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『FUZZY MUD』から考えるいじめの問題


Overview


今朝LOUIS SACHERさんの『FUZZY MUD』を読み終えたので心に残っているものを書き留めておこうと思う。LOUIS SACHERさんの本はこれで3冊目になるけど、Small Stepsに続いて今回も「完璧じゃなくて良い」"In order to be perfect, everyone woman needs on imperfection."っていう言葉が使われてて思わずメモを取った。同じ著者の本を何冊も読むとその方の人となりとか人生観が反映されているように思えてきて、もっと彼の作品を読みたいっていう気持ちになった。

今回はメモなしでさらっと読み終えてしまったため、中でも印象に残っているいじめの問題についていじめっ子のChad, いじめられていたMarshall,近所に住んでいていつもMarshallと一緒に登下校しているTamayaの三人の視点から振り返ってみる。

あらすじ


小学校5年生のTamayaが通う学校Woodbridge Academyは裕福な家庭の子供が入る名門私立学校。Tamayaの両親は離婚していて母親と二人暮らしで奨学金をもらいながら学校に通っている。彼女の家から学校までは片道約3kmほどあり、2つ学年が上の男の子Marshallと一緒に登下校している。ある日2人が通う学校に転校生であるChedが現れ、Marshallをいじめの標的として彼を苦しめる。

ある日の帰り道、Marshallは、立ち入りが禁止されている森に足を踏み入れる。Tamayaは恐れながらも仕方なくMarshallの後についていくが、そこで遭遇する奇妙な泥が彼らの人生、国規模での大きな変化をもたらすことになる。

いじめは何故なくならない?

泥で視力を失ったChad、Chadを助けにきて泥に溺れたTamaya、臆病者だけど最終的に2人を助けたMarshall、この3人が森の中で合流した時の会話がとても印象深い。この会話の中で、ChadがMarshallを理由もなくいじめた本当の理由を告白する。

私がこの物語から感じたのは、いじめは他人からの愛情の欠けから生じてしまうということである。Chadは自分の誕生日さえも祝ってくれるものが周りにいなくて、そんな悲しい家庭環境で育った。同じ誕生日だと知ったMarshallが家族にお祝いされて幸せそうな様子を知ったChadは自分の惨めさ、孤独さからMarshallに八つ当たりをしたのだろう。それはMarshallも同じである。ChadにいじめられるようになってからはTamayaへ八つ当たりをするかのように態度が急激に冷たくなり、自分のことで精一杯になっていた。ここでは

いじめる側→いじめられる側

この構造が存在するが、この件で大きな助けとなったのはTamayaのような中立、どちらにも属さない人だと思う。クラスメイトはみんなMarshallが何も悪くないと知っていながらいじめの風潮に異議を唱えようとしない。みんないじめっ子のChadが怖いのである。そんな中、Tamayaはおとなしい性格の子ながらも、正義のために勇気を持って行動を起こすことができる女の子だった。彼女のような相手のことを心から思える人間が1人でもいたらこのようないじめ問題は縮小するのではないかと思う。傍観者から行動を起こすことが何より大事だと思う。

人としての正義


TamayaがChadに泥を投げた後の彼女の心境
"She asked God to help Chad find the goodness that lived inside his heart."
ChadがMarshallに襲いかかろうとしたとき、TamayaはMarshallを助けるために泥を投げた。彼女のすごいところは、恐怖心より相手を思いやる気持ちの方が強いところだと思う。

病室での彼女の心境
"In case she didn't get better, she wanted to be able to face the world with courage, patience, and grace."
最悪のケースを予想して、状況が良くならなかった時は「勇気」「忍耐力」「優美」で現実と向き合おう。どうして彼女はこんなにも前向きに生きていけるのだろう。すごく素敵で思わず涙が出た。

彼女の視力が回復した時の心境
"The world was full of light and color." The whole world looked beautiful to her.
盲目の人は真っ暗な世界を生きているのか、何も見えない白黒の世界を生きているのか。不自由のない生活からいっぺんにして視力を失ってしまうなんて想像もつかない。私は当たり前のようにこの目で生活しているけど、不自由なく健康な体でいられることがどれほど有難いことなのかを見にしみて感じた。

最後に

Woodbridge Academyでの10の道徳的美徳
Charity(慈善)
Cleanliness(清純さ)
Courage(勇気)
Empathy(共感)
Grace(優美)
Humility(謙虚)
Integrity(誠実さ)
Patience(忍耐力)
Prudence(思慮分別)
Temperance(節制)

心に残ったこの10個の項目は私も常に磨き続けたいと思う。今はたくさんの本を読んでいろんな著者の視点から物事を考えてみたり、実際に旅に出たりして自分の考えを大きく深めていきたい。そして素敵な教育者になれたら良いな。がんばろう!


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