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宿場町の人々 諏訪の夜

諏訪の夜、風呂に入れるところがないか調べたら、地元の小さな温泉が見つかった。200円を箱に置いて入ると、常連そうなおっちゃんとお兄ちゃんが、こんばんはと言ってくれる。こちらもこんばんはと返事して、汗を流して湯に浸かる。気持ちいい。
上がった後も、おっちゃんは語りかける。「テレビ観てると何だかくさくさするねぇ」落語のまくらみたいだ。風呂入って寝るしかねえでさ。

といっても、泊まるところも決まってない。が、まずは腹ごしらえだ。スマホで晩飯先を調べる。すぐ近くにまだやってるお店があった。


カウンターに座るなり「お兄ちゃん、こんな遅くにどしたの?」とマスターから話しかけられる。行き当たりばったりな行程を話すと、じゃあ俺が宿探してあげるよとゲストハウスに電話してくれた。
なんだなんだ、懐かしいぞこの感じ。



あ、と思い立って聞いてみた。
「そうね、ここらは宿場町だったからさ、外から来る人にはなれてるのよ。距離の取り方もね」。
別府の人たちの雰囲気に似てるんだ。で、その理由も何となく分かった。きっと別府名物の山本さんやアベリアさんみたいな人もいるのかも知れない。

ここの冷製コーンスープが無茶苦茶おいしくて、鉄輪の『三ツ星』を思い出した。

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