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H×Hガチ考察 『グリードアイランドという“システム”』

さて、GANTZの二次小説を書きつつ「なんか忘れてね?」となったので思い出したようにこれを書いているわけだが(笑)

今回はH×Hにおいても特に名作と名高いグリードアイランドをひとつのシステムとして、また何を目的としてこれを作られたかを見ていきたい。まあジンのことだから目的よりも過程で得たものが目当てだったりするんでしょうけど(笑)

【注意書き】

今回の考察はあくまで個人的な感想レベルですので解釈違いによる訂正は受け付けませんのであしからず(笑)

まず、このゲームの目的をハッキリさせよう。実はこのゲームにおける目的は二通りにわけられる。

否、二通りにさせられた、というべきか。

これは言うまでもなく、大富豪バッテラによるクリア報酬を求めての懸賞金が原因である。これによってそもそもが難易度を上げる程度だった上記のカード化限度枚数がゲーム攻略におけるネックとなり、この二通りにおける目的の達成を一気に難しくさせた。

二通りの目的は以下の通りである。

・大富豪バッテラ氏によるクリア報酬500億円。
・ゲーム内で入手したカードを外の世界へ持ち出すこと。

稀少さで言えば後者の方が圧倒的に高いにも拘わらず、これを難しくしたのは無論ジンによるゲーム攻略の難易度だが、それも優秀なハンターであればクリアできないものではない。むしろ数々の指定ポケットカードの取得する上での難易度は、恐らく実力(戦闘力)と関係ない部分での難易度だと思われる。単に強ければいいのであれば、ゴン達よりも上の人間は遥かに多いと思われるからだ。

では肝心のグリードアイランドというシステムについて見ていこう。かつてわたしは「グリードアイランドは暗黒大陸の再現である」と意見を鵜呑みにしていた。現実には起こりえない数々の出来事を考えれば、それは確かにシミュレーションとしては優秀である。だが待ってほしい。これが暗黒大陸と言うのであれば、それではあまりにも難易度が低すぎる。

この画像を見てもわかる通り、もはやネテロ達は縮尺においても存在していない。完全なる怪獣の世界である。

その時点において世界最強クラスであったのは疑う余地のないネテロが取るものも取らず踵を返したのが暗黒大陸である。であるならば、如何にジンが暗黒大陸を行きたい場所として夢想していたとはいえ、そのシミュレーションとしてグリードアイランドを作ったというのはあまりに稚拙すぎやしないかと。

また、ジンはこのグリードアイランドを作るに当たって複数のハンターを仲間とし、さらには一級の犯罪者であるレイザーをも条件付きで仲間としている。これはなぜか?

あまつさえ、彼はレイザーに息子のことを“頼んで”すらいる。これは彼の人誑したる由縁でもあるのだろうが、この時レイザーがジンの言葉に心を打たれたのは単純に初めて頼られたからではないだろう。

それだけならば誰もが為しうる。ただ無防備に言葉をかけるだけでいいのだから。

だが違うのは、ジンは恐らくレイザーに勝っているということである。それも圧倒的なほどの実力差で。

考えてみてもほしい。自分が最強だと信じて疑わない人間が、自分を圧倒するほどの実力者に敗北し、捨て鉢になっていたところでその相手からスカウトされるという状況を。

当然、歯向かうでしょう。
“自分をそんな風に信用していいのか”と。

なんなら最悪のタイミングで裏切ってやろうとすら考えるでしょうね。

ですが、ジンはそんなレイザーの内心を読み取るかのように、むしろそうすることを推奨してみせたのです。その上であまつさえ息子を自慢し、頼んで見せた。

つまり、レイザーの内心がどうであれジンにとって重要なのはレイザーの思惑ではなくその実力だと。彼の実力そのものを買ってるのだと言外に示して見せたのです。

これがあったからこそジンの言葉はレイザーに響き、単調で退屈とも言えるゲーム内の役割に甘んじさせる理由になった筈です。

……うん、なんかレイザーの話メインになってしまった。まあいいや続けよう(笑)

まあそんな流れがあったからこそ、ここのレイザーは内心ウッキウキなわけです。俺の期待を裏切るなよ、と言わんばかりに。結果としてその期待には叶い、ゴンは目的であるドッジボールに勝利します。ここで面白いのが、勝利する決定的要因はゴンであれ、ゴンはレイザーそのものには勝ってないのです。

ですが、レイザーはゴンの力と勝利を認めました。これは言うなればレイザー自身、ゲームのルールに従うことを楽しんでいるのです。彼が嫌々、あるいはゴンとの勝負そのものに拘っているのであれば、ここでなんとでも言い様があった筈ですからね。忘れてはなりません。彼は元々旅団に匹敵する悪党であるということを。

さあ!前振りが長くなりましたが今度こそ本当にグリードアイランドのシステムを考察しましょう!(笑)

