フィンクス=マグカブ 野生の火竜

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お久しぶりな方はお久しぶり(*'▽')
始めましてな方は他もよろしくね☆
マルハボロでございます('ω')

今回は旅団でも1、2を争う短気な男として知られる彼👇

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そう、初期にはツタンカーメンじみたエジプシャンスタイルがまぶしい男!フィンクスについて考察もとい語っていきたいと思います!

実は優しい?ツンデレ? フィンクスの性格について

本編においてわりと出番の多い彼ではありますが、その行動理念もとい方針は実にシンプル。

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“欲しけりゃ殺してでも奪う”を掲げる盗賊の鏡とも言える、今は亡きウボォーギンに追随するかのごとき盗賊スタイルで動く彼。ところが本編においてはむしろウボォーギン以上に感情的に行動している描写が目立っており、そういった点からむしろ彼の性格は本来優しいものなのではという考え方もあるほどです。

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そもそも感情的過ぎることが災いして、団長が誘拐された際にはクラピカに電話を切られたりしており、むしろ彼が原因で危機的状況に陥らなかったことがなかったとは言い難い。そして彼が持つ優しさに似た感情は、むしろ優しさとはまた別ベクトルの仲間意識であり、その性質はどちらかというとゴンが持つ獣の感性に近いとも言えるのだ。

特に彼の人間性が明らかになった話としては蟻編があり、ザザンの『審美的転生注射(クイーンショット)』によって変貌した流星街の住民が自身の死を望んだ際には「腐ってもお前ら流星街の住人だろうが!」と叱咤激励し、戦いの果ての死を選ばせるといった後始末を促したシーンは印象的だろう。

またその後、団長を待つセリフを「乙女チクね」とからかわれるなどしており微笑ましいが、これらは優しさというよりも彼が持つ獣の感性をより際立たせる部分とも言えるだろう。念能力という人格をも破壊しかねない能力を知る彼だからこそ、それを覆してでも内包する仲間への信頼というのは極めて深い概念であると言えるのだ。

またこれらの潔さは、彼がゴンとキルアへの拘りを捨てた部分にも見受けられる。パクノダが最後に残した己の想いを含む記憶弾(メモリーボム)を受けたことで彼女の心理そのものを受け入れた部分がある彼だが、彼はそれだけでなくクラピカへの報復すらあっさりと切り捨てている。これは合理的な判断ではあるが、わたしはこの潔さにゴンと通じる獣の感性を感じとるのだ。人間が持つ恨みとは本来晴れることがない。それは自分自身で問題を複雑化してしまうのが人間だからだ。だからこそクラピカは自身の復讐心をより複雑にしていくし、ゴンはある一点を覗いて本来であれば復讐心を持たなかった。

ある意味で、彼は完成した感性を持ったゴンが至ったかもしれない別の姿なのだ。

念能力【廻天(リッパー・サイクロトロン)】

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初めに結論から言ってしまうと、この能力は放出系に当たる能力である。

ネットにおいては「グルグルパンチwwww」と揶揄されることもあるこの能力だが、では何故これが放出系なのか。例のごとくあの本によって特に理由なく【強化系】とされている彼だが、それは他のシーンを踏まえると少々奇妙なのだ。

では、まず順番にこの能力について解説していこう。技を発動するまでの過程はシンプル極まりないこの能力。腕を回した数だけ威力を増すとあるが、ではこの能力とはどういった性質の技なのか。これは要するに、腕を回転させることを契機として、これによって自身のAOP、すなわち体外に出せる顕在オーラ量を増幅できるという能力である。
お分かりいただけただろうか。まずこの時点で、彼は強化系ではないということになるのだ。何故ならば、単純に練り上げたオーラによって性質を強化するのであれば、彼が回転によって練り上げるのはオーラと同時に遠心力や拳の威力そのもの。だが、彼はこの技を放つ前にその動きを止めている。強化系であるならば、技のモーションとして一つの形にする必要があるにも拘わらずだ。よって、わたしは彼が強化系ではないと断言する。

では放出系とする理由であるが、放出系とはどういった能力であるか。それは、体外へのオーラ放出を得意とする系統である。つまり彼は、外部へと一時的に顕在化させたオーラを留める技術を持っているのである。これがどういうことかというと、いわば“円”によって拡げたオーラを攻撃に転用しているようなものだと思ってもらえばいい。これが“円”と異なるのは、“円”は自身のオーラを可能な限り薄く広く広げることによって触覚に当たる感覚領域を拡げる技能であるのに対し、彼は極めて限定的な空間に大量のオーラを圧縮して留めることで攻撃的な念領域を構築している部分にあるのだ。

