「好きなことを、好きなようにやる」① A
無責任艦長タイラーの最終話、タイラーはユリコにお酌をしてもらいながら言いました。「好きなことを、好きなようにやる」と。その時ユリコは一つのスイッチを押されたように動き出します。
タイラーで私が一番好きなシーンです。描写のセンスがあふれるこのシーンは、タイラーが日本酒を食らっていることもあり、酒のつまみにしたことは数知れず。
「好きなことを、好きなようにやる」すごくいい響きです。すごく簡単に見えるけど、よくよく考えてみると意外と好きなことを好きなようにやるのは難しい気もします。
みなさんは子供のころ、みんなと遊んだ記憶はあるでしょうか?例えば、私ならドッチボール。ボールをただ人にあてに行くゲームが好き「だった」記憶が私には、あります。
ただひたすら熱中していた気がします。でも繰り返し遊んでいると、何か最初にドッチボールし始めた気持ちではなくなってきます。もの足りないともちょっと違う、景色が色あせていくような感覚です。
その瞬間、好きなことが好きなことでなくなってしまったような感じがして、ドッチボールをしなくなるような感じでした。いまとなっては小さいころのいい思い出なのですが。
好きなことって意外と変化していくような感覚があります。一生、一人の人を好きでいられたらそれはそれで幸せな気もしますが、現実はその人と会えなくなったり、亡くなってしまったりと好きでいることがつらくなってしまう出来事があると、どうやら気持ちにフタをするようです。
気持ちにフタをするというよりは、その気持ちから旅立つのでしょうか。「いつまでもそこにとどまっていたい」そんな気持ちから「すぅーと」離れていくような感覚。
すごく文章が広がっていく気がします。
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