一応劇中で確認されている台詞としてはここと前後するシーンが有名ですね。いわゆる、レイザーが自身を放出系のシステムを担当していると宣言するところですね。

ここで面白いのは、レイザーの任されている役割です。すなわち、彼が台詞にしている部分。

「主に放出系のシステムを担当している。呪文(スペル)での、移動とか外敵対策」

という言葉です。これが何を意味するかといえば、必ずしも1つの系統に1人の担当がいるというわけではないということ。むしろ、特定の分野に限っては放出系においてもその担当が別れているということです。これは実に興味深い。

わたしが以前行った考察を見ていただければご理解いただけた方もいるとは思いますが、放出系や操作系といっても、必ずしも劇中でメインとなっている運用が全てではないということです。

そして上記の言葉を考えれば、彼が担当しているのはいわゆる瞬間移動系でのシステムを担当しているということ。これはグリードアイランドの構成を探る上でかなりのヒントとなっています。

そもそも、外界から完全に隔離されたとはいえ、広大な島1つを完全に念能力の影響下に置けるかと言われれば「出来るとも言えるし出来ないとも言える」が相変わらずの結論になります。これをわかりやすく言うのであれば、密度や量を問わなければ同じ水の量で異なる大きさのコップ全体を濡らすことができるかということになります。

これをうまく利用すれば瞬間移動などの能力が極めて離れた場所でも働くのですが、ジンはこれに対して悪魔的発想を思い付いたと思われます。

「濡らせるならずっと濡らしたままに出来るんじゃね?」

と。

これはまさしく先述した「イエスでもありノーでもある」念能力の問いかけなのですが、恐らくこれに関しては前例がある可能性があるのです。

特にネットでは「こいつ関わってるんじゃねえ?」と思われている代表がいます。それがこの方。

そう、イックションペ=カットゥーチャです(笑)
すごい名前のこのキャラですが、ジンとの会話にある気安さとその影響力から考えて、彼がグリードアイランドに関係している可能性は非常に高いです。名前にもIがありますしね(笑)

これはわたしの推測ですが、先程言った前例とはすなわち彼が関わっているゲームのこと。すなわち、上記の画像で言っているアイテムを交換できる場のことです。これを、仮にイックションペが作ったとしたら、どうでしょうか?

彼はこちらの世界を現実(リアル)ではないと言い切るほどのネトゲ廃人であるのが察せられます。そんな人間がどこまでもゲームを追い求めてどうするか。そう、自分でゲームを作るのです。仮にジンがこのゲームにハマり、その完成度を認めつつ制作者であるイックションペを置き去りにするほどゲームを十全に楽しまれたとします。もちろん彼は悔しい筈です。なにせ作ったのは自分なのに、なぜ勝てないとなるわけですから。

実はここで先程のレイザーと被る部分があるのですが、仮にそんな悔しさの只中にあるイックションペがジンからこう誘われたらどうでしょう?

「お前こんなにすげーもん作れるんだったら、今度俺が作るゲームも手伝えよ」と。

イックションペは勿論頷いたでしょう。そして今度は自分がジンにやられたことをそのゲームでやり返してやろうと思った筈です。ですが彼はグリードアイランドに出てこない、なぜか。それはグリードアイランドが現実世界を舞台装置として使ったゲームだったからに他なりません。たぶん、ジンのことですから本人が気にする一番大事なところは言わない筈です。彼にとっては本人の思想はともかく“それが出来るかどうか”が重要ですから(笑)

ゲームの作り方をわたしは詳しく知るわけではありませんが、念能力に関する考察は他の誰にも負けないほどに考え込んできた自信があります。それをこうして出力しているわけなのですが、今回のグリードアイランドをかつてない規模の相互協力型であると推測しています。

これは各系統における複数の担当者がいることからも伺えることで、逆に言えばこれを最大限小規模にした能力がボマー達ゲンスルー組の扱う『命の音(カウントダウン)』だと思っています。

念におけるオーラとは掛け算です。その出力は条件を加えることで加速度的に増していきます。

そしてここまで来て当然の疑問を抱く人が出てくると思います。

「あの世界における無数の建造物やモンスター、NPCを構成するオーラはどこから持ってきたのか」と。

念能力におけるオーラはガソリンです。ですが、ある条件においてこのガソリンは特定条件を満たすまで消えにくくなることが可能なのです。

それが念獣です。

覚えているでしょうか。モラウの『紫煙機兵隊(ディープパープル)』を。あれの考察はまた今度するとして、結論だけを言うとあれのオーラ運用はここにおけるモンスターやNPCの運用方法に近いものがあると思われます。すなわち、核となるプログラムを組み込まれたオーラを作り出し、それを別種のもので被うことで継続的な運用を可能とするのです。モラウの放った念獣はその目的を終えるまで、あるいは攻撃を終えるまで消えることはありませんでした。実はこれは他の念獣においても同じであったりするのです。放出系で生み出した念獣は終始オーラの供給を受けているわけではないのです。その証拠が、実はシャッチモーノが扱う風船黒子です。

仮に彼からオーラの端子のようなものが伸びていれば、クラピカ達との面接の場面において即座に彼が操っていることが露見したでしょう。ですが、その繋がりは切れていなかった。つまり、念獣は常に意識する必要がないということです。