この攻撃的念領域を彼が他にも利用しているらしきシーンが他にもある。それがこのシーンだ。

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ここで、彼が単純に下っ端マフィアの首を素手で捻り壊していると言ってしまうのは容易い。だがこうも考えられる。他の旅団員が能力によって戦闘している中、彼だけが能力を披露していないということがありえるだろうかと。蟻編での旅団は、この点明確になっていなかった能力の性質を明らかにした章であったともいえる。実際、後の蟻編を見たことで、わたしはこれを彼が起こした技量による結果ではなく、きちんと念能力を用いた戦闘シーンであると見なしているからだ。

先ほどわたしは、『廻天(リッパー・サイクロトロン)』の説明をした際に「一時的に大量のオーラを留める空間を造り出している」と述べた。

この空間とは、単純に風船の中に閉じ込められた空気がごときオーラなのだろうか。否である。

彼が『廻天(リッパー・サイクロトロン)』の制約としているのは何か。それは、“腕を回転させること”。これは逆に言えば、“腕を回転させる必要がある”とも言えるのだ。ここまで言えば、彼の能力の本質が見えてくる。

すなわち彼の能力の本質は、短時間のみ生成可能な高圧縮されたオーラの回転領域にある。ではこれを攻撃に用いればどうなるだろうか。高速で回転する渦巻に、例えば人間の関節を、首を突っ込んだらどうなるだろうか。答えは単純。その部位は激しい回転によって捻れ破壊されるのである。

彼が対峙した極めて頑健なキメラアントとの戦闘において、その前哨戦は描かれていない。というのも、作者である冨樫氏はあえてそのシーンを省いた可能性が高いからだ。彼の能力の本質はこの“渦”に相手を巻き込み破壊すること。だがキメラアントの肉体にはそれも通用せず、それなりに得意な打撃もほぼ通用しない。これによって相手に攻撃手段がもはや残されていないと勘違いしたあのキメラアントは、むざむざ相手の攻撃を無防備に受けるという、後から見れば間抜けにしか見えない選択肢を選んでしまったのだ。何故なら、彼はフィンクスの技を全て受け切ったと勘違いしているのだから。

放出系に可能な能力

さて、とは言っても空間系であるなら具現化系ではないかという疑問を持つ方もいるだろう。

そこで、フィンクスの起こしている現象というよりも、念能力そのものに及ぼすイメージの作用に関する考察をここからは述べていきたい。

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ここで注意していただきたいのが、作中での説明として知識の解説においては優等生なクラピカであるが、これはあくまで彼の主観であるという点だ。というのも、念能力とは本人の主観がひどく作用する。極端な話、それが出来ないと思ってしまったならばその能力は絶対に生成不可能だと断言できるほどに本人の精神状態が左右する能力でもある。

では、フィンクスの能力は具現化系なのか? 否である。

具現化系であるならば彼の能力はむしろ四次元マンションのような複雑な念空間を用いたものとなっている筈だし、その性格でさえも劇中とは変わっている筈だ。

というのも、これは長けているというだけであって空間そのものに作用させる能力として放出系を働かせることが可能だということでもある。放出系とは文字通り体外に放出したオーラを維持し留めることに特化した能力ではあり、フィンクスの能力もまた前述したように“円”の応用と言ってもいい。

面白いのは、彼はそれを複雑な知識を必要とする空間系としては認識していないであろうという点である。あくまで、自分のオーラをその場に溜めておけるといった程度の認識だろう。そして彼の認識はそれで正解であり、だからこそ短時間とはいえ条件を加えるだけで強力なオーラを極限られた範囲に渦巻かせるという能力が発動できるのだ。

これと同じように認識によって能力を拡大している可能性が高い能力者としては、同じく幻影旅団のシズクがそうである可能性が高いだろう。彼女自身が持つ忘れっぽいという特性も、能力にある吸い込んだ者がどこかへ行ってしまうという作用とリンクしている可能性すらある。これは自らの記憶を失うことを無意識の制約とすることで、あの能力を発動している可能性があるからだ。

あとがき

さて、今回は旅団における天衣無縫ともいえる人物フィンクスについて考察させていただきました。

Twitterで述べた内容の補足になりますが、楽しんでいただけたなら何よりです。

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