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この土地のうどん、かなり好きかもしれない 「武蔵野うどん」

陸稲(おかぼ)と麦が主要穀物だった武蔵野台地には、うどん文化が根付いている。

文化というか、習俗として根付いているという方が正しいかもしれない。少し前の時代には、集落の神事や正式な会合の際は、朝からお父さん達がうどんを捏ね、お母さん達がそれを茹で、会が済んだら皆で食べる習わしがあった。つけ麺タイプが多いようで、養蚕のツクリモノ『繭玉』を始め、神仏前にもうどんが供えられていた。

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今は市販のうどんで行うことが多いみたいだけれど、それでも、この土地の人たちにとって、うどんは御馳走で、神さまとも繋がる食べ物として捉えられていた。そのような特別なうどんは、やはりそのコミュニティに属していないと食べられない。

新参者の僕が食べられるのは、街のうどん屋ということになる。
飯能の『古久や』は江戸期からあるうどん屋だ。中に入ると、市役所の職員さんみたいな人たちが、名物「肉つゆうどん」を啜ってる。
初めての街のご飯屋に行くとき、地元の職員や土建屋の人がお客でいるかをチェックするのだけど、それでこの店がアタリかわかったりする。

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強いコシに小麦の味がしっかりしている。そこに削り節ベースのしょっぱくて暖かいつゆ。ねぎや薬味、豚がアクセントになり、ノンストップで食べきってしまう。

他にもいたる所にうどん屋があって、みつけるとつい寄ってしまうようになった。讃岐うどんや稲庭うどんなど色々食べてきたけど、この土地のうどん、かなり好きかもしれない。



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