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農業について思うこと

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大学農学部卒業後、高等学校の農業教員を25年間勤め、2009年に47歳で有機野菜を生産直売する株式会社しあわせ野菜畑を起業しました。 この間、農業について学んだこと、考えたことを…
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七夕様(たなばたさま)の通る道

 夏は雑草が元気です。有機栽培では除草剤の使用が認められていませんので、草取りは大変です。  昔は、この時期の農家の仕事と言えば、もっぱら田んぼのあぜ道の草取りでした。    私たちの地域では月遅れで8月7日が七夕です。  私の母親が嫁いできたその年の8月上旬のある日、いつものように母親が田んぼのあぜ草を刈っていると、おじいちゃんがやってきて、「もうじき8月7日で夜中に七夕様が田んぼのあぜ道をお通りなさるから、つまずかないようにそれまでにあぜ草を刈り取っておいてね」と言っ

農業から学んだこと(その2)・・・「教えることは学ぶこと」

農業高校の教員時代に教えていた生徒が、環境大賞として県知事から表彰された作文です。 「教えることは学ぶこと」、そんなふうに思います。 7月15日投稿の「農業から学んだこと(その1)」の続編です。 最初にそちらからお読みください。 この作文は、生徒が読売新聞社の「農業に関する想い」(そんな感じの)コンクールに応募したいというので、いろいろなテーマを与えては書かせて、それをまとめて推敲してという手順で生徒が書き上げたものです。 良くできた作文だなぁと思いながら、生徒と一緒にポス

農業から学んだこと(その1)・・・「教えることは学ぶこと」

農業高校の教員時代に教えていた生徒が、環境大賞として静岡県知事から表彰された作文です。 「教えることは学ぶこと」、そんなふうに思います。   農業から学んだこと(その1) 静岡県立小笠高等学校 3年 中林由佳   「よし、それじゃあ、今収穫したトウモロコシを生のまま食べてみよう」、先生の言っているその話の意味が私は最初理解できませんでした。「きっと、だましているんだ」と思いながら、そっとかじった一粒の生のトウモロコシはとても甘くておいしく、私はとても感動してしまいました