無論、例外は存在します。より制度の高いコントロールを必要とするならば直接操作した方が早いですし、それが可能であると考えることは容易です。ですが、ここで注目してほしいのは一度作ればその目的を終えるまで念獣はそのまま居続けるということ。

本来であれば念獣とは攻撃目的に使われるのが大半であり、その存在を永続とするのは意識的に避けるべきです。だからこそジンはそこに目をつけました。

これを利用すればグリードアイランドにおけるNPCが大量に作れるからです。当然、一朝一夕にはいきません。膨大な作業料、設定が必要でしょう。ですが、この設定においてはプロフェッショナルがいます。

そう、イックションペです。彼はゲームを自ら作った可能性があるほどの廃人。となれば、グリードアイランドにおけるNPCのプログラミングを全部彼がやらされた可能性さえあります。

そして、ここでわたしがプログラミングと言ったことには理由があります。NPCを構成するガワにあたる部分。これを別途担当した人間がいることは間違いありません。そうすることで相互協力型における掛け算となり、念獣の強度も増すからです。
そして仮にNPCが攻撃され崩壊した場合に備えて、恐らくあれらのNPCにはバックアップが存在します。これに特殊な素材が必要かどうかはわかりませんが、神字を用いればこれも可能です。尋常じゃなくしんどい作業になりますし、神字に文字を刻む行為にはオーラを用いる必要があります。想像に難くない地獄絵図が広がりますね!

きっとジンを初めとしてメンバーの大半がカリカリとひたすら神字を刻んでいたでしょう(白目)

やることはそれだけに終わりません!

次はモンスターに関するプログラムが待っています。これにはNPCと違った苦労が待ち受けているでしょう。何せ弱点という制約を付けるとはいえモンスターは間違いなく攻撃目的の念獣。そこに必要となるオーラはけた違いです。

ですが、先程のNPCの描写でもそうでしたがこれを解決する方法があります。すなわち、カードです。

先程カリカリ書いている、とわたしは書きましたが、ひょっとしたら石のようなモノに書いているとイメージしませんでしたでしょうか?

わたしは全てカードに統一されていると思っています。上記のカード、よく見てください。実はフレーバーテキストの周りに神字が書かれてるんです。

何故グリードアイランドの世界ではお金さえもカードなのか? それはこれらを統一することによってNPCのプログラムを容易にすることが出来るからです。つまり、カードに仕込まれたプログラムに沿ってグリードアイランドは動いているのです。

ゆえに条件を満たせばカード化する、というメインプログラムを仕込むことでNPCが予期せぬ行動に出ることが防げますし、ゲームの一部にも組み込めます。そしてこれを核とすれば、ゲームの中に現れるモンスターも倒された場合ゲーム内のルールに従って再生させることが出来ます。

すなわち、モンスターにもカード化限度枚数というものが存在するのです。そしてゲーム内における限度枚数を超えたカードは消滅します。消滅したカードはどこへ行くでしょうか?

そう、グリードアイランドを運営しているところです。そこで再度モンスターを出現させ、指定の場所に移動させる、あるいは指定の場所で再出現するようにすればそれで事足りてしまいます。

さらには呪文カード。これは再現される現象は多岐に渡りますが、それら全ては念能力で再現可能です。一見現実離れしたものであっても、ゲーム内でのみ有効という縛り=制約と誓約を設けることで可能となります。

では、指定ポケットカードはどうなのか。これにおいては、入手難易度が鍵となっています。先程、わたしは念におけるオーラとは掛け算によってその出力を増すと言いました。この難易度を上げること、すなわち複数の制約と誓約を入手するまでに挟むことによって、上位のカードほどとんでもない効果を生み出しています。これの面白いところは、念能力者であれば系統が違ってもどのカードをも使えるということです。これはすなわち、系統とはあくまで系統に過ぎないことを表しています。特定の能力を運用する上で重要ではあっても、必須ではないということ。例えば本来相性の悪い放出系が具現化系の能力を用いることもここでは可能です。

なぜか。

それは能力がカード化した時点で完成しているからです。面白いのは、この考えがクロロの用いる『盗賊の極意(スキルハンター)』にも用いれることです。こういった能力の背景に同じものが見られるのは、HUNTER×HUNTERの世界が如何にも広大であることを感じさせて非常に楽しくさせてくれますね。

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……さて、長くなりましたが今回も楽しんでいただけたでしょうか。

グリードアイランドは1つの念能力とする考え方。それが、今回の考察をする上でのヒントになっています。特にカードのフレーバーテキスト周りに神字があると気づいた時は快哉を上げましたね(笑)

それと、再度言わせていただきますがこれはあくまでわたしの考察です。世界中で親しまれるあらゆる物語がそうであるように、原作で断言されていない部分は読者が想像するしかない未知の世界です。当然、言葉が違うように解釈の違いも出てくるでしょう。

ですが、どうか否定はしないでいただきたい。物語がそうであるように、考察もまた人の数だけあるのですから。

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それではまた会いましょう!

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