜を届けてくださりありがとうございます。 なのに・・・なのに・・・申し訳ないのですが野菜の宅配をやめさせていただきたいと思います。 実は、私は病気です。 新鮮な野菜を食べ

お届けするのは”生きる力”・・有機農業って何? 

農薬を使わないのは目的ではなく手段である。 「有機野菜を食べて元気になりました。」という手紙をいただきます。 アトピーが治るのは実例をたくさん見ていて、食って大切だなぁと実感しています。「有機野菜のおかげで病気が治りました。」というお手紙もいただくのですが、これは有機野菜のおかげというよりも気持ちの問題なのかななどと思いつつも、ありがたい話だなと感謝しながら読ませていただいています。  ただ、「虫に食べられている方が安心」という人がいますが、それは間違いです。虫は弱った野

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