念能力考察 操作系 シャルナーク風味

今回から画像にイラスト屋を使っております。

伝わりにくい分は文章で補いますので、どうぞ最後までお付き合いください。

◆◇◆◇◆◇『操作系』◆◇◆◇◆◇

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ハンターハンターの作中における特殊能力“念能力”。

その念能力における6つの系統のひとつである『操作系』。今回はこの操作系について、シャルナークの能力を解説しながらまとめて考察していきたい。


『操作系の能力者』

作中におけるこの系統の能力者としては、イルミ=ゾルディック、ヴェーゼ、シャルナーク=リュウセイなどがいる。

イルミ2

ヴェーゼ

シャルナーク

先ほど言ったように、今回はこれらのメンバーからシャルナークをメインとして扱っていきたい。
理由としてはシャルナークが操作系の代表的な能力である「他者の操作」という能力を主軸としていること、能力の描写がほぼ全てなされているという点である。

『操作系の特徴』

水見式

水見式にもある通り、操作系最大の特徴とは“対象を操る”という点だ。これは、条件さえ満たせばその相手が人間であっても一方的に自由に出来るということが大きい。上記のキャラクター達などもそうだが、その能力である操作系は、作中でも「決まれば一撃」と言われるほど極めて極端な系統のように扱われることが多い。

それは間違いなく事実だろう。だがカルトや、わたしの考察によればノブナガもそうであるように、殊更操作する対象を人間のみと断定する必要もない系統でもある。そもそも人間を操作するというのは、強力な反面デメリットも大きいのだ。

『操作系のメリットとデメリット』

水見式の件をおさらいしよう。

水見式 操作系②

水見式において起きる現象というものは、オーラの性質そのものでもある。これは、各系統を判明させるという以上に能力の方向性を発露させることにおいて重大なヒントでもありえる。特質系が特別な変化をすることには、これも大きく関わってくるハズだからだ。

ただし今回は水見式に関する考察は省く。これに関しては後ほど記事にするのでそれを待ってもらいたい。

さて、“葉が動く”という変化をどう捉えるか。これが操作系における能力の方向性を決める。
すなわち、葉が動くことに注目したか、葉を動かすことに注目したかだ。
心理的な方向性として前者であれば人を操作する方向へ、後者であるなら物体の操作へと行きやすいだろう。ではシャルナークはどちらをイメージしたのか。恐らくは、前者をイメージした後、後者をも想起したというのが正解だと思われる。

『シャルナークの能力』

シャルナークは、操作系における性質を実に面白く利用している。

シャルナークの能力である『携帯する他人の運命(ブラックボイス)』とは、アンテナを相手に刺し(一種のマーキングに該当)、携帯を使って相手の動きを操作するものである。彼の能力の面白い点はこの携帯電話を使っているというところにある。相手を操るのにはどの携帯電話でもいいというのではなく、シャルナークの能力にはこれが必須だからである。だが、それは使い込んだ道具であるというだけでなく、恐らくだがこの携帯には神字がふんだんに使用されている可能性が高いことが上げられるからだ。

それではまずそのことに言及する前に、暗黒大陸編で判明した操作系における三種類のタイプを見てもらいたい。

強制型……相手の心身を完全に奪い操る。一番分かりやすいオーソドックスなタイプ。強力な分能力発動が難しく、使いこんだ道具や困難な条件が必要だったりする。

半強制型……身体の自由だけを完全に奪って操る。或いは標的が自ら念の命令通りに動かざるを得ない状況に追い込む。

要請型……操る相手に選択の余地を与えつつ術者のために動かすタイプ。最も効果が薄い代わりに能力発動が簡単だったり広範囲に能力を及ぼすことも可能。

出典元:アニヲタwikiの念能力の項目より抜粋

ちなみにだが、イルミの能力はこれら全てを状況に応じて混ぜて使っているように見える為、恐らく汎用性の高い要請型を応用していると思われる。要請型であるにも拘わらず効果が強制型と変わらない点は、後述するとしよう。

さて、本題であるシャルナークの能力はこれの内、強制型であるのは間違いない。そして当然だが、この能力は操作条件を満たした後に心身全てを支配する為、操作する人物の意識(命令)がなければ話にならない。要するに、ラジコンのコントローラがあっても、それを操作する人間意味がないことと同じである。

だが、シャルナークはその自意識の喪失をも踏まえた能力を有している。蟻編において発動した『自動操作モード』である。この状態において彼は髪を逆立たせ、爆発的なオーラを全身から溢れさせると、肉弾戦ではびくともしなかった大型のキメラアントをいとも容易く粉砕した。ちなみに新アニメ版におけるここの描写は完全に超サイヤ人である。

シャルナーク自動操作 (1)

このシーンにおいて面白いのが、彼がここで用いた自己操作モードの発動において、明らかにPOP、すなわち顕在オーラ量(体外に出せるオーラの最大量)が増えていることである。これに大胆な仮説をつけるなら、ここで起きているのは一種の“周”である。すなわち、自動操作によって意識をなくすことと引き換えに自身をも道具とみなし、これによって肉体に“周”をかけるという一種の裏技を可能としているのである。

『系統と念の応用技の相性』

念能力には基本となる四大行以外に各種の応用技があるが、実はこの応用技は各系統において得意な応用技が違う。
例えば、体外へオーラを広げることを必要とする“円”は放出系との相性がいいし、“陰”はオーラそのものへ作用させるという点で変化系との相性がいい。これと同じように、外部のものを操作する“周”は操作系と相性がよいのである。
無論これはあくまで相性がいいというだけであり、修行によって効率化することは不可能ではない。だが系統別でのパーセンテージの違いがそうであるように、相性というのは応用において極めて重要な要素となりえる。

