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農業について思うこと

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大学農学部卒業後、高等学校の農業教員を25年間勤め、2009年に47歳で有機野菜を生産直売する株式会社しあわせ野菜畑を起業しました。 この間、農業について学んだこと、考えたことを…
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#オーガニック野菜宅配

有機農業の本質

当社は年間50品目の有機野菜を育てています。参考にしているのは農業高校の教員時代に行かせていただいたヨーロッパ環境保全型農業の視察研修です。 研修の中で感じたことは、日本とヨーロッパでは有機農業の捉え方が異なるということでした。日本の有機農業は無農薬で味が良いことを目的としていますが、  ヨーロッパの有機農業は「環境保全のために持続的な生産が行われること」(Sustinability)が目的です。その土地が本来持っている力で作物が作られていることが重要で、味が良いことは目的で

お届けするのは「生きる力」・・お客様からの手紙

写真は農場の桜です。 春は出会いの時、楽しくもあり不安な時です。 今年はどんなお客様にお届けできるかと楽しみながらも、何のために農業をやっているのだろうと自問したりもします。 下記は野菜宅配を始めた頃にいただいた手紙です。 自分の農業の原点です。         □  □  □ (その1) いつもおいしい野菜を届けてくださりありがとうございます。 なのに・・・なのに・・・申し訳ないのですが野菜の宅配をやめさせていただきたいと思います。 実は、私は病気です。 新鮮な野菜を食べ

You are what you eat.   あなたは、あなたの食べたものでできている

「キング・コーン」というアメリカの映画があります。 トウモロコシを加工すると、麺やお菓子や油やマヨネーズやマーガリンやウイスキーが出来ます。家畜の餌にもなるので、トウモロコシが肉や卵や牛乳になったとも言えます。 二人の若者が毛髪検査をしたら、「自分の体がトウモロコシからできていることがわかった」・・・そんなことから話が始まります。  毛髪検査によって、食べた食物の種類がわかるのかは疑問なのですが、人の体が食べたものから出来ていることは確かです。 下記は光合成の化学式です。

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