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3Dプリンター向け:ステッピングモーターの電流の決め方

こんにちはshyachiです。

3Dプリンターを自作する、または改造する皆さん、ステッピングモーターの電流値の決め方はどうしてますか?

私は適当に1.0Aかけてました。特にそれで問題なかったからです。

でもよく考えたら疑問だらけです。

「モーター定格はあるけど、丁度いい電流値ってあるの?」

「モータードライバーごとに電流値変わってこない?」

「そもそも必要な電流値ってどこ?」

こんな感じです。

ステッピングモーターと電流値の関係性

結論から言うと、ある程度の条件からちょうどよい電流値は存在します。

そして、それは速度と保持力がシーソーのようになっています。

こちらのサイトが参考になります。

Stepper Motor Calculator

入力電流値、インダクタンス、入力電圧、ステップ数から、最高回転数、最小スッテプ時間、最大電力を出します。

入力電流値は今回の電流値の話と同一です。

インダクタンスはちょっと分かりづらいですね。モーターごとに値があるので、メーカーのページか、「NEMA23 0.9deg」とか調べると良いです。大体の値が載ってます。私の場合は40mHでした。

入力電圧はだいたい12Vか24Vですね。私は24Vです。

最後のステップ数は、1.8degなら200、0.9degなら400です。

こんな感じで、入力すると入力電流を倍にすると、最大電力は2倍に、最大回転数は0.5倍になることに気が付きます。つまり、保持力を倍にすれば、速度は半分です。

これはインダクタンスと深い関係があります。インダクタンスは電流を流し続けようとする性質があります。つまり、ステッピングモーターの性質上、転流するタイミングで多くの電流が流れていると、転流できなくなるポイントが存在します。

これが今回の重要なファクターです。

実際の電流値の設定

私の今回のプリンターはこんな感じ。

サイズ:200x200x200mm

COREXY方式

NEMA23 0.9deg

です。

使用モータードライバーはTMC2130、電源は24Vです。

この状態で、電流値を可変させてみました。

100mA:ホーミングできず

200mA:ホーミングできず

400mA:ホーミングできる、保持力十分

800mA:ホーミングできる、保持力十分

こんな感じでした。

ホーミングはまあ、動くかどうかですね。保持力は軽く手で抑えてステップが外れないことを確認しました。

結構びっくりなんですが、400mAで十分な保持力があります。これ以上の電流値は不要と判断できました。最初は1000mAかけてたのに。

結論

ステッピングモーターの電流は、保持力と速度のバランスが大事

です。なので、最小の電流値を見つけるのが大切です。

ちなみに、電流値が少なくなると、音も静かになるし省電力です。

当然、最高速度も上がってきます。

以上です。

皆さん参考になれば。

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