シャルナークは自身の意識を喪失させているが、これは自動操作を行う上で必須の条件、所謂制約と誓約に該当する。しかし意識を無くすという行為は意識的に出来るものではなく、必ずそれを為すという覚悟を必要とする制約と誓約には該当しないと考える人もいるだろう。だがそれを解決する手段がある。自らの能力である。彼の能力である『携帯する他人の運命』はアンテナを刺すことで発動し、この時点で相手の意識を奪うことが可能なわけである。彼はこの能力そのものを利用し、意識を失った際に起きる念能力を予め作っておいた。それが『自動操作モード』である。

先ほど、わたしはシャルナークが自らを道具とみなして自分自身に裏技的に“周”をかけていると考察した。この理屈には当然疑問を持つだろう。外部にあるものを自身の延長としてオーラで覆うのが“周”である以上、オーラの源もシャルナークであるならばそれは単なる“練”の延長戦に過ぎないのではないかと。それは前提としては間違っていない。強化系に限らず、本来であれば肉体を強化するのは“纏”であり、そのオーラの量を一時的に増幅させるのが“練”。これらを応用した技術が“凝”や“堅”や“硬”である。ではなぜシャルナークは自らに“周”をかけることが出来たのか。これを可能としているのが、自己意識の喪失である。

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例えばである。意識を失った人間を操作能力によって操作する場合、その対象に自らのオーラを用いて“周”をかけることは可能だろうか。推測ではあるが、高確率で可能だと言えるだろう。
この根拠は、オーラを促す源が対象を操作する人間であるからである。だが、自動操作モードにおいてシャルナークの意識はない。では誰がシャルナークを操っているか。それは彼が持つ携帯電話である。

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ここにおいて本来焦点となるエネルギー源が同一でありながら同時多発的に別々の効果をもたらすことは可能かと言われれば否である。つまり自動操作モードにおけるシャルナークは“纏”を行っていない。だがそれを補って余りある出力の“周”を自らに行っている。これを可能としているのは、彼の持つ携帯電話にそれだけのプログラミングがあらかじめ仕掛けられているからである。これによって、本来シャルナークが発揮できる顕在オーラ量を遥かに凌駕した異常な出力での戦闘行動が可能となるのである。しかも操作されることによって肉体的なリミッターも外れるというおまけつきで。

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そしてこれを可能としているのが神字である。これに関してはグリードアイランドの記事でも述べたように、神字とは念能力を意思の力以外でプログラミングすることが出来る外部出力装置であり、同時に集積回路としての役目もこなす存在だからだ。他に変わりのない唯一無二の携帯電話を神字を組み込んで作ることで、シャルナークは他者の操作と自己の操作という、表面的には相反する能力を手中に収めているのだ。

『操作系の可能性』

操作系が“周”といった応用能力と相性がいいことは既に述べたが、応用すればこれ以外にもかなり大規模なことが可能であるということでもある。例えば具現化系能力者が具現化した鎧を操作系能力者が操る相互協力(ジョイント)型にすることや、逆に操作対象を特定せずに無機物のみを自由自在に操作することも可能である。
他にも操作対象をオーラそのものにすることや、特定の動物や植物を操ることも可能だろう。後者に関しては蜂を操るポンズや、犬を操るスクワラがいることからもわかりやすいだろう。
他にも面白いことが可能であることが推測できる。例えば、操作系は自分自身の強化が苦手であるものの、これが義手義足の使い手であればどうなるだろうか。自分の肉体でないという点を活かせば、あるいは強化系に勝るとも劣らない凶悪な肉弾戦が可能になるかもしれない。そしてこれは何も、手足には限らないのである。

『おまけ イルミの針について』

イルミの針についてはその正式名称が未だにはっきりしていないことからも謎が多いものの、推測を行うことは可能である。

例えば、わたしは上記において彼の能力を養成型であると断言した。能力の発露においては半強制ないし強制型であるにも拘わらず、である。これは彼のゾルディック家という特性と、能力発動に用いる道具である針が関係していると考えている。

人間の脳に直接電極を刺し、そこへ微弱な電流を流すことで知覚を刺激する実験がかつて行われたことがあると聞いたことがある。知覚とはすなわち味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚の五つである。脳への刺激はこれ以外にも、応用すれば手足を動かすことさえ可能であるとのことであった。

イルミの能力はこれの応用であろう。ただし流し込んでいるのは電機ではなくオーラ。これを用いることで、記憶野にすらも作用して情報を一方的に入手することさえ可能であると思われる。これは十老頭に行った完全制御や、ハンター試験において行った試験管に対する尋問からもその応用力が窺える。

彼の能力の恐ろしい部分は、その底が見えないところである。脳の記憶や顔面の変形まで可能であるとするならば、自己の肉体強化や簡単な治療まで行えてもおかしくはないというところだ。

また針人間に使う針は恐らく使用に際して「数週間から数か月体内に浸した針であること」「命令できる内容は単純明快であること」「針の素材そのものが特別性であること」などが可能性として考えられる。


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以上、今回は操作系に関してシャルナークを中心として考察をさせていただきました。

今回言及した水見式に関しては次回の記事にしたいと思いますので、楽しみにお待ちくださいませ